吉田誠一の彗星観測日記(2007年)

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Updated on May 4, 2013

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* 2007年12月30日〜31日(観測した彗星:2個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

大晦日はたいへん北風が強く寒いのですが、透明度が良く、横浜でも2つの彗星を見ることができました。30日も快晴でしたが、透明度は良くなく、空が白っぽい感じでした。

もうすぐ新年ですね。皆様も良いお年をお迎えください。

8P/Tuttle

12月31日   5.7等   視直径15分   DC 3〜4   (10x66 単眼鏡 10倍)

意外と、それなりに集光しているようです。M33のすぐ近くで、同一視野に入っていました。M33もなんとか淡い光芒が分かり、一応、ランデブーを目撃できました。

17P/Holmes

12月30日   3.8等   視直径約55分   DC 0   (10x66 単眼鏡 10倍)

12月31日   3.8等   視直径約60分   DC 1   (10x66 単眼鏡 10倍)

すっかり拡散して、光害地ではどこまで広がっているのか良く分かりません。透明度の悪い30日は、ぼんやりと淡い光芒があるだけで、まったくつかみ所がありませんでした。透明度の良い31日は、中央の明るい部分は良く分かり、細長く伸びているのが見えました。

* 2007年12月17日〜18日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

ホームズ彗星は、横浜での観測は限界が近づいてきました。これから月が大きくなりますので、もしかしたら、これが横浜での最終観測となるかもしれません。

10x66単眼鏡では、広がりすぎて、却って見づらいです。むしろ、肉眼で見た方が、彗星を捉えやすいです。肉眼で見えるのに、望遠鏡だと見えなくなるのは、何か不思議な感じです。

17P/Holmes

12月17日   3.8等   視直径約50分   DC 0   (10x66 単眼鏡 10倍)

12月18日   3.8等   視直径58分   DC 1   (10x66 単眼鏡 10倍)

18日は透明度の良い快晴で、しかも半月が沈んでから観測していますが、それでも、かなり時間をかけて目を慣らさないと、10x66単眼鏡では彗星を認識することが難しくなりました。

17日は透明度がやや悪く、もやっている感じで、広がりがどこまでか良く分かりませんでした。

* 2007年12月13日〜15日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

17P/Holmes

12月13日   3.5等   視直径52分   DC 1   (10x66 単眼鏡 10倍)

12月15日   3.5等   視直径55分   DC 1   (10x66 単眼鏡 10倍)

北軽井沢と違って、光害のひどい横浜では、たいへん淡くかすかにしか見えません。しかし、いまだに横浜でも肉眼で見えているのがすごいですね。

* 2007年12月8日〜9日(観測した彗星:13個+小惑星:1個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

浅間山はすっかり雪化粧で、見事な眺めでした。

眼視で見える明るい彗星が多くなってきました。これだけあると、観測もたいへんですが、データの取りまとめもたいへんです。

12月8日は、一晩のうちに天候がころころと変わりました。頻繁に雲もかかりましたが、晴れた時はすさまじい透明度に恵まれました。背景の空が真っ黒で、微光星がたいへん良く見えます。

北方の山々は雪雲に覆われていました。それは雷雲らしく、雲が流れてくると、頻繁にまぶしい閃光が、音もなく辺り一面を照らし出しました。未明には一時、雪も舞いました。

夕方はほぼ完全に曇っており、明け方は少々寝過ごしたので、夕方と明け方の彗星は観測できませんでした。

12月9日は、日中は良く晴れていましたが、夕方はまた曇ってしまい、小雪まで舞ってきました。そのうち少しずつ晴れ間がでてきたので、小雪が舞う中で彗星を観測しました。しばらくするとほぼ快晴となり、その後は一晩中晴れていました。この日も北方の山々は雪雲に覆われていました。しかし、雷の閃光はありませんでした。

この日は乾燥しており、前日と違って、望遠鏡や車がまったく凍り付きません。ファインダーも曇らないので、観測はしやすいです。透明度も良いですが、ただ、前日ほどではありません。

火星がたいへん明るく輝いています。望遠鏡では大きくまん丸で、あまり暗い模様がなく、かなり眩しいです。

この他に、C/2007 B2 ( Skiff ) も狙いましたが、位置を間違えてしまいました。

気温は両日とも、0度からマイナス2度くらいでした。

C/2006 OF2 ( Broughton )

12月9日   14.3等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 257倍)

太陽に近づいてきているはずなのに、何故か、見る度にどんどん暗くなっていきます。かなり粘りましたが、遂に見えませんでした。

C/2006 Q1 ( McNaught )

12月9日   12.5等   視直径0.8分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 144倍)

超低空で、木々の上の端のぎりぎりでした。すき間に入ったところで観測できました。彗星はけっこう明るいようです。

少し前まで雲がかかっていましたが、幸運にも、南中する頃には地平線まで雲のない快晴になりました。

低空すぎて、恒星もちゃんとピントが合いません。

C/2006 S5 ( Hill )

12月8日   14.0等   視直径0.5分   DC 4   (40.0cm 反射 257倍)

12月9日   14.1等   視直径0.4分   DC 4   (40.0cm 反射 257倍)

かなり明るく、はっきり見えます。

C/2006 W3 ( Christensen )

12月8日   14.5等   視直径0.6分   DC 4   (40.0cm 反射 257倍)

12月9日   14.3等   視直径0.4分   DC 5   (40.0cm 反射 257倍)

意外に明るいです。素晴らしい透明度だった8日は、あっさり見えました。9日には、こじんまりした感じに見えました。

P/2007 H1 ( McNaught )

12月8日   13.4等   視直径0.7分   DC 3   (40.0cm 反射 257倍)

12月9日   14.0等   視直径0.6分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 257倍)

かなり暗くなってきましたが、まだ楽に見えます。

8P/Tuttle

12月8日   8.4等   視直径13分   DC 3   (40.0cm 反射 36倍)

12月8日   8.1等   視直径16分   DC 2   (10x70 単眼鏡)

12月9日   8.7等   視直径9分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 36倍)

12月9日   7.9等   視直径10分   DC 3   (10x70 単眼鏡)

呆れるほど巨大な姿です! 1ヶ月ぶりですが、すっかり化けていました。小口径でも明るく大きく見えています。拡散状ですが、中心の集光はしっかりしています。

17P/Holmes

12月8日   2.7等   視直径67分   DC D2   (肉眼)

12月9日   2.7等   視直径70分   DC D2   (肉眼)

空の暗い山で見ると、すさまじく明るいです! いまだに2等級で、10月末のバーストからまったく同じ明るさを保っています。二重星団よりも明るく目立っています。

肉眼では、まん丸い、惑星状星雲のような姿ですが、あまりにも明るいので、DC=4くらいにも感じます。拡散状というイメージはまったくありません。ちょっと明るすぎて、双眼鏡で目測する気が起きません。近眼なので、眼鏡を外すだけで、かんたんにSidgwick法で目測できます。

10x70単眼鏡では、写真にそっくりの、くらげの姿に見えます。

40cmの望遠鏡で見ると、見事なエンベロープが、視野いっぱいに、透き通るように広がって、幻想的です。これだけ拡大しても、エンベロープの輪郭がはっきりしており、次々と星を飲み込んでいきそうです。

なお、40cmで見ても、彗星の核が見えません。本当に、残光だけがずっと光って見えているのですね。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

12月8日   14.0等   視直径0.4分   DC 2   (40.0cm 反射 257倍)

12月9日   14.5等   視直径0.5分   DC 2   (40.0cm 反射 257倍)

相変わらず、暗いですが見えています。拡散状です。

46P/Wirtanen

12月9日   12.9等   視直径1.2分   DC 1〜2   (40.0cm 反射 144倍)

小雪が舞い、頻繁に雲に邪魔されながらの観測でした。かなり拡散しています。

50P/Arend

12月8日   15.0等   視直径0.4分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 257倍)

12月9日   15.3等より暗い   視直径0.3分   (40.0cm 反射 257倍)

素晴らしい透明度だった8日に、かろうじて見えました。暗く小さいです。

93P/Lovas 1

12月8日   12.8等   視直径1.2分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

12月9日   13.1等   視直径1.2分   DC 6   (40.0cm 反射 144倍)

良く集光しており、明るく見やすいので、楽しめます。

110P/Hartley 3

12月9日   14.4等   視直径0.5分   DC 4〜5   (40.0cm 反射 257倍)

意外と集光しているようです。

191P/McNaught

12月8日   14.1等   視直径0.5分   DC 5   (40.0cm 反射 257倍)

12月9日   14.2等   視直径0.6分   DC 3   (40.0cm 反射 257倍)

意外にも明るく、はっきり見えます。8日には、3時間ほど空けて観測し、移動も確認しました。

(3200) Phaethon

12月8日   13.4等   DC 9   (40.0cm 反射 257倍)

12月9日   14.2等   DC 9   (40.0cm 反射 257倍)

これはおもしろい! 見ている目の前で、ものすごいスピードで動いていき、リアルタイムに移動が分かります。人工衛星みたいです。たいへん明るいので楽しめます。

* 2007年12月6日〜7日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

街灯りが消えて空が暗くなる夜中まで待たないと、ホームズ彗星の大きい姿がちゃんと捉えられません。ヨーカドーが閉店してから観測しているので、ここのところ、毎日同じ時刻での観測となっています。

また、単眼鏡を向ければすぐに見えるほど明るいですが、10分くらいかけてちゃんと目を慣らさないと、本来の大きい姿を捉えられません。

17P/Holmes

3.3等   視直径50分   DC 1〜2   (10x66 単眼鏡 10倍)

3.4等   視直径54分   DC 1〜2   (10x66 単眼鏡 10倍)

* 2007年12月3日〜5日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

今夜(5日)は快晴で、抜群の、最高の透明度です! 横浜市内なので、さすがに肉眼では天の川は見えませんが、単眼鏡で覗くと、これまで見えたことのなかった、ペルセウス座α星付近の天の川の無数の微光星がはっきり見えて、けっこう壮観です。

3日は、東京湾(南東)の方角に雲が出ていましたが、上空は晴れていました。

17P/Holmes

12月3日   3.3等   視直径52分   DC 1〜2   (10x66 単眼鏡 10倍)

12月5日   3.1等   視直径63分   DC 2〜3   (10x66 単眼鏡 10倍)

12月5日   2.8等   視直径60分   DC 4   (肉眼)

ホームズ彗星は、肉眼でも巨大な星雲状で、はっきり見えています。意外と集光もしているように見えます。肉眼でのイメージは、M44(プレセペ星団)みたいです。

* 2007年12月2日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

19時台には、街灯りや、おそらく薄雲もあって、ホームズ彗星はまったく見えませんでした。しかし、23時過ぎには、透明度がかなり良く、空も暗くなって、ホームズ彗星は笑ってしまうほど明るくはっきりと見えました。

17P/Holmes

3.0等   視直径55分   DC 2   (10x66 単眼鏡 10倍)

透明度が良いためか、ホームズ彗星は、かなりはっきりと見えて、明るく感じます。中心の明るい部分は、南北に伸びた棒状で、その周りに、呆れるほど巨大なコマが広がっています。

もはや、プレアデス星団をすっぽりと覆ってしまうほど、巨大な姿になったのですね。

* 2007年12月1日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

17P/Holmes

3.3等   視直径48分   DC 1   (10x66 単眼鏡 10倍)

6日ぶりの晴天となりましたが、ホームズ彗星はまだ見えていました。拡散してゴーストみたいな光芒ですが、明らかに見えています。コマは楕円形に伸びています。

* 2007年11月24日〜25日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

11月11日以降、2週間に渡ってずっと晴天が続いていましたが、今日は曇っています。今週はあまり天気が良くなさそうです。

この週末は、昼も夜もほとんど雲のない快晴が続きました。透明度もとても良いです。

17P/Holmes

11月24日   3.1等   視直径40分   DC 1   (10x66 単眼鏡 10倍)

11月25日   3.2等   視直径42分   DC 1〜2   (10x66 単眼鏡 10倍)

ホームズ彗星は、集光がたいへん弱く、すっかり拡散状です。満月がすぐ近くで輝いているので、とてもかすかです。それでも、淡く大きな姿は確実に見えています。

* 2007年11月22日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

17P/Holmes

3.1等   視直径39分   DC 2〜3   (10x66 単眼鏡 10倍)

たいへん寒いですが、たいへん透明度が良く、満月にもかかわらず、拡散した彗星が良く見えます。

肉眼でも、ふだんより暗い星まで見えます。肉眼でも、拡散したホームズ彗星の光芒も明らかに見えます。およそ3等で、大きく広がっています(視直径は1度以下)。

* 2007年11月21日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

17P/Holmes

3.1等   視直径40分   DC 2   (10x66 単眼鏡 10倍)

透明度はとても良いのですが、中天に大きな月が煌々と輝いているため、彗星はとても淡くかすかです。でも、大きく広がって見えます。

* 2007年11月20日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

17P/Holmes

3.0等   視直径39分   DC 3〜4   (10x66 単眼鏡 10倍)

ホームズ彗星は、ペルセウス座α星を通り過ぎました。月明はありますが、透明度が良いため、たいへん明るく大きく見えます。コマは楕円で、南西に尾が伸びているようです。

* 2007年11月18日〜19日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

17P/Holmes

11月18日   3.1等   視直径34分   DC 3   (10x66 単眼鏡 10倍)

11月19日   3.0等   視直径33分   DC 3   (10x66 単眼鏡 10倍)

ホームズ彗星は、コマの外側の淡い部分が、ペルセウス座α星と重なっています。ですが、中心の明るいコアは離れており、Sidgwick法での測定にそれほど支障はないです。ただ、視直径の見積もりは、少し影響されているかもしれません。

18日は、北風がたいへん寒かったですが、透明度はたいへん良く、彗星も明るく感じました。

19日は、ついさっきまで雨が降っていたのですが、寝る前にちょっと外を見たらいきなり快晴になっていたので、慌てて寝るのをやめて観測に出かけました。

* 2007年11月17日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

ホームズ彗星のコマの端が、ついに、ペルセウス座α星にかかり始めました!

17P/Holmes

3.0等   視直径37分   DC 3   (10x66 単眼鏡 10倍)

彗星は大きな拡散状です。肉眼では、ペルセウス座α星の隣に、かろうじて淡い光芒が見えるのみです。

* 2007年11月16日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

17P/Holmes

2.9等   視直径35分   DC 3〜4   (10x66 単眼鏡 10倍)

ホームズ彗星は、日に日に拡散状に、集光が弱くなっていく感じです。

肉眼でも分かりますが、もう測定不能になりました。

* 2007年11月14日〜15日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

ホームズ彗星は、もうペルセウス座α星のすぐ隣です。

14日は雲が多かったのですが、頭上には大きな雲のすき間があり、じっくり観測できました。15日は快晴ですが、あまり透明度は良くありません。

17P/Holmes

11月14日   2.8等   視直径31分   DC 4〜5   (10x66 単眼鏡 10倍)

11月14日   3.0等   視直径34分   DC 6〜7   (肉眼)

11月15日   3.0等   視直径33分   DC 4   (10x66 単眼鏡 10倍)

11月15日   3.3等   視直径37分   DC 6   (肉眼)

単眼鏡では、かなり淡く、暗くなった印象です。15日は、コマが楕円に伸びて、偏っているように見えます。

肉眼でもまだはっきり見えていますが、淡くなったので、ぼかしての光度測定が限界に近づいてきました。

* 2007年11月12日〜13日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

ホームズ彗星は、だいぶペルセウス座α星に近づいてきました。

17P/Holmes

11月12日   2.8等   視直径30分   DC 5   (10x66 単眼鏡 10倍)

11月12日   2.6等   視直径32分   DC 6〜7   (肉眼)

11月13日   3.0等   視直径30分   DC 5〜6   (10x66 単眼鏡 10倍)

11月13日   2.9等   視直径30分   DC 6〜7   (肉眼)

12日は快晴でした。とても寒かったのですが、たいへん透明度が良く、肉眼ではかなり明るく感じられました。

13日は雲間からの観測となりました。薄雲がかかっていたかもしれません。

* 2007年11月11日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

ついさっきまで雨が降っていましたが、急に快晴になりました。たいへん透明度が良く、星がきれいに見えています。

17P/Holmes

2.6等   視直径30分   DC 5〜6   (10x66 単眼鏡 10倍)

2.7等   視直径33分   DC 7   (肉眼)

ホームズ彗星は、肉眼でも大きな彗星状に見えます。単眼鏡では、北側の輪郭がはっきりした円形で、中央に明るい楕円のコアも見えて、横浜でもくらげ状の姿に見えます。

* 2007年11月8日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

17P/Holmes

2.5等   視直径24分   DC 5   (10x66 単眼鏡 10倍)

2.9等   視直径24分   DC 7   (肉眼)

雲が多いですが、うまいこと彗星の辺りは雲の合間にあって見えていたので、観測できました。

* 2007年11月7日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

17P/Holmes

2.4等   視直径22分   DC 6   (10x66 単眼鏡 10倍)

3.0等   視直径24分   DC 7〜8   (肉眼)

だいぶ大きくなりました。2週間経っても、まったく光度が落ちません!

肉眼では、直視するとかなり暗く感じますが、逸らし目だとペルセウス座δと同じ明るさに感じます。

* 2007年11月4日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

群馬県は昼間から雲が多かったのですが、横浜は良く晴れていました。しかし、観測中に北から大きな雲がやってきて、21時過ぎには雲に隠れてしまいました。

17P/Holmes

2.5等   視直径15分   DC 5   (10x66 単眼鏡 10倍)

3.0等   DC 8   (肉眼)

かなり大きく広がってきたため、都会では、肉眼でインフォーカスだと、かなり暗く感じるようになってきました。

* 2007年11月3日(観測した彗星:10個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

夜中までは快晴に恵まれ、暗い空と大口径で、ホームズ彗星を堪能しました!気温も程よく、ホームズ彗星の他に、秋の星雲星団も楽しみました。

40cmで見るホームズ彗星は、彗星にはまったく見えない、異様で不気味な姿でした。こんな光景は、もう一生、二度と見られないでしょうね。

夕方は快晴でしたが、地上はかなり霞がかって、透明度は悪いです。かすかに霧の中にいるような感じでした。20時すぎには北西と南東から雲が出てきて、低空は雲に覆われてしまいました。上空は夜中近くまで良く晴れていましたが、0時頃に急に全天が雲に覆われてしまいました。

この他に C/2007 T1 も狙いました。ちょうど木星のすぐ下だったのですが、18時前はちょうどその方向だけ雲があって、その後は浅間山の陰に隠れてしまい、観測できませんでした。

また、50P も狙いましたが、位置を間違えていました。

北軽井沢はほとんど木の葉が落ちてしまっていましたが、途中の烏川渓谷は紅葉の見頃を迎えて、たいへん見事な眺めでした。

C/2006 OF2 ( Broughton )

13.9等   視直径0.4分   DC 3   (40.0cm 反射 257倍)

透明度が悪い上に、すぐ隣に14等星があって、たいへん見づらいです。

C/2006 S5 ( Hill )

約13.1等より暗い   視直径0.5分   (40.0cm 反射 257倍)

薄雲がかかってしまい、見えませんでした。すぐ近くに14等星があって、それも邪魔になったかもしれません。

P/2007 H1 ( McNaught )

13.3等   視直径0.5分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

透明度が悪いため、かなり見づらいです。彗星も、少し暗くなったかもしれません。

8P/Tuttle

13.1等   視直径1.0分   DC 1   (40.0cm 反射 144倍)

噂どおり、かなり明るく大きく見えるようになっていました。拡散状です。

17P/Holmes

2.4等   視直径36分   DC D0   (10x70 単眼鏡)

2.1等   視直径20分   DC 8   (肉眼)

40cmで見るホームズ彗星は、巨大な丸い姿ですが、北側の半円は輪郭がはっきりしていて、一方、南側の半円はぼやけて背景に溶けこんでいます。そのため、円盤というより、くらげか、パックマンの敵キャラみたいに見えます。中心部の明るい塊は、円盤の直径の4分の1ほどです。その北の端に恒星状の核がありますが、かなり暗いです。円盤は平坦で、倍率を上げても何も構造は見えません。色は灰色で、透明感はまったく無く、煙みたいです。

10x70単眼鏡では、空が暗いため、コマがかなり明るく、中心部との輝度差をあまり感じないので、全体がベタっと平坦に感じます。ほぼ完全な円形で、円盤そのもののイメージです。これくらいの倍率だと、さらに外側に広がる淡いガスのコマも良く見えます。淡いガスのコマは満月よりも大きく、直径は36’もあります。明るいダストの円盤の直径も15’と、またさらに大きくなりました。

肉眼では、集光の強い彗星状です。空が暗いと、たいへん明るく感じられます。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

14.2等   視直径0.6分   DC 2   (40.0cm 反射 257倍)

最近はバーストしていないはずですが、意外にも明るく見えます。拡散状で大きく広がっているようです。

46P/Wirtanen

13.7等   視直径0.7分   DC 4   (40.0cm 反射 257倍)

意外にも、すでにかなり明るくなっていました。低空にもかかわらず、明るく大きく見えます。

93P/Lovas 1

13.6等   視直径0.8分   DC 5   (40.0cm 反射 144倍)

上空にあるためか、かなり明るく、楽勝で見えます。

110P/Hartley 3

約13.0等より暗い   視直径0.3分   (40.0cm 反射 257倍)

薄雲がかかってしまい、見えませんでした。

188P/LINEAR-Mueller

14.3等より暗い   視直径0.3分   (40.0cm 反射 257倍)

見えません。11等星に近すぎたためかもしれません。

* 2007年10月31日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

明日は雨なので、夕方から曇る予報でしたが、天気予報が好転して、快晴に恵まれました。

17P/Holmes

2.4等   視直径9分   DC 6   (10x66 単眼鏡 10倍)

2.7等   DC 8   (肉眼)

17P はかなり大きくなって、ひどい光害地でも、肉眼でも恒星とは違った感じに見えます。大きくなったためか、肉眼では暗く感じるようになってきたようです。

* 2007年10月29日〜30日(観測した彗星:1個)

茨城県取手市藤代の自宅前、及び、横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

10月29日は条件の良い快晴でした。さすがに茨城県だと、横浜よりもはるかに暗い星まで見えます。そんな中、肉眼では彗星はひときわ明るく、アルゴルに近いほどに感じました。肉眼ではまだ恒星状です。ただ、そらし目で見ると、淡いぼんやりした光がまわりを囲んでいるのが分かりました。しかし、中心核との輝度差は大きく、円盤のような姿には感じられません。

単眼鏡では、中心にひときわ明るい小さい塊があり、その回りにやや暗い丸いコマがあって、目玉のような印象を強く感じます。惑星状星雲らしい姿です。

10月30日は、昼間から曇で、夜には雨になる予報でした。ですが、19時40分に外を見ると星が見えるので、観測しました。ひどい霞で条件はたいへん悪いのですが、肉眼でもなんとか見えました。単眼鏡では、また一段と大きくなったようです。20時頃まで観測しましたが、その後、20時20分頃に再び外を見てみたら、もう全天が曇っていました。

バーストから1週間になりますが、意外にも、ホームズ彗星はずっと2.5等の明るさを保っていますね。しかし、単眼鏡で見る姿は、日に日に大きくなっています。

1週間も見ていると、ホームズ彗星はだいぶ移動してきたのが分かります。ペルセウス座α・δとの三角形も、だいぶ形が変わってきました。

17P/Holmes

10月29日   2.5等   視直径6.5分   DC d6   (10x66 単眼鏡 10倍)

10月29日   2.3等   DC 8〜9   (肉眼)

10月30日   2.5等   視直径8分   DC 6   (10x66 単眼鏡 10倍)

10月30日   2.6等   DC 9   (肉眼)

* 2007年10月28日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

日中は台風一過で、夕方まで清々しい快晴でした。予報では今夜は曇から雨になるそうです。薄明終了時にはいったん雲が出ましたが、今は雲もなくなり、快晴になっています。

17P/Holmes

2.4等   視直径5分   DC 6   (10x66 単眼鏡 10倍)

2.4等   DC 9   (肉眼)

ホームズ彗星は、昨晩は平坦な感じがしましたが、今晩はより彗星らしく見えます。中心に小さく、ひときわ濃い部分があって、そのまわりに丸いコマが広がっている感じです。大きくなってきたためか、だいぶ明るくなってきたように感じます。

肉眼では、まだ恒星状に見えます。

* 2007年10月27日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

唐突にやってきた台風20号が去って、予報どおり、台風一過の快晴となりました。満月ですが、星が良く見えています。あのバーストの夜以来、3日ぶりにホームズ彗星を見ることができました。

17P/Holmes

2.7等   視直径3.5分   DC D2   (10x66 単眼鏡 10倍)

2.5等   DC 9   (肉眼)

ホームズ彗星は、肉眼では、まだほとんど恒星状です。だいぶ褐色がかってきた感じがします。3日前より明るくなっており、ペルセウス座の星々よりも、先にホームズ彗星自身が目に止まります。

単眼鏡で覗くと、惑星状星雲のような、恒星をぼかしたような、あやしい丸い天体がそこにありました。3日前の鋭さは、まったくありません。木星や土星のような色をしていますが、それらの惑星ほど輪郭がはっきりしてはおらず、惑星という感じはしません。

* 2007年10月24日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

22時14分
17P/Holmes の信じがたい大バーストを確認しました! 横浜の光害の中でも、肉眼で見えています!

0時12分
この2時間のうちに更に増光しました。もうすぐ2等台に入りそうです!
ホームズ彗星は完全に恒星状です。明らかに黄色で、青白いペルセウス座δ星との対比が、はっきり感じられます。彗星の方が黄色、というのは、かなり違和感を感じます。この色のせいで、むしろ、新星を見ているような気になってきます。

2時8分
17P/Holmes はさらに増光しています! ペルセウス座の形が変わってしまいました。

4時13分
17P/Holmes は、2時間前と同じ明るさでした。急増光はそろそろ止まったような感じがします。だいぶ雲が出てきました。

17P/Holmes

22時14分   3.7等   DC 9   (10x66 単眼鏡 10倍)

22時17分   3.5等   DC 9   (肉眼)

0時12分   3.2等   DC 9   (10x66 単眼鏡 10倍)

0時14分   3.0等   DC 9   (肉眼)

2時8分   2.9等   DC 9   (10x66 単眼鏡 10倍)

2時10分   2.8等   DC 9   (肉眼)

4時13分   2.9等   DC 9   (10x66 単眼鏡 10倍)

4時15分   2.8等   DC 9   (肉眼)

* 2007年10月5日〜6日(観測した彗星:11個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

連休は絶好の天気に恵まれました。

金曜日は、日中は雲が多く、ほとんど晴れ間がない状態でしたが、予報通り、日没頃から急速に晴れ上がってきて、薄明終了時には快晴となりました。前夜の雨のためか、透明度もなかなか良い感じでした。一晩中快晴でしたが、明け方は月明の中での観測となりました。

土曜日は、日中は快晴で、遠くの山々まで良く見渡せていました。夕方はそのまま快晴でしたが、昨晩と比べると、低空の透明度はやや落ちる感じでした。夜中には薄雲が出てしまいましたが、幸いにも見たい彗星の位置はあまり雲の影響を受けずに済みました。

明け方の空では、三日月・金星・土星・レグルスのランデブーが、たいへん美しい眺めでした。火星と散開星団M35のランデブーも良い眺めでした。あと、2夜とも、やけに流星が数多く流れていました。

出発した時の東京の気温は27度もあり、暑いほどでしたが、北軽井沢の明け方の気温は3〜4度まで下がり、かなり寒かったです。

この他に、C/2006 S5 ( Hill ) も狙いましたが、月に近いのと、2夜ともちょうど薄雲がかかってしまい、あまり意味のある観測になりませんでした。

C/2005 L3 ( McNaught )

10月5日   14.1等   視直径0.3分   DC 6   (40.0cm 反射 257倍)

10月6日   13.9等より暗い   視直径0.3分   (40.0cm 反射 257倍)

かなり西に傾いてしまったので、もう見えないかと思っていたのですが、意外にもまだ見えました。かなり小さいですが、集光は強く、存在ははっきり感じられます。6日は前日より透明度が悪くなり、見えませんでした。

C/2006 OF2 ( Broughton )

10月5日   13.5等   視直径0.6分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 257倍)

10月6日   13.5等   視直径0.5分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 257倍)

すでに結構明るく見えるようになっていました。やや拡散状で広がっており、淡くぼんやりした姿ですが、はっきり見えます。6日は、ちょうど19時に、この視野を11.0等の静止衛星が通過していきました。

C/2007 F1 ( LONEOS )

10月5日   7.5等   視直径3分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 36倍)

10月6日   7.4等   視直径4分   DC 5   (40.0cm 反射 36倍)

たいへん明るいです。

かなりの超低空のため、高くなるのを待っていると、すっかり空が白んで夜が明けてからの観測となってしまいました。そのためか、かなり小さく見えます。

5日には、集光が極めて強く、非常に見やすかったです。ところが、6日は前日に比べて格段に淡く見づらくなりました。急激に拡散・減光したかとも思いましたが、空の条件の違いだったようです。

P/2007 H1 ( McNaught )

10月5日   12.6等   視直径0.9分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 144倍)

10月6日   13.0等   視直径0.8分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 144倍)

かなり明るく、はっきり見えます。他の13〜14等星の彗星たちと比べて、明らかに一段上の見え味です。昨年の C/2003 WT42 に良く似た印象です〔CCD画像の姿も似ていますね)。

8P/Tuttle

10月5日   14.6等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 257倍)

10月6日   14.5等より暗い   視直径0.3分   (40.0cm 反射 257倍)

見えません。まだかなり暗いようです。5日は、ちょうど2つの15等星の間に挟まれて、位置を精度良く特定できる観測チャンスだったのですが。6日も、隣の15等星ははっきり見えているのに、彗星は見えません。予報では、もう14等くらいになってくるはずなのですが、いつ増光するのでしょうか。

17P/Holmes

10月5日   14.1等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 257倍)

10月6日   14.1等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 257倍)

時期的にもう遅いと思いましたが、やはり見えませんでした。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

10月5日   14.1等   視直径0.4分   DC 4   (40.0cm 反射 257倍)

バーストしていませんでした。しかし、暗く小さな姿が見えます。バースト後の淡く大きく拡散した姿とは違った、これが静穏時の姿でしょうか。

50P/Arend

10月5日   14.2等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 257倍)

10月6日   14.3等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 257倍)

恒星は15等星まで見えていましたが、彗星は見えませんでした。

93P/Lovas 1

10月5日   13.4等   視直径0.4分   DC 5   (40.0cm 反射 257倍)

10月6日   13.4等   視直径0.5分   DC 5   (40.0cm 反射 257倍)

すでにかなり明るくなっていました。やや集光した、小さな姿ですが、はっきり見えます。

110P/Hartley 3

10月5日   14.4等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 257倍)

そろそろ急増光してくるはずなので、これは見えるかもしれない、と思っていましたが、見えませんでした。まだ暗いようです。

188P/LINEAR-Mueller

10月5日   14.1等より暗い   視直径0.3分   (40.0cm 反射 257倍)

10月6日   14.4等   視直径0.3分   DC 4   (40.0cm 反射 257倍)

念のため狙ってみたところ、極めて暗く小さい姿が、かろうじて見えました。限界に近く、時間をかけて確認したのですが、本当に彗星が見えたものと思います。ただ、前日の5日には見えませんでした。

* 2007年8月2日(観測した彗星:1個)

ハワイ・オアフ島、ココ・ヘッドの麓での彗星観測です。

ハワイ島コナは、朝は快晴なのですが、高い山があるため、日中には雲が出てしまいます。コナは、ヒロのように雨ばかりではないのですが、それでも夕方は雲に覆われてしまいます。初日のみ晴れましたが、コナの街はかなり明るく、街中では彗星は見えませんでした。

オアフ島ホノルルは、ビーチは晴れていますが、すぐ側まで山が迫っていて、山はいつも雲に覆われて雨が降っていました。山から雲が流れて来て、時々ホノルル周辺にシャワーを降らせますが、局地的で、少し移動すると晴れています。ホノルル市街は大都会ですが、レンタカーで30分くらい移動すると暗いところに行けます。

今回の旅では、マウナ・ケア山頂に登って、すばる望遠鏡も見学しました。昼間のツアーだったので、マウナ・ケアで彗星観測とはいきませんでした。オニヅカ・ビジター・センターには、大きなセレストロンやドブソニアンがいくつも置いてあったので、夜のツアーに参加すれば、機材を持ち込まなくても自由に星が見られそうです。

C/2006 VZ13 ( LINEAR )

8.2等   視直径10分   DC 4   (10x66 単眼鏡 10倍)

* 2007年6月23日(観測した彗星:1個)

沖縄県・石垣島での彗星観測です。

社員旅行に単眼鏡を持参して、彗星を観測しました。C/2006 VZ13 は意外と明るくなっており、小型の単眼鏡でも簡単に見えました。

梅雨明けしたばかりの沖縄は、まさに南国の夏まっ盛りでした。空は青く澄んで、太陽の光が強烈でした。しかし、海に囲まれているためか、白い雲もたいへん多く、快晴とはいかないようです。時にはにわか雨も降ったりして、天気は安定しませんでした。空気はきれいなのですが、湿気が多くて、中空〜低空は結構もやっていました。

夕方は、石垣島天文台の観望会に参加して、105cm望遠鏡で金星・土星・木星を見せてもらいました。特に木星の眺めはたいへん素晴らしいもので、大赤斑はもちろん、縞が渦を巻いている様子まではっきり見えて、感動しました。人生で最高の木星でした。

残念ながら、南十字星は見えなかったのですが、α・βケンタウリは、水平線上に並んで輝いている姿を見られました。

旅行中、沖縄本島ではTony Farkas氏とお会いして、ランチを一緒にしました。彗星の撮影、遠隔望遠鏡、彗星サーベイなど、いろいろなお話をできて有意義でした。

C/2006 VZ13 ( LINEAR )

9.4等   視直径7.5分   DC 5   (10x66 単眼鏡)

社員旅行に単眼鏡を持参して、彗星を観測しました。C/2006 VZ13 は意外と明るくなっており、小型の単眼鏡でも簡単に見えました。

* 2007年5月26日(観測した彗星:5個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

土日とも五月晴れで、北軽井沢の新緑が青空に良く映え、すがすがしい行楽日和でした。夜もずっと雲1つない快晴でした。

ただ、中国からやってきた黄砂がひどく、透明度は良くありませんでした。日没前、二度上峠から見渡すと、浅間山麓はすっかりもやに覆われて、そこに山々が浮かんでいるように見えました。それはそれで、幻想的な眺めでしたが。

また、夕空には半月がありました。

なお、C/2006 VZ13 は、14等星と重なっており、観測できませんでした。

C/2005 L3 ( McNaught )

14.1等   視直径0.3分   DC 6   (40.0cm 反射 257倍)

14.6等星に隣接して、それより少し暗い、微光星のようなものが、かろうじて見えます。かなり小さいです。

C/2006 WD4 ( Lemmon )

12.2等より暗い   視直径0.6分   (40.0cm 反射 257倍)

25分間に渡って探しましたが、遂に見えませんでした。

夕空に現れた後は急激に減光し、あっという間に見えなくなってしまうはずなので、今週末が最初で最後のチャンスでした。幸いにも低空まで快晴でしたが、黄砂のため、彗星は見えませんでした。移動が速いので、詳細な星図も用意していたのですが。。。

C/2007 E1 ( Garradd )

11.8等   視直径1.5分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

だいぶ西に低くなっていましたが、まだ明るく見えていました。

金星のすぐ近くでした。次に C/2006 WD4 が控えていたので、ちょっと慌ただしい観測になりました。

C/2007 E2 ( Lovejoy )

11.3等   視直径2.7分   DC 3   (40.0cm 反射 75倍)

かなり淡くなりましたが、さすがに40cmだと、まだ楽しめます。

96P/Machholz 1

12.8等   視直径0.8分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

微光星が密集した所にいますが、星の海に淡い光芒が浮かんでいるように見えました。意外にも、まだ明るいようです。

* 2007年4月28日〜29日(観測した彗星:5個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

今年のゴールデンウィークも、絶好の行楽日和に恵まれました。この時期は毎年、晴天に恵まれて存分に彗星観測ができているような気がします。尤も、今年はあいにくと満月でしたが。

4月28日は寒気が入り込んで、日中は激しい雷雨になりました。しかし、夕方、西に向かうにつれて、急激に天気が回復してきました。それでも、薄明終了時はまだ雲の方が多く、大きな雲が西から東へと通過していきました。しかし、20時半頃には雲が無くなり、快晴となって、天気が安定しました。雨上がりで透明度も良いようです。ただ、湿気が多く、21時頃には少しもやってきた感じで、透明度が落ちたようでした。南の空高く、大きな月があり、空はたいへん明るかったです。

明け方も快晴でした。夕方とは違って非常に乾燥しており、望遠鏡にはまったく露が付きません。月は西に低く、空はやや明るいとはいえ、透明度は良く、天の川も見えていました。3時頃には月が沈み、完全な暗夜となって、なかなか条件の良い空になりました。

4月29日は、日中は昼頃から雲が出て来て、一時はほぼ曇になってしまいましたが、夕方には再び雲一つ無い快晴となりました。ただ、透明度は前日よりもかなり劣っており、前日に見えた星も見えなくなっていました。気温も、夕方から氷点下となった前日とは違って、8°Cと、かなり暖かくなっていました。

この日も明け方まで快晴でした。ただ、前日よりも月の影響が出て、透明度も悪く、明るい彗星しか見られませんでした。薄明が始まるまで、天の川すら良く見えませんでした。明け方の気温は、前日と同じで、0°Cまで下がりました。

浅間山は3合目くらいまでまだ雪が残っていました。28日の夕方は、そこに大きな雨雲の名残りが漂っていて、二度上峠からの眺めは、なかなか荘厳なものでした。

彗星の観測結果は下記の通りです。この他に、29P と C/2005 L3 を狙いました。しかし、29P は低すぎてあまり意味のある観測になりませんでした。また、C/2005 L3 は天の川の中で、GSCの星図では12等星までしか載っておらず、微光星がまったく同定できず、どれが彗星だか分からない状況でした。

C/2006 VZ13 ( LINEAR )

4月28日   13.3等   視直径0.6分   DC 3   (40.0cm 反射 257倍)

限界に近いのですが、小さい姿が見えました。すぐ隣に13.8等星があったので、拡大して観測しました。

フォーカスを合わせた状態で見た印象は、隣の13.8等星よりも明らかに暗いです。S法で目測しましたが、測定値は明るすぎる気もします。

C/2006 XA1 ( LINEAR )

4月28日   13.5等   視直径0.4分   DC 3   (40.0cm 反射 257倍)

非常に小さくまとまった姿が見えました。

29P と同じ西空で、29P は低すぎて観測できませんでしたが、こちらは高度が高いために、格段に暗い星まで見えます。とはいえ、月明のために空が明るいので、拡大してコントラストを上げないと観測になりません。

C/2007 E1 ( Garradd )

4月28日   10.9等   視直径1.0分   DC 1〜2   (40.0cm 反射 144倍)

4月29日   10.9等   視直径2.0分   DC 0〜1   (40.0cm 反射 144倍)

ほとんど集光しておらず、かなり淡く拡散しています。大きな月がすぐ近くにあって、たいへん見づらいです。しかし、この悪条件でも見えるほど、彗星は明るいようです。

特に28日は月が近く、視直径の目測はかなり小さくなりました。拡大しないと捉えられなかったため、中心しか見えていないかもしれません。月が少し離れた翌日は、格段に見やすくなった感じがしました。

C/2007 E2 ( Lovejoy )

4月28日   8.6等   視直径6分   DC 4   (40.0cm 反射 36倍)

4月29日   8.9等   視直径3.9分   DC 5   (40.0cm 反射 36倍)

たいへん明るく大きいです。集光もほどよく、典型的な8等級の彗星という感じです。これだけ明るければ見ても楽しめますね。

29日は9.6等星と重なっていたので、離れるまでしばらく待ってから観測しました。しかし、2つの星に挟まれた状態だったので、その影響で、少し小さく見積もったかもしれません。

96P/Machholz 1

4月28日   10.7等   視直径2.2分   DC 5〜6   (40.0cm 反射 75倍)

4月29日   10.9等   視直径1.6分   DC 5   (40.0cm 反射 144倍)

予想外に明るく、集光も強く、はっきり見えたので驚きました。Lovejoyよりも集光が強いくらいで、楽に見えます。

太陽の近くでしか明るくならず、離れると急激に暗くなってしまう彗星だと思っていましたが、高度も充分に高く、まったく楽勝でした。

* 2007年1月14日(観測した彗星:1個)

茨城県取手市での彗星観測です。

今日も、ほぼ雲のない快晴でした。空は白っぽく霞んでおり、それほど透明度が良くない感じでしたが、太陽が西に沈む頃、黄金色に輝くマクノート彗星を見ることができました。

前回1月10日と同じく、ちょうど太陽が沈む方向だけ、超低空に雲が出ていました。16:30には、太陽は雲の隙間から見えている状態でした。日没は16:48でしたが、16:35には、太陽は雲の陰に隠れてしまいました。

10x70単眼鏡で探していると、ふいに、太陽光を反射して黄金色に輝く雲のすぐ上に、尾を伸ばした明るい彗星の姿を捉えました。この時、時刻はまだ16:37。信じられないことに、太陽はまだ沈んでいないのです。辺りはほとんど昼間と変わらない明るさで、車がライトを点けずに走っているというのに、マクノート彗星はたいへん明るく、きらきらと惑星のように輝いていて、楽に見えました。

さて、マクノート彗星が見えたので、光度目測のために、今度は急いで金星を探します。ところが、肝心の金星がなかなか見つかりません。おそらく、まだ日没前で、金星は見えていなかったのでしょう。マクノート彗星は、名実ともに、金星よりも明るくなった訳です。

16:42になって、ようやく10x70単眼鏡で金星を捉えられました。金星は、さきほど捉えた彗星と、ほぼ同じ明るさに見えます。しかし、今度は彗星が雲に隠れてしまい、同時刻で明るさを比べることができません。

この頃から、急速に夕闇が迫ってきて、空がどんどん暗くなっていきました。金星は、16:43には肉眼でも見え始め、その後も急激に明るく見えるようになっていきました。

16:44、ふと気がつくと、マクノート彗星が、低空にたなびく2つの雲の間に見えていました。マクノート彗星の明るさは、さきほどから変わっていない印象でしたが、上空の金星は、すでにマクノート彗星より1等ほど明るく感じられるようになっていました。

マクノート彗星は、前回1月10日と同じく、非常に鋭く輝く恒星状の姿でした。しかし、尾は4日前とはだいぶ方向が変わり、また、幅広く、カーブして広がっているように見えます。

16:47には、肉眼でも光の点として、マクノート彗星が見えるようになりました。しかし、その直後、マクノート彗星は低空の雲に隠れ、視界から去っていきました。

マクノート彗星が見えていたのは、16:37〜16:47の10分間でした。沈みゆく太陽の光で、黄金色から茜色へと変わってゆく雲の狭間で輝くマクノート彗星の姿は、とても神秘的なものでした。

マクノート彗星の明るさは、冬の条件で大気補正をすると、16:37にはマイナス5.4等以上、16:44にはマイナス4.9等となります。あいだを採ると、約マイナス5.2等となりました。俄かには信じ難い数値です。

ところで、白昼でも楽に見えている、という話を聞きましたので、お昼頃、横浜市内から肉眼で太陽の東側を探してみましたが、彗星も金星も、見つけることはできませんでした。

茨城県取手市まで出かけた後、10x70単眼鏡を持ち出して、再び白昼に太陽の東側を探しましたが、やはり、彗星も金星も見つけられません。15:30を過ぎて、太陽がかなり西に傾いていたためかもしれません。

私自身、過去には白昼に肉眼で金星を見たことがあります。しかし、それは極めて透明度の良い日で、しかも、金星は太陽から結構離れていました。今日は冬型もそれほど強くなく、白っぽく霞んだ空でしたので、太陽に近い彗星を見るのは、難しい条件だったと思います。

とはいえ、関東近辺でも結構たくさんの人が、白昼に双眼鏡で楽に彗星が見えたと報告しているのですが。。。

C/2006 P1 ( McNaught )

約-5.2等   DC 8〜9   約0.2度(位置角65度)   (10x70 単眼鏡)

* 2007年1月10日(観測した彗星:1個)

茨城県取手市での彗星観測です。

噂の大彗星・マクノート彗星を見るために、勤務中に5時間ほど外出させてもらいました。渋谷から茨城県まで帰り、彗星を観測して、また渋谷にとんぼ返りでした。

昼からずっと、雲1つない快晴でした。ただ、冬型はそれほど強くなく、筑波山もかすんでおり、低空の条件はそんなに良くないように思います。しかし、天気なども考えると、今日が最初で最後のチャンスなので、出かけることにしました。

日没は16時44分でした。ちょうど、太陽が沈むあたりだけ、超低空に雲があり、日没前に太陽は雲に隠れました。

16時38分に現場に到着しました。その時点で金星は肉眼で見えていましたが、10x70単眼鏡で探しても、彗星は見つかりません。その代わり、飛行機雲がやたら見えていました。

17時の時報が鳴っても、まだ金星しか見えません。しかし、17時02分、単眼鏡を振っていると、飛行機雲のすぐ上に、ついにマクノート彗星の姿を捉えました! 太陽高度はわずかに地平線下4度。辺りはだいぶ夕闇が迫っていましたが、西空はまだまだ夕焼けで、ものすごい明るさでした。しかし、非常に鋭く輝く恒星状の頭部と、右上にすらっと尾を伸ばしたマクノート彗星は、はっきりと見ることができました。

17時07分、彗星がもっとも明るく見えた頃に、目測をしました。この時点で、ようやく10x70双眼鏡では、アルタイルも見え始めました。なんと、マクノート彗星は、上空の1等星・アルタイルよりも明るいです。

やがて、肉眼でもべガやアルタイルが、10x70単眼鏡では、わし座のγ星とβ星が見えてきました。空が暗くなり、アルタイルはどんどん明るくなっていきます。一方、マクノート彗星は、空が暗くなるのと、高度が下がっての大気吸収とが、ちょうど釣り合って、ずっと同じ明るさで見えていたように思います。

低空にはかすかな雲がたなびいているようで、夕焼け空には筋状の濃淡が見られました。マクノート彗星は、残念ながら、肉眼ではついに見えませんでした。しかし、10x70単眼鏡では、17時20分に遠くの家の屋根に沈むまで、20分間、ずっと見え続けており、黄昏の空に輝くほうき星の姿を、存分に堪能することができました。

この日の薄明終了は18時15分。まだ夜が始まらないうちに、マクノート彗星は沈んでしまい、私も帰路につきました。

茨城県取手市は、夕方の南西の方向は、東京都心の上空を通して見ることになり、星を見るには適していません。残念ながら、マクノート彗星は、金色に輝く雄大な姿、という感じではありませんでした。尾も短く、はるか彼方に離れたものを見ているような印象でした。

それでも、茜色の夕焼け空に浮かぶほうき星の姿は、いつも見ている彗星とはまったく違った、幻想的な眺めでした。

マクノート彗星が見え始めた時の高度は4.7度、見終わった時の高度はわずかに1.4度でした。冬の条件で大気補正をすると、マクノート彗星の明るさは、マイナス2.2等となりました。これは、百武彗星やヘール・ボップ彗星を超えて、私の見た中でもっとも明るい彗星となりました。

C/2006 P1 ( McNaught )

約-2.2等   DC 8〜9   0.3度(位置角15度)   (10x70 単眼鏡)

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