MISAO Project

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有用な情報を見落としている場合

近年、明るい彗星の発見に際して、発見前に撮影された他の捜索者のパトロール 写真に写っていたという報告が為されるケースが増えている。 かの百武彗星も、1996年1月30日に10等で発見される1カ月前の1月1日に撮影され た写真に13等で写っていた。 ヘール・ボップ彗星も、1995年7月23日に10.5等で発見される2カ月前の5月29日 に12等で、また約2年も前の1993年4月27日に18等で写っていたのが発見されてい る。 これらの例のように、発見に限らず、有用な情報が見落とされている場合がかな りあると思われる。

これらの事態にはいくつかの原因がある。 まず、天文台で他の目的のために撮影された画像から発見される場合があるが、 この点については既に述べた。 次に、画像の検査を行った際に見落とされる場合がある。 個人捜索者で目を使った検査を行っている場合には、前述したソフトウェアの普 及である程度補えるだろう。 また、個人捜索者の社会的都合により、検査自体が後回しにされている場合も多 いが、これもソフトウェアによって時間短縮を図ると効果があるだろう。 ソフトウェアによる検査でも見落としはある。 この場合、前述した世界規模の画像データベースにて公開することで、他者が別 のソフトウェアで検査を行い、検出できる可能性が生じる。 また、画像を公開しておけば、見落としがあっても、後に別の人によって発見さ れ、過去の画像の再調査を行う際に改めて検出される場合も出て来る。

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