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天体画像・処理系データベース

ここでは、本研究で構築すべき天体画像・処理系データベースの概要について述 べる。

誰でも自分の画像に新天体が写っていないかどうかを簡単に調べられるようにす るために、本研究では、多数の画像を集めたデータベースを作成し、同時に画像 から星像を検出して星図やデータベース内の画像と対比できるような画像処理ソ フトウェアを作成、公開する。 そしてユーザがWWWを通じてこのデータベースにアクセスし、自分の撮影した天 体画像の中に新天体が写っていないかどうかを検査することができるような実用 システムを構築する。

システムの構成図は図 1のとおりである。 ユーザが自分の画像をシステムに渡すと、システム内のプログラムが画像から星 像を検出し、星図とのマッチングや既存天体のチェックを行なってくれる。 また、同じ写野を撮影した過去の画像をデータベースから検索して閲覧すること もできる。

   figure29
図 1: システム構成図

このデータベースはWWW上に構築するため、Java言語で実装する。

システムの根幹はいくつかのサーバから成る。 各サーバは各サイトのそれぞれの天体画像データベースを管理し、他のサイトの データベース中の画像にアクセスしたい時は、そのサイトのサーバとやりとりす る。 だが、ユーザからは全体として1つのシステムとして見える。

ユーザはクライアントプログラムを使ってこのシステムを利用する。 WWWを通じて利用するため、クライアントはアプレットとして作成し、WWWブラウ ザから利用できるようにする。 「インターネット=WWW」とも言える現在の風潮では、アプレットには誰でも使 えるという非常に大きなメリットがある。 しかし、残念ながらアプレットからはユーザ自身のHDD内のローカル資源にはア クセスできないため、現状ではデータベースの閲覧しか行なえないことになって しまう。 但し、近い将来にはアプレットへの画像ファイルのDrag & Dropがサポートされ ると予想され、その時にはアプレットを通じて自分の画像をチェックしたり、デー タベースに登録できるようになる。

いずれにせよ、今現在はアプレットだけでは画像のチェックが行なえないため、 アプレットではない専用のクライアントソフトウェアからシステムを利用するこ とになるだろう。 これはそのソフトウェアを各自がインストールしないといけないが、画像のチェッ クやデータベースへの登録が可能となる。

更に、このデータベースは画像だけでなく、処理系のデータベースでもある。ユー ザがシステムに既にある、画像からの星像の検出や画像に対する種々の処理を行 なうプログラムに不満を感じたら、自分の作成したプログラムを登録してそれを 利用できる。 また、自分の登録した処理プログラムは他人にも公開され、利用してもらえるよ うにする。

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