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マッチングの実験結果

 

以下の画像に対して、星図とマッチングできるかどうかの実験を行った。 各画像のデータの詳細については、各天体の写真集のページを参照してほしい。

これらの画像は、既知の彗星や新星を狙って撮影されたものである。 そこで、対象天体の予報位置を各々の画像の概略の位置として指定した。 また、画角は各々の画像で異なるが、各撮影者がおおよその値を把握していたの で、それを概略の画角として指定した。

これらの画像をティコ星表(b2_0327.jpg と 1996B2.jpg については、画角が 広いため、イェール輝星カタログ)とマッチングした。 その結果、2つの例外を除いてすべてマッチングに成功し、正確な位置と画角、 位置角を得ることができた。

1つ例を挙げておく。 1996年9月16日のタイバー彗星の画像(tb960916.jpg) をティコ星表とマッチングさせた。 概略の位置を、赤経5h40m、赤緯+7°とし、概略の画角を5度として実験を行った。 その結果、下のようにマッチングに成功した(この画像は、縦横をそれぞれ半 分に圧縮してある)。 左側の図が元画像で、右側の図が、マッチングの結果出力された位置、画角、方 向角を用いて作成した、画像と同じ領域の星図である。

システムが出力した画像の中心の座標は、赤経5h42m1.61s、赤緯が+6°38'1.4'' である。 また、この画像は画角を5度とし、北が上になるように撮影されたものである。 しかし実験の結果、正確な画角は4.18度、画像の上方向の位置角は1.24度と、そ れぞれ多少のずれがあることが分かった。

この画像のように恒星が多い場合は、人が目で星図と見比べ、1つ1つの星を同 定していくことはなかなか困難である。 画像が回転していたり、画角が曖昧であるような場合には、目でのマッチングは ほとんど不可能となる。 そのため、ソフトウェアで自動的に行うことのメリットは大きい。

尚、実験はPentiumPro 180MHzのPCで行った。 PIXYシステムはJavaで実装しているが、マッチングに関する部分のみは Native MethodとしてC言語で実装した。 マッチングに要する時間は、数秒から数分程度であった。

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