MISAOプロジェクトの新変光星は、以下のような手順で発見されます。
- 新たにご提供頂いた画像を、PIXYシステム2で検査し、写っている星の光度を測定します。
- 過去に測定して記録しておいた、それらの星の光度を、データベースから検索します。
- 各星について、データベースに記録されていた光度と、新たに測定した光度とを比較し、値が変化しているものを選別します。だいたいは、0.5等以上の差があるものに限っています。
- MISAOプロジェクトのスタッフが、選別された星をすべて画像で確認し、測定ミスなどを除外します。
- VSOLJ(日本変光星観測者連盟)の加藤太一氏と、英国のJohn Greaves氏に依頼し、既知の変光星等の同定をチェックして頂きます。MISAOプロジェクトでも同定をチェックします。既知変光星と同定された場合は除外します。GCVSやNSVだけでなく、最近発見されたばかりの未公認新変光星などもチェックします。
- MISAOプロジェクトのスタッフがすべての星を再度画像で確認し、明らかに変光しているものだけを新変光星として発表します。
MISAOプロジェクトでは、この手順で発見された新変光星の「発見者」を、以下のように定義します。
- 選別された星を画像で確認し、本当の変光星であると判断を下したMISAOプロジェクトのメンバー
- 新たにご提供頂いて検査した画像の撮影者
- データベースに記録されていた過去の測定値の中で、新たに測定した光度と有意に差があると認められたもののうち、最も早く検査された画像の撮影者
まず、新変光星を新変光星であると判断した人が、発見者となります。
また、新変光星が発見された画像の提供者も、共同発見者となります。
変光星は2枚の画像を比較して差があれば発見されますので、新たにご提供頂いた撮影者と、それと比較した過去の画像の撮影者が、共に発見者となります。
発見者は、撮影日ではなく、実際に画像をご提供頂いて、こちらで検査した順番で判定されます。
そのため、古い画像をご提供頂くことにも、大きな意義があります。
一般に、過去の画像は複数存在しますが、新たに測定した光度と有意な差がない画像は、除外されます。
測定値に有意な差がある画像が複数存在する場合は、最も早く検査された画像の撮影者を発見者とします。
例えば、1999年4月1日に新たにご提供頂いた画像で14.5等と測定された星の光度が、過去に
撮影者 | 検査された日 | 測定光度 |
A氏 | 1999年1月1日 | 14.0 |
B氏 | 1999年2月1日 | 13.6 |
C氏 | 1999年3月1日 | 13.5 |
と記録されていた場合は、A氏の測定光度は有意な差がないために除外されます。
一方、C氏の測定光度はB氏の値よりも差が大きいのですが、B氏の値も有意な差がありますので、先に検査された画像の撮影者であるB氏が発見者となります。
尚、新たにご提供頂いた画像には写っておらず、過去の画像には写っていた場合も、同様に、新たな画像提供者が優先して発見者となります。
この定義に従って定められる発見者は、上記の順番で、新変光星のカタログに記入されます。
また、新変光星の発見を公表するIBVS等の論文でも、画像の撮影者として記述します。
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