MISAO Project

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PIXYシステム

次に、撮影したCCD画像から新天体を捜索するソフトウェア、PIXYシステ ムを紹介する。

PIXYシステムは、MISAOプロジェクトで開発された、天体画像自動検査シ ステムである。 このソフトウェアは、画像から星を検出し、Guide Star Catalog等の星表とマッ チングを行って、すべての星の位置と光度を測定するとともに、新天体候補や 変光星候補等を自動的に発見する機能を持っている。 PIXYシステムはMISAOプロジェクトのホームページで公開されている。

http://www.info.waseda.ac.jp/muraoka/members/seiichi/misao/index-j.html

PIXYシステムで1枚の画像を検査すると、

  • 画像
  • 検出星像をプロットした星図
  • カタログから読み込んだ星をプロットした星図

の3つのウィンドウが開く。

2つの星図では、検出星像とカタログのデータとがペアになったものは緑色で描 かれる。 しかし、画像から検出された星でカタログに記載されていないもの(新天体候 補)や、逆にカタログに記載されていながら写らなかったもの(カタログエラー 候補)は、赤い色で描かれる。 そのため、画像に写っている大量の星(通常は数百から数千個)の中から、新天 体の可能性のある星(通常は数個から数十個)を容易に判別することができる。

CCDによる新彗星の捜索に於いては、彗星と良く似た微光銀河が頻繁に写る。 また、ふつうの星であっても、レンズの収差等により、ぼけた星像として写る ことも多い。 これらの星は、画像を見ただけでは彗星かどうか判断できないが、Guide Star Catalog等の星表を見れば、そのデータが載っているために、新彗星ではないと 分かる。 PIXYシステムでは、たとえ星像がぼけていても、データが星表にあれば緑 色の星として描かれるため、これらの星像の確認に時間をとられなくて済む。

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