MISAO Project

Home Page       Tue Dec 2 18:42:53 JST 1997

next up previous
Next: 画像の重ね合わせ Up: 画像と星図とのマッチングに関する中間報告 Previous: 星像検出とノイズ

マッチングの精度

マッチングの精度を、カシオペヤ座新星1995の画像を例に示す。 PIXYシステムでは、マッチングによって、画像上のx,y座標と星図上の 座標(赤経赤緯)との間の変換関数が求められている。 そこで、マッチングを行った後、画像から検出した星像をマウスでクリックする と、その星の赤経赤緯を得ることができる。 第2節で挙げたカシオペヤ座新星1995の2枚の画像( Nova1995Cas-1.gif , Nova1995Cas-2.gif )をそれぞれマッチングして、新星の赤経赤緯を得た結果は次の通りになった。

tabular51

この新星の真の位置は、赤経1h 5m 5.353s、赤緯+54°0'40.13''である。 よって、位置の誤差は約4秒角程となる。 この画像は466ピクセルで画角1.17度と出力された。 即ち、1ピクセルあたり約9秒角である。 よって、検出した星像の位置は、ピクセルサイズのおよそ半分以下の精度がある と言えるだろう。

前節で述べた通り、現在の星像検出は暫定的なものであるため、測定される位置 にもかなりの誤差があり得る。 更に、このカシオペヤ座新星1995の画像の場合、ガイドエラーによって星が点像 になっていない。 しかし、マッチングさえうまく行えれば、かなりの精度で位置を測定できること が分かった。

但し、広角レンズで撮影された画像については、非常に精度が悪い。 例えば、以下の百武彗星の画像(b2_0327.jpg)は、画角が60度ほどもある。 この場合、画像の中心位置は正確に求められているものの、端の方では目で見て 分かるほどのずれが生じている。

これは、PIXYシステムに於いては、恒星は正距方位図法によって投影され ていると仮定していることが原因である。

Copyright(C) Seiichi Yoshida (comet@aerith.net). All rights reserved.