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解析手順MISAOプロジェクトにおける、実際の画像解析の手順を紹介する。 上尾サーベイチームでは、晴れた夜にはほとんどCCDで撮影を行っている。 一晩(または数夜)の画像がまとめて検査工程に送られる。 検査工程には、PIXYシステムと、それを補助するいくつかのPerlスクリプトが ある。 また、過去の検査結果を保存したデータベース、既知変光星の同定データベー ス、過去の検査で得られた光度データベースの、3つのデータベースが存在す る。 画像検査手順の概要は図 2の通りである。
検査工程では、まず入手した画像をPIXYシステムで一括検査する。 検査結果は、画像ごとにPXFファイルという形式で保存される。 この時、既知変光星との同定も行われる。 上尾サーベイチームでは、画像のファイル名の付け方に規約を定めている。 具体的には、対象天体(サーベイ画像の場合は赤経赤緯)、焦点距離、フィル ターが、ファイル名から分かるようになっている。 これを利用し、位置情報をファイル名から取得し、また時刻情報を画像ファイ ルのヘッダから取得して、PIXYシステムで一括検査するためのバッチファ イルを生成するPerlスクリプトを作り、手間をかけずに大量の画像を検査できる ようにしている。
PIXYシステムでの一括検査が終了した後は、2通りの工程に分岐する。 1つは新天体の捜索である。 PIXYシステムには、1晩の画像の検査結果をまとめて扱い、以下の基準で 新天体候補を選別する機能がある。
もう1つの工程では、光度データベースを構築し、新変光星の捜索や既知変光 星の光度報告を行う。 光度データベースの構築も、PIXYシステムの機能である。 同定結果に基づき、変光星ごとに1つのファイルとして、測定光度を蓄積して いく。 但し、IRAS天体は個数が多いために、赤経1時間、赤緯10度ごとにまとめて1 つのファイルとしている。 また、星表に記載されていない星も、赤経1時間、赤緯10度ごとにまとめて1 つのファイルとして、光度データを蓄積する。 具体的なファイル構成は、次のようになる
新変光星の捜索は、2通りの方法で行っている。 1つは光度データベースを利用する方法だが、この場合は星表に記載されてい ない星か、IRAS天体しか対象とならない。 もう1つは検査結果データベースを直接調べる方法で、この場合は全恒星が捜 索対象となる。 どちらの方法も、星ごとに測定光度が変動していないかどうかを調べ、ある閾値 (0.7等もしくは1.0等)以上に変化しているものがあれば出力するPerlスクリプト を作り、変光星候補を選別している。 最終的には人間が画像を見て確認し、本当の変光星かどうかをチェックしてい る。
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