MISAO Project

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PIXYシステムの概要

PIXY( tex2html_wrap_inline293 PIXII) システム

Practical Image eXamination and Inner-objects Identification system
天体画像の検査及び写野内の天体の照合を行う実用システム
は、MISAOプロジェクトの目標の1つである「誰もが自分の画像を調査し、 その中に新天体が写っていないかどうかをチェックできるような体制作り」を目 指したものである。 具体的には、画像といくつかの付加情報を与えると、星表との対応づけを行い、 画像中の各恒星のデータと、彗星等の既存天体の一覧、及び星表にない新天体候 補を通知してくれるシステムである。

PIXYシステムの構成図は図 1の通りである。

   figure27
図 1: システム構成図

PIXYシステムは誰もが簡単に自分の画像を検査できることを目的としてい る。 そこで、システムはJavaで実装し、WWWを通じて利用できるものとする。 利用者はある特定のWWWページ上のアプレットから、または専用のソフトウェア から本システムにアクセスする。 初めに、撮影した画像自身 gif と、付加情報として 撮影時刻、概略の位置、概略の撮影範囲 (必要なら概略の 回転角も) をシステムに入力する。

システムは、まず画像から星像を検出し、各星像のx,y座標、及び光量のリス トを作成する。 同時に、入力した概略の位置周辺の恒星データを星表から抽出し、座標及び等級 のリストを作成する。 そして、この2つのリスト同士のマッチングを行う。 ここでは、マッチングとは画像中のある座標x,yが、星表から作った星図中の どの座標にあたるのかを決める写像関数を求めることと定義する。 具体的には、画像をある角度 tex2html_wrap_inline299 で回転させ、ある拡大率rで拡大したも のが、星図上のどこかに当てはまる。この両者の座標の相対的な差 tex2html_wrap_inline303 を含めた4つのパラメータが写像関数である gif

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写像関数が求められたら、画像中にあるべき既存天体を計算・検索し、画像中の どの星像がそうなのかを利用者に示す。 また、星表になく既存天体でもない新天体候補、及び星表と大きく異なる星像を 利用者に告知する。 更に、データベースから同じ領域を撮影した画像を検索し、閲覧することも可能 とする。

現在は、画像から星像を検出し、星表とのマッチングを行って、画像中の座標と 星表上の座標との変換を行う写像関数を求める部分までを実装したプロトタイプ システムで実験を行っているところである。 このプロトタイプシステムは、星表中の恒星データに写像関数の逆関数を作用さ せ、画像と同じ領域の星図を作成し、元の画像と並べて表示することで、求めら れた写像関数が正しいことを確認できるようになっている。

以下、本稿では星像検出とマッチングの2点について、手法の詳細と実験結果を 述べる。

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