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PIXYシステムの位置測定精度

PIXYシステムでは、検出された彗星の位置も自動的に測定される。 その精度を評価した。

1998年6月20日にC/1998 K5 (LINEAR)を観測した画像と、1998年9月12日に C/1998 M5 (LINEAR)を観測した画像を、PIXYシステムで検査し、出力され た彗星の位置の精度を検証した(表 4、表 5)。 前者は500mmレンズ、後者は300mmレンズの画像で、どちらもビニング2(ピクセル サイズは18ミクロン)で撮影した。 画角は、前者が1.6度、後者が2.6度で、1ピクセルの大きさは、それぞれ7.4秒角、 12.4秒角である。 どちらの彗星も3枚の画像から位置を測定し、軌道から計算される位置に対する 測定位置の残差のばらつきを評価した。 結果は次の通りである。 秒角単位と、ピクセル単位の2通りの残差を載せた。

   table185
表 4: C/1998 K5 (LINEAR)の測定位置の残差

   table200
表 5: C/1998 M5 (LINEAR)の測定位置の残差

どちらの彗星でも、測定位置のばらつきは1ピクセルの5分の1から10分の1である。 この結果より、PIXYシステムを使うと、ピクセルサイズが18ミクロンの CCDと300mmレンズで撮影した画像からでも、充分に位置測定を行えていると言え る。

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