MISAO Project

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要注意天体の確認

PIXYシステムで出力された要注意天体は、測定に利用した恒星カタログに 載っていないものや、記載されている光度と測定値が大きく異なるもの等である。 しかし、恒星カタログには不備も多く、記載されていないからと言ってすぐに新 天体であるとは判断できない。 また、光度が違っていても、既に知られている変光星である可能性が高い。 そのため、PIXYシステムでの検査後に、既知変光星や星雲星団などとの確 認が必須である。

MISAOプロジェクトでは、変光星一般カタログ、IRAS点光源カタログなど 多くのカタログを用意し、自動同定システムで既知天体かどうかの判定を行って いる。 これらのカタログはそれぞれWWW等で入手できるものがほとんどであるが、再配 布許可は得ていないため、この自動同定システムは非公開となっている。 現状では、各撮影者が個別にカタログを入手し、要注意天体の確認を行う必要が ある。 また、WWWで既知天体の検査を行えるサービスもあるので、それらを利用するの も良いだろう。

前節のウィルド第4彗星の画像の例では、中央上の明るい星が変光星として出力 された。 その測定位置は赤経20h 1m28s.62、赤緯-25°40'55''.3 であった。 自動同定システムによって、この位置にはIRAS 19584-2549 (赤経20h 1m29s.14、 赤緯-25°40'56''.0)があることが分かる。 よって、この星像は単に赤い星がCCDで明るく写っただけだと判断できる。

尚、既知変光星でなくても、暗い星や銀河近くの星などにはGSCやUSNO A1.0に記 載されていないものも多い。 例えばVSNETでの活動の例で示した画像からも、超新星以外にカタログに記載さ れていない星が複数検出されている。 これらは過去の画像にも同じように写っていたため、新天体などではないことが 確認されている。 このように、PIXYシステムだけで新天体かどうかの判断を行うことは難し い。 DSS、RealSky CD-ROMなどで確認したり、日を置いて撮影するなどの工夫が必要 となる。

MISAOプロジェクトでは、既知天体と同定されなかった要注意天体には MISAO符号をつけているので、これらのノイズを大量に含んでしまっている。 試験的に検査してホームページで公開している美スターサーベイの4枚の画像か らだけでも、34個もの星がMISAO天体として符号が付けられた。

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