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平坦化

まずは、本手法によって画像の平坦化がどの程度実現したかを見てみる。 以下に示す画像は、スカイフィールドに対しての正/負分布を表しているもので、 緑はスカイフィールドよりも値が大きいピクセル、赤は小さいピクセルである。 中央の画像は、平坦化等をせず、単純に画像の平均値をスカイフィールドとした ものである。 下の画像が、本手法で平坦化、レベル補正の復元を行った後で、スカイフィール ドに対する正/負を調べたものである。 中央の画像に比べて、下の画像ではノイズが画像全体で均等に現れていれば良い。


  • カシオペヤ座新星1995
    吉田誠一撮影
    1996年1月9日 19:01:30 (1分)
    茨城県藤代町
    25cm F6.3 シュミットカセグレン 直焦点
    コニカカラーGX3200
この画像は、プリントされた写真をスキャナーで取り込んだものである。 中央部が明るく周辺部が暗くなっているが、本手法により平坦化され、ノイズが 全体的に分散していることが分かる。 左右に曲線が見えているのは、フラットフィールド関数とスカイフィールドを2 次関数で近似したためである。

この画像の実際の感度むらは、次の図のような不規則な形をしている。 中央の図が10x10の小領域毎のピクセル値の標準偏差を示したもので、下の図が それを2次関数で近似したフラットフィールドである。 このため、現在の手法では若干の誤差が残っている。


  • ヘール-ボップ彗星
    久保庭敦男氏撮影
    1996年2月22日 05:05:22〜05:12:20 (6分58秒)
    稲敷郡茎崎町・東谷田川沿い
    ボーグ125EDF4(f500mm)直焦点
    EM−200(タカハシ),オートガイド
    フジクローム400プロビア/ラボ現像・プリント
この画像もプリントされた写真をスキャナーで取り込んだものであるが、この例 ではうまく平坦化できなかった。 背景レベルの明るさの違いが、ノイズの分布に現れていないようである。 実際、ノイズの標準偏差の分布を見ると、中央が暗いという逆の様相を示してし まっている。


この画像はCCD画像をレベル補正したものである。 もともと平坦な画像であったため、本手法でも結果に変化が生じなかった。 尚、画像中央に写っている天体がウィルド第4彗星である。 かなりレベル補正して彗星を見やすく処理してあるが、元画像と見比べると、彗 星のような拡散天体は思ったよりもはるかに大きく広がっていることが分かる。

ところで、この画像はFITSを一度JPEGで保存し直したものに対して処理を行った。 元々のFITS画像に対して同様に処理を行うと、次のように異なった結果となって しまった。 下の画像に現れた楕円は、本手法が2次関数近似を行っているためである。 これらの結果が異なる理由は分からない。

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