MISAO Project

Home Page       Sun Aug 8 14:46:31 JST 1999

next up previous
Next: インターネットの真価 Up: インターネットの利用 Previous: インターネットの利用

PIXYシステムでのインターネット利用

PIXYシステムはJava言語で実装しているため、ネットワークプログラミン グが容易に行える。 実際、現在公開されている版では、検査する画像や検査に利用するGSC、USNO A1.0などの恒星カタログを、ハードディスクにあるファイルやCD-ROM等ではなく、 WWWから直接ダウンロードすることも可能になっている。 また、1998年初めにはアプレット版PIXYシステムを公開し、WWWブラウザ でそのページに接続するだけでPIXYシステムを実行できるようにもしたこ とがあった。

しかし、現実には諸般の問題が発生した。 まず第一の問題点はデータ転送量が膨大であることだ。 例えば、35mmレンズで撮影した画像では、1枚あたり1万個程度の星像が写ってい るが、これを完全に検査するためには、恒星カタログから数万個のデータをロー ドする必要がある。 画像1枚を検査するたびにWWWから数万個の恒星データを取得するのは非常に無理 がある。 また、1万個もの星が写っている画像を検査した結果出力されるデータも、数MB という容量になってしまう。 アプレットを使ってサーバ上で検査したとしても、これだけの結果を転送するの は大変である。

もう1つの問題点は、実行時間がかかることである。 PIXYシステムは画像も恒星カタログもすぐにロードできる場合でも、通常 数分の時間がかかる。 ネットワーク上の画像やカタログを利用すると転送に膨大な時間がかかり、画像 1枚の検査に数十分という時間がかかってしまうことになる。

以上のように、現状ではインターネットを通じてのPIXYシステムの利用は 非現実的である。 そのため、現在公開されている版は各利用者のマシンにインストールし、恒星カ タログはCD-ROMから読み込むことを前提としている。

また、美スターサーベイで得られた画像も、現在はWWWで公開しているが、サー ベイが軌道に乗り画像の量が膨大になってくると、WWWを通じての閲覧が非現実 的になってくる。 そこで、将来的には画像と測定結果、及びPIXYシステム等のソフトウェアと併せ て、CD-ROMとして配布することを計画している。

Copyright(C) Seiichi Yoshida (comet@aerith.net). All rights reserved.