吉田誠一の彗星観測日記(2008年)

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Updated on May 4, 2013

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* 2008年11月22日〜23日(観測した彗星:14個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

厚い雲が往来したり、薄雲に覆われたりしたこともありましたが、連休は2晩とも、ほぼ一晩中晴天に恵まれました。時間帯によっては、上空はかなり透明度の良い好条件の空でした。

明け方には、ちょうど真横を向いた土星が見えています。いつものリングが無く、土星本体にただ直線が突き刺さっていて、まるで人工的に描いた土星の記号のような、不思議で不自然な姿でした。

C/2006 OF2 ( Broughton )

11月22日   10.8等   視直径1.9分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

11月23日   10.8等   視直径2.1分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

とても明るく、集光が強くて見やすいです。

C/2006 W3 ( Christensen )

11月22日   10.3等   視直径3.3分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

11月23日   10.6等   視直径4.9分   DC 7   (40.0cm 反射 36倍)

とても明るくて見やすいです。中心の集光はとても鋭いです。北に向かって、淡いコマが大きく広がっています。

C/2007 U1 ( LINEAR )

11月22日   14.2等   視直径0.4分   DC 5   (40.0cm 反射 257倍)

小さい姿ですが、まだ見えています。

C/2007 W1 ( Boattini )

11月22日   14.6等より暗い   視直径0.7分   (40.0cm 反射 257倍)

遂に見えなくなりました。

C/2008 A1 ( McNaught )

11月22日   8.7等   視直径7.5分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 36倍)

まだまだ明るく大きく、良く見えます。ただ、11月初めよりは暗くなってきました。

C/2008 J1 ( Boattini )

11月22日   14.1等   視直径0.9分   DC 1   (40.0cm 反射 257倍)

だいぶ暗くなりましたが、意外にもまだ見えています。

C/2008 T2 ( Cardinal )

11月23日   14.9等より暗い   視直径0.3分   (40.0cm 反射 257倍)

今回は見えませんでした。

22日の夕方は、予報位置の近くにほぼ恒星状の姿を捉えたのですが、帰宅して調べてみると、USNO-A2.0に載っている15.5等星でした。

23日の夕方は、薄雲のために見えませんでした。

24日の明け方は、予報位置の近くに恒星状の天体を捉えたのですが、あまりにも恒星状なので、一応、近くに彗星状天体が無いことを確認しておきました。帰宅して調べてみると、恒星状の天体は、USNO-A2.0に載っている14.9等星でした。

6P/d'Arrest

11月22日   10.3等   視直径3.2分   DC 2   (40.0cm 反射 75倍)

11月23日   10.6等   視直径2.9分   DC 0〜1   (40.0cm 反射 75倍)

まだまだ明るく、大きな姿で見えています。高度が上がってきて、淡いコマが以前より大きく広がって見えるようになってきました。

19P/Borrelly

11月22日   12.5等   視直径1.6分   DC 4〜5   (40.0cm 反射 144倍)

11月23日   12.9等   視直径1.1分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

まだ結構明るく見えています。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

11月22日   11.5等   視直径3.4分   DC 0   (40.0cm 反射 75倍)

11月23日   11.0等   視直径4.0分   DC 1   (40.0cm 反射 75倍)

驚くべきことに、9月の大バーストの残光がまだ見えています。拡散しきった淡い、つかみ所のない姿です。

月が昇った後の観測ですが、高度が高くなり、透明度も良くなったので、月が昇る前よりも、もっと大きく広がって見えました。拡散しているので、空の条件の影響がシビアに効くようです。

拡大すると、中心部の存在がよりはっきりしますが、淡いコマの広がりが見えなくなり、全光度の目測は12.5等くらいになってしまいます。

なお、拡大しても、新たなバーストは起きていないようでした。

23日は、透明度が良いためか、前日よりもはっきりと、より大きく見えました。

74P/Smirnova-Chernykh

11月22日   14.4等より暗い   視直径0.3分   (40.0cm 反射 257倍)

今年の冬には眼視でも見えるようになるのでは、と期待している彗星ですが、まだ見えませんでした。

116P/Wild 4

11月22日   14.3等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 257倍)

11月1日には見えたように思ったのですが、透明度の良い空で確認したところ、彗星は見えませんでした。11月1日の目測は、何かの誤りだったようです。

144P/Kushida

11月22日   12.2等   視直径1.5分   DC 5   (40.0cm 反射 144倍)

11月23日   12.6等   視直径1.3分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

Juan Jose Gonzalez氏から増光が報告されているので、観測してみました。たいへん明るいので驚きました。ごくふつうの彗星状で、結構大きく広がっています。

205P/Giacobini

11月22日   12.6等   視直径1.0分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

11月23日   13.5等   視直径0.5分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 257倍)

バースト後はあっという間に暗くなるかと思っていましたが、意外にもまだ明るく見えています。

23日は拡大して観測したので、中心部だけ目測してしまったようです。

* 2008年11月1日(観測した彗星:16個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

♯彗星が多すぎて死にそうです。

昼間から雲1つ無い快晴でした。たいへん透明度が良く、遠くの山々まではっきり見えていました。日没の頃、二度上峠から見た、夕焼けを背景に噴煙をたなびかせる浅間山の姿は、とても幻想的でした。

夕方から夜半までは、ほぼ快晴が続きました。明け方は薄雲が往来してしまいましたが、晴れ間の透明度は良かったです。

おうし群の、ゆっくりとした特徴的な流星が、いくつも流れていました。

この他に、7P/Pons-Winnecke も狙いましたが、意味のある観測になりませんでした。低空は大気の揺らぎがひどく、高倍率では星が点像になりませんでした。

翌2日は、一晩中曇ってしまいました。

C/2006 OF2 ( Broughton )

11.0等   視直径2.4分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

明るくて、とても見やすいです。以前より集光が強くなったようです。中心が鋭くなった印象です。

C/2006 W3 ( Christensen )

10.4等   視直径3.4分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

たいへん明るく、立派な姿です。相変わらず集光が強くて、とても見やすいです。

まわりに広がる淡いコマが、だんだん大きく、はっきり見えるようになってきました。コマは北側に偏って広がっています。

C/2007 W1 ( Boattini )

13.8等   視直径1.0分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

もう見えなくなったと思っていましたが、意外にもまだ見えています。

C/2008 A1 ( McNaught )

7.9等   視直径7分   DC 7   (40.0cm 反射 36倍)

とても明るいですね。集光も強いので見やすいです。

C/2008 J1 ( Boattini )

13.8等   視直径1.0分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

淡いですが、彗星の存在はわりとはっきり見えます。

北極星があまりにも近すぎて、眩しくて観測が困難でした。何とか北極星を視野の外に出して観測しました。

465P/Hill

約14.5等   視直径0.2分より小さい   DC 7〜8   (40.0cm 反射 144倍)

14等星のすぐ隣に、小さく暗い微光星のようなものが並んでいるのが、かろうじて分かりました。限界に近く、見積りは困難でした。

P/2008 Q2 ( Ory )

14.2等   視直径0.7分   DC 4〜5   (40.0cm 反射 144倍)

意外に明るいようです。想像していたのと違って、意外に集光が弱く広がった、彗星らしい姿をしていました。ただ、拡散状である分、見づらく感じました。

C/2008 T2 ( Cardinal )

約14.0等   視直径0.3分   DC 5〜6   (40.0cm 反射 144倍)

とても小さな彗星状の姿が、かろうじて見えました。

6P/d'Arrest

9.9等   視直径1.8分   DC 3   (40.0cm 反射 75倍)

まだ明るく大きな姿で見えています。ただ、集光は弱いので、低空だと見づらいです。

17P/Holmes

13.6等より暗い   視直径0.9分   (40.0cm 反射 144倍)

Francois Kugel の画像で意外に明るいように見えたので、狙ってみましたが、見えませんでした。

薄雲が往来していたので、昨年の巨大なコマの残光がまだ見えているかどうかの確認は、できませんでした。

19P/Borrelly

12.0等   視直径2.1分   DC 4〜5   (40.0cm 反射 75倍)

まだ明るく、はっきり見えます。CCD画像の通り、横長に伸びた印象です。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

10.7等   視直径4.2分   DC 1〜2   (40.0cm 反射 75倍)

ばかでかい! まん丸い惑星状星雲のような姿が、夜空にぽっかりと浮かんでいます。まるで、昨年のホームズ彗星そっくりです。集光は弱いですが、とても明るくて、はっきりと見えています。

視直径は4分角を超えました。私の人生で、最も大きな29Pの姿です。

61P/Shajn-Schaldach

13.9等   視直径0.4分   DC 6   (40.0cm 反射 257倍)

小さいですが、集光はやや強い感じです。

67P/Churyumov-Gerasimenko

13.9等   視直径0.3分   DC 7   (40.0cm 反射 257倍)

とても小さくて暗い、微光星がややぼやけたような姿が見えました。

116P/Wild 4

約14.5等   視直径0.4分   DC 4〜5   (40.0cm 反射 144倍)

門田さんのCCD観測では10月中旬に17等と暗く、10月下旬にはLINEARが19等前後で観測していますが、予報ではそろそろ明るくなってくるはずなので、狙ってみました。

意外にも、かすかな彗星が見えたように思います。最近の観測がほとんど無いのですが、もう明るくなってきているのでしょうか。

205P/Giacobini

13.2等   視直径1.1分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

意外にもまだ明るいようです。ただ、だいぶ淡く見づらくなりました。

* 2008年10月4日(観測した彗星:6個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

金曜日は一晩中曇ってしまいましたが、土曜日は一晩中、ほぼ晴れました。ただ、雲が多くて、晴れ間でも薄雲のために透明度が良くありませんでした。

C/2006 OF2 ( Broughton )

11.3等   視直径1.5分   DC 5〜6   (40.0cm 反射 144倍)

程良く集光しています。明るくて見やすいです。

C/2006 W3 ( Christensen )

10.8等   視直径1.6分   DC 6   (40.0cm 反射 144倍)

かなり集光が強いです。明るくて見やすいです。

C/2007 W1 ( Boattini )

12.4等   視直径1.5分   DC 2〜3   (40.0cm 反射 144倍)

かなり淡いため、直視だと良く分かりませんが、逸らし目だと、意外と存在がはっきりと分かります。

C/2008 J1 ( Boattini )

12.1等   視直径1.5分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

小さくなりましたが、意外にもまだ明るいです。以前と変わらない、拡散した姿で見えています。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

10.4等   視直径2.2分   DC 2   (40.0cm 反射 75倍)

9月21日の大バースト以来、初の観測ですが、あまりの明るさに驚きました! これほど明るく巨大な29Pを見るのは、初めてです。まん丸で、惑星状星雲のような姿です。

205P/Giacobini

12.6等   視直径1.2分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 144倍)

板垣さんと金田さんが112年ぶりに再発見したジャコビニ彗星を、ようやく観測できました。空の条件が悪いためか、思ったよりも見づらいです。中心はやや集光しているものの、淡く広がっている感じもして、DCが決めづらいです。

* 2008年9月9日(観測した彗星:10個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

大陸からの高気圧に覆われ、久しぶりに雲1つない秋晴れとなりました。空気が澄んでいて、高崎市内からも浅間山が良く見えました。北軽井沢は、夜の気温は10度近くまで下がり、草も枯れ始めて、秋の訪れが感じられ始めました。

夕方は大きな月の影響を受けてしまいました。しかし、月が沈んだ真夜中すぎは、非常に透明度が良くなりました。真夜中に明るい彗星がたくさんあって楽しいですね。ただ、明け方の東の空は少しもやがかかっていたようです。

今回は木星の眺めが素晴らしく、感動しました。縞模様が複雑に入り組んでいる様子が分かり、さらに、2本の太い縞に加えて、もう2本、縞が見えていました。

この他に、C/2005 L3, C/2007 N3, 7P, 199P を狙いましたが、見えませんでした。

C/2006 OF2 ( Broughton )

11.4等   視直径1.6分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 75倍)

これもすでに、かなり明るく、楽に見えます。C/2006 W3 と比べると、ぼんやりとした彗星状です。

C/2006 W3 ( Christensen )

11.8等   視直径1.8分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

すでに報告されている通り、驚くほど明るいです! 小さいですが、極めて集光が強く、見やすいです。

C/2007 U1 ( LINEAR )

14.5等   視直径0.4分   DC 5   (40.0cm 反射 257倍)

透明度が良いおかげで見えました。小さい姿です。

C/2007 W1 ( Boattini )

10.6等   視直径4.4分   DC 2   (40.0cm 反射 75倍)

まだまだ明るいですが、すっかり拡散してしまいました。中心にわずかに集光部がありますが、淡いコマがかなり大きく広がっています。

C/2008 J1 ( Boattini )

11.4等   視直径2.0分   DC 2〜3   (40.0cm 反射 75倍)

まだまだ明るく、良く見えます。透明度が良いせいか、8月とあまり変わっていない印象です。

6P/d'Arrest

約9.0等   視直径2.6分   DC 2〜3   (40.0cm 反射 75倍)

1ヶ月のうちにすっかり明るく大きな姿になっていました。しかし、大きな月に近く、たいへん見づらいです。

15P/Finlay

13.1等より暗い   視直径0.6分   (40.0cm 反射 257倍)

8月には10等台だったのに、わずか1ヶ月ですっかり暗くなってしまいました。

19P/Borrelly

11.3等   視直径1.1分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 144倍)

低空のもやで、明るさの割にたいへん見づらいです。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

12.8等より暗い   視直径0.6分   (40.0cm 反射 144倍)

見えません。バーストはしていないようです。

51P/Harrington

13.9等より暗い   視直径0.5分   (40.0cm 反射 257倍)

それなりに透明度は良かったのですが、彗星は見えませんでした。

* 2008年8月2日〜3日(観測した彗星:8個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

今年は春から天気が悪く、せっかく明るい彗星が多いのに、なかなか観測できません。GW以来3ヶ月ぶり、好条件での観測は3月以来約半年ぶりとなってしまいました。

両日ともに夕立はありませんでしたが、とても湿気が多く、霧の中にいる感じです。時々、わずかな晴れ間が生じて、星を見られましたが、またすぐに隠れてしまう、の繰り返しでした。ただ、3日の夕方から夜半までは結構長く晴れていました。

この他に C/2007 G1 も狙いましたが、低空のもやのため、見えませんでした。彗星は10.5等以下のようです。

ペルセウス座流星群と思われる明るい流星が2個、尾を引いて北の空に流れました。

C/2005 L3 ( McNaught )

8月3日   13.3等   視直径0.5分   DC 4〜5   (40.0cm 反射 144倍)

半年前までの鋭く集光した姿から、ふつうの彗星状に変わっていました。昨年より明るいです。

C/2006 OF2 ( Broughton )

8月2日   12.6等   視直径0.7分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 144倍)

8月3日   11.7等   視直径0.9分   DC 5〜6   (40.0cm 反射 144倍)

ペルセウス座α星の近くで導入しやすいです。意外と集光していて、良く見えますが、予報ほどは明るくないようです。

C/2006 W3 ( Christensen )

8月3日   12.7等   視直径1.1分   DC 6   (40.0cm 反射 144倍)

半年前は14等半ばだったのに、とても明るく大きくなっていて驚きました。楽に見えます。

C/2007 N3 ( Lulin )

8月2日   約12.2等   視直径1.0分   DC 6   (40.0cm 反射 144倍)

8月3日   12.4等   視直径0.9分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 144倍)

木星のすぐ近くで導入しやすいです。こじんまりとしていて、思ったほど明るくありません。2日は、低空のもやの影響を受けました。

C/2007 W1 ( Boattini )

8月3日   7.9等   視直径7.5分   DC 3   (40.0cm 反射 36倍)

拡散状ですが、明るく見やすいです。

C/2008 J1 ( Boattini )

8月2日   10.7等   視直径3.0分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 75倍)

8月3日   10.2等   視直径3.1分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 75倍)

集光は弱いのですが、とても明るく大きいので、見やすいです。

6P/d'Arrest

8月2日   12.1等   視直径1.1分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

8月3日   11.7等   視直径1.6分   DC 2〜3   (40.0cm 反射 144倍)

意外と大きく、明るいので驚きました。集光は弱く、拡散状ですが、楽に見えます。透明度が良いと、かなり大きく広がって見えます。

15P/Finlay

8月3日   約10.8等   視直径1.5分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

低空のもやでたいへん見づらいのですが、意外と明るいようです。

* 2008年5月3日(観測した彗星:2個)

群馬県・北軽井沢での彗星観測です。

今年のGWは天候に恵まれませんでした。かろうじて、5月3日の夕方に30分ほど、雲の合間から観測できましたが、透明度はかなり悪いです。

3日は、この後すぐに霧に覆われて、そのまま晴れませんでした。4日は、昼間は見事な五月晴れでしたが、夕方の薄明中に大陸からの雲が到来し、暗くなる前に曇ってしまいました。

C/2006 Q1 ( McNaught )

10.8等   視直径1.2分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

薄雲があり、かろうじて見えただけです。

C/2007 W1 ( Boattini )

7.8等   視直径9分   DC 3   (40.0cm 反射 36倍)

ばかでかいです! 透明度が良ければ、もっと巨大に見え、もっと明るい目測となったように思います。

* 2008年3月5日(観測した彗星:14個+小惑星:1個)

茨城県常陸大宮市・花立山自然公園の天文台「美スター」前での彗星観測です。

予報では晴れてくるはずでしたが、家を出る時はまだかなり雲が多く、心配な空模様でした。途中の友部SAでは大きな雲がかかり、小雪まで散らついていました。しかし、花立山に近づくにつれて晴れてきて、到着時には雲一つ無い快晴となっていました。

一晩中ずっと快晴に恵まれました。とても乾燥していたようで、夜露はまったく付きませんでした。ただ、天の川の見え方からすると、素晴らしい透明度、という訳ではないようです。特に、夕方の低空はひどく、空が白っぽくて、C/2008 A1 と 192P は観測になりませんでした。但し、シーイングは良く、40cmで見る土星は見事な眺めでした。

この他に 26P/Grigg-Skjellerup も狙いました。予報位置に13等の拡散状の光芒が見えたように思いましたが、調べてみると、3つの14等星の集まりでした。

C/2005 L3 ( McNaught )

13.9等   視直径0.6分   DC 7   (40.0cm 反射 257倍)

微光星かと思うほど、集光が強いです。

C/2006 Q1 ( McNaught )

11.4等   視直径0.9分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

12月に、南天に去る前に見たのと同じような場所でした。超低空ですが、なんとか見えました。

C/2006 S5 ( Hill )

14.4等   視直径0.5分   DC 5   (40.0cm 反射 257倍)

1月よりかなり暗くなりました。

C/2006 W3 ( Christensen )

14.7等   視直径0.3分   DC 4   (40.0cm 反射 257倍)

恒星に近いこともあり、ほぼ限界に近い暗さですが、かろうじて見えます。

C/2007 B2 ( Skiff )

14.4等   視直径0.6分   DC 5   (40.0cm 反射 257倍)

かなり暗くて小さいです。

C/2007 G1 ( LINEAR )

13.9等より暗い   視直径0.3分   (40.0cm 反射 257倍)

見えませんでした。暗黒星雲があるらしく、極端に星が少ないので、視点を合わせるのが難しかったです。

C/2007 T1 ( McNaught )

10.7等   視直径1.9分   DC 4   (40.0cm 反射 75倍)

低空にもかかわらず、はっきり見えます。ただ、思っていたよりは暗く小さい印象でした。

C/2007 W1 ( Boattini )

13.8等   視直径0.6分   DC 4〜5   (40.0cm 反射 257倍)

すでに充分に明るく、楽に見えます。

C/2008 C1 ( Chen-Gao )

10.3等   視直径3.5分   DC 3   (40.0cm 反射 36倍)

明るいですが、意外にもかなり集光が弱い拡散状で、大きく広がっています。

17P/Holmes

4.7等   視直径80分   DC 1   (5.0cm 屈折 10倍)

2ヶ月ぶりとなってしまいました。春の空になったこともあって、肉眼ではかろうじて淡い光芒が感じられる程度で、ほぼ、見えなくなりました。しかし、5cmファインダーでは、まだかなり明るいです。拡散した巨大な光芒が、はっきりと見えます。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

13.3等   視直径1.3分   DC 1〜2   (40.0cm 反射 144倍)

1月のバーストから2ヶ月近く経ちましたが、意外にも、拡散した集光のない光芒が、まだ明るく見えます。

46P/Wirtanen

9.3等   視直径6.5分   DC 6   (40.0cm 反射 36倍)

たいへん明るく大きいです。集光もしっかりして、とても見やすいです。

93P/Lovas 1

13.5等   視直径1.0分   DC 5   (40.0cm 反射 144倍)

ここ2ヶ月ほど、誰も眼視で観測していませんでしたが、意外にも、まだかなり明るいです。楽に見えたので驚きました。

110P/Hartley 3

14.2等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 257倍)

見えませんでした。

2005 WY3

14.3等   DC 9   (40.0cm 反射 257倍)

1月に近日点を通過した特異小惑星です。低空のためか、思ったよりかなり暗いです。そのため、完全に恒星状かどうかは、よく分かりませんでした。

* 2008年1月5日〜6日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

正月休みが明けて、光害がかなりひどくなりました。快晴ですが、5等級の彗星はほとんど見えません。横浜での観測は、これで最後となります。

8P/Tuttle

1月5日   約5.3等   視直径14分   DC 3〜4   (10x66 単眼鏡 10倍)

1月6日   約5.6等   視直径17分   DC 2〜3   (10x66 単眼鏡 10倍)

* 208年1月3日〜4日(観測した彗星:11個)

茨城県常陸大宮市・花立山自然公園の駐車場での彗星観測です。前日の茨城県取手市藤代の自宅の庭での観測も併せて報告します。

予報では曇ってくるはずでしたが、観測中は快晴に恵まれました(その後、帰宅する途中でどんどん曇ってきましたが)。初めはあまり透明度が良くない感じでしたが、途中から良くなりました。8P/Tuttle と 17P/Holmes と、2つの彗星を肉眼で眺められました。

C/2006 S5 ( Hill )

1月4日   13.4等   視直径0.6分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

恒星に近いですが、結構明るく見えます。

C/2006 W3 ( Christensen )

1月4日   15.2等   視直径0.3分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 257倍)

恒星に近いですが、小さな姿が見えました。

P/2007 H1 ( McNaught )

1月4日   13.7等より暗い   視直径0.5分   (40.0cm 反射 257倍)

見えなくなりました。

8P/Tuttle

1月3日   5.4等   視直径24分   DC 3〜4   (10x70 単眼鏡)

1月4日   5.7等   視直径20分   DC 6   (10x70 単眼鏡)

街中では拡散状ですが、空の暗いところで見ると、かなり集光が強いです。肉眼でも見えています。

17P/Holmes

1月3日   4.0等   視直径75分   DC 1   (5.0cm 屈折 10倍)

1月4日   3.3等   視直径100分   DC D1   (肉眼)

1月4日   3.6等   視直径85分   DC 2   (5.0cm 屈折 10倍)

空の暗いところで見ると、たいへん明るいです! 肉眼でも楽に見え、とにかくでかいです。明らかに4等星より明るく、いまだに3等半ばのようです。

1月3日は街中での観測で、光害のため見づらく、目測が暗くなりました。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

1月4日   12.8等   視直径1.0分   DC 6   (40.0cm 反射 144倍)

大きくて、良く集光して、見やすいです。久しぶりに明るい彗星状の29Pを見ました。

46P/Wirtanen

1月4日   9.6等   視直径6分   DC 5   (40.0cm 反射 36倍)

驚くほど明るく大きいです! 大きく広がっていますが、中心の集光はしっかりしていて、見やすいです。

50P/Arend

1月4日   14.6等   視直径0.4分   DC 6   (40.0cm 反射 257倍)

意外にも、集光の強い小さな姿がまだ見えました。

93P/Lovas 1

1月4日   13.3等   視直径0.8分   DC 4〜5   (40.0cm 反射 144倍)

まだ明るく、良く見えます。

110P/Hartley 3

1月4日   14.5等   視直径0.5分   DC 6   (40.0cm 反射 257倍)

良く集光しているようです。

192P/Shoemaker-Levy 1

1月4日   13.4等   視直径0.6分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

意外に明るく見えます。

* 2008年1月2日(観測した彗星:2個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

今夜も快晴ですが、透明度はそれほど良くありません。よほど透明度が良くないと、横浜ではホームズ彗星はもう限界です。

8P/Tuttle

5.5等   視直径18分   DC 3〜4   (10x66 単眼鏡 10倍)

17P/Holmes

4.0等   視直径約55分   DC 1   (10x66 単眼鏡 10倍)

* 2008年1月1日(観測した彗星:2個)

明けましておめでとうございます。新年の初観測です。横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

朝は快晴で、初日の出がたいへんきれいに見えました。午後は真っ黒な雪雲が空を覆ってしまいましたが、夜はまた晴れました。ただ、雪雲の名残りで、頻繁に雲が往来していました。ですが、透明度は昨晩よりもさらに良いようで、彗星は昨晩より良く見えました。

8P/Tuttle

5.6等   視直径19分   DC 4   (10x66 単眼鏡 10倍)

17P/Holmes

3.7等   視直径52分   DC 2   (10x66 単眼鏡 10倍)

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