新彗星らしい像を発見しても、報告は慎重に行って欲しい。
少なくとも、以下の諸事項を確認する必要がある。
- Guide Star Catalog等の星表に載っていないか
銀河であったり、ただの星がぼけて写った場合は、星表に載っている
かどうか調べるだけで判明することも多い。PIXYシステムでは、これ
は自動的に行っている。
稀に、星表に載っていない銀河が存在する。そのため、以下のURLで
DSS(Digitized Sky Survey)の画像を見て確認することも必要である。
Astronomical Image On-line Access Interface
http://dss.mtk.nao.ac.jp/
図 5は、140P/Bowell-Skiffの近くで発見された彗星状
天体の例である。
右側がUSNO-A1.0の星図だが、この天体は記載されていない。
しかし、DSSにはちゃんと写っていたので、新天体ではないと判明した。
図 5: 新彗星候補 AGEO 1999-008C
- 輝星のゴーストではないか
特にカメラレンズで撮影した画像では、明るい星のゴーストが彗星の
ように見えることがある。画像の中心に対して対称の位置に明るい星
があれば、まずゴーストである。
- 既知天体ではないか
既知の彗星または小惑星の確認は必須である。以下のURLが便利。
Minor Planet Checker
http://cfaps8.harvard.edu/~cgi/CheckSN.COM
- 微光星の集合ではないか
より解像度の良い過去画像やDSSを調べ、単に微光星が密集して彗星
状に見えているだけではないかどうかを確認する。
新天体の捜索に役立つホームページの情報は、MISAOプロジェクトのリンクペー
ジに集められている。
http://www.info.waseda.ac.jp/muraoka/members/seiichi/link-j.html
尚、ゴーストやノイズは、構図を変えるとほとんどの場合で現れなくなる。よっ
て、一晩で構図を変えて2枚ずつ撮影しておくと、間違いをかなり抑制できる。
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