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PIXYシステム次に、MISAOプロジェクトの根幹を為すPIXY( PIXII) システム Practical Image eXamination and Inner-objects Identification systemについて述べる。 PIXYシステムは、画像から星像を検出し、カタログとのマッチングを行っ て、画像の中心の赤経赤緯、画角、回転角等を正確に求めるとともに、すべての 星像の位置と光度を測定する。 更に、カタログデータと比較して光度が大きく異なっているものや、カタログに 記載されていない新天体を検出するという、統合的な画像検査システムである。 PIXYシステムで検査を行うには、予め画像の概略の撮影方向の赤経赤緯と 画角を指定する必要がある。 PIXYシステムは画像から星像を検出した後、指定された付近のデータをカ タログから読み込んで、マッチングを行い、画像の中心の赤経赤緯、画角、回転 角等を正確に求める。 更に、検出した星像と対応するカタログデータとのペアを作り、ペアにならなかっ たデータ(新天体やカタログエラーの可能性がある)や、位置や光度の測定値がカ タログ値と大きく異なるものをリストアップする。 PIXYシステムの開発にはJava言語を使用している。 現在は一通りすべての処理の実装が終わっていて、UNIX上で動作している。 画像からの星像検出では、ノイズと本当の恒星像との選り分けを工夫して、人間 が検査するのと同等に近い極限等級まで検出できるようになっている。 カタログとのマッチングは、手持ちの画像の大部分は問題なく成功するようになっ ている。 但し、広角レンズで撮影した写真や、恒星数が極端に少ない画像では、マッチン グに失敗するケースもままある。 PIXYシステムの具体的な実装方法については、3月28日から29日にかけて 催される第28回彗星会議にて発表する。 発表資料は、4月初めにMISAOプロジェクトのホームページにて公開する予定だ。 MISAOプロジェクトのホームページでは、このPIXYシステムをアプレット として実装したものが公開されており、WWWブラウザで利用できるようになって いる 。
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