Home Page       Sun Aug 8 18:19:04 JST 1999

小惑星捜索画像の再活用

小惑星捜索家は、黄道帯周辺をCCDで繰り返し撮影している。 だが、それらの画像は、一度移動天体の有無を調べた後は、ほとんど活用されて いない。 現実には、量が膨大になるために、画像を捨ててしまっているケースもある。

だが、これらの画像には、小惑星以外にも未知の変光星という貴重な情報が含ま れている。 本稿で示した通り、未知の変光星は、小惑星の個数よりも圧倒的に多い。 実際、小惑星捜索家によって多数の新小惑星が発見されていることを考えると、 膨大な数の未知の変光星の情報が、明らかにされることなく捨てられている可能 性が高い。

MISAOプロジェクトでは、一般から画像を公募し、PIXYシステムで検査し、 データを取得している。 画像は原則として公開されないが、データベースに記録されるため、後に同じ領 域を撮影した画像を入手したら、自動的に比較が行われ、新天体候補が検出される。 小惑星捜索用の画像は、おそらく新たに移動天体が発見されることはないと思わ れるが、新変光星は多数発見されると期待される。 発見された新変光星は、画像の撮影者を明記した上で、世界に向けて発表される。

小惑星捜索用の画像は、サーベイ画像であるために質が良いであろうこと、星雲 星団のような測定ミスを起こしやすい要因が少ないこと、暗い星まで写っている こと、等、新変光星の発見に適した性質を持つ。 是非、移動天体のチェックが終了した画像は、MISAOプロジェクトに提供 して頂き、天文学のために再活用して頂きたい。