今週の明るい彗星 (2005年7月2日:北半球版)

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Updated on July 6, 2005
先週 南半球版 来週

最適時刻と方位・高度は、北緯35度の地点での値です。

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* C/2005 K2 ( LINEAR )

6月上旬に急激に明るくなり、6月10日には8.9等に達した(Juan Jose Gonzalez)。6月12日には、Giovanni Sosteroら多数によって、核が分裂しているのが捉えられた。その後は9等で停滞し、6月17日には9.2等だった(Juan Jose Gonzalez)。日本からはすでに見えない。南半球では、7月上旬までは夕空低くに見える。7月中旬にはいったん見えなくなるが、7月末に再び明け方の空に12等で現れ、その後は高くなる。しかし、急激に暗くなっていくだろう。日本からも9月には再び見えるようになるが、14〜16等になっているだろう。7月5日の近日点通過では、太陽に0.54AUまで近づく。絶対光度が13〜14等と暗い彗星のため、近日点を通過する際に衰退し、通過した後は予報よりはるかに暗くなってしまう可能性もある。なお、分裂核は、6月22日まで見えていたが、23日には見えなくなってしまった(Ernesto Guido, Giovanni Sostero)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   8 33.34    3 53.3   0.909   0.550    32    9.0  21:04 (103,-13)  
July  9   8 19.66   -3 29.0   1.066   0.551    30    9.4  21:01 (104,-25)  

* 9P/Tempel 1

7月4日のディープ・インパクト・ミッションは成功した。5月から衝突の直前まで、2ヵ月ほど10等の明るさで見えていた。集光はだんだん弱くなってきていた。衝突の直後は、中心が明るく輝く姿が、地上でも見えた。Mike Linnoltは、30分の間に集光度が4から8まで変化するのを捉えた。しかし、全光度は、0.5等しか増光しなかった。核光度は1〜2等ほど増光した。彗星の変化は一時的で、翌日にはほぼ元通りの状態に戻っている。現在は10.0等で、集光度は5(7月5日、Mike Begbie)。彗星への影響が小さかったため、今後は予報通りに暗くなっていくだろう。9月には12等以下になる。南半球では条件が良いが、日本からは8月中旬には高度が20度以下になってしまう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  13 33.85   -8 40.5   0.883   1.507   104   10.2  21:04 ( 42, 36)  
July  9  13 46.80  -11 25.5   0.920   1.507   102   10.3  21:01 ( 43, 32)  

* 21P/Giacobini-Zinner

3月14日には15.2等と暗かった(大島雄二氏)が、4月中に増光し、5月2日には12.3等で眼視でも見え始めた(Juan Jose Gonzalez)。彗星はその後も増光を続け、現在は9.6等に達している(6月16日、Juan Jose Gonzalez)。これから7月まで10等を保つ。しかし、ずっと明け方の空低くにしか見えない。高度は、9月に12等以下になるまで、ずっと20度以下。10月に13等以下になってから、ようやく30度を超えるようになる。8月1日には、P/2005 JQ5と0.5度まで接近する。11等の彗星が2つ、同一視野に見えるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   3 21.78   21 48.1   1.429   1.038    46   10.2   3:04 (255, 17)  
July  9   3 53.22   20 12.7   1.439   1.042    46   10.4   3:09 (256, 16)  

* P/2005 JQ5 ( Catalina )

周期が4.4年とかなり短い新周期彗星。現在、地球に0.1AUまで大接近している。5月上旬には17.5等とたいへん暗かったが、6月6日に13.5等、6月12日に12.0〜12.5等(Michael Jager)と急激に明るくなり、6月25日には10.3等と眼視でも明るく見えた(Juan Jose Gonzalez)。地球に接近したため、コマは4〜8分角と非常に淡く大きく拡散している。驚くべきことに、6月24日のサーベイ画像では、8〜9等、視直径20分角という明るく大きな姿で写った(Terry Lovejoy)。すでに観測不可能だが、7月末に再び明け方の空に現れる。明るさの予報は難しいが、11〜14等で、眼視でも見える可能性もある。但し、まだ地球から0.3AUとかなり近いため、淡く大きく拡散して、空の条件が良くないとかなり見づらく、CCDでも写りづらいだろう。8月1日には、21Pと0.5度まで接近する。11等の彗星が2つ、同一視野に見えるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   8 32.27   17 41.8   0.109   0.920    25   10.4  21:04 (116, -6)  
July  9   6 58.21   15 39.0   0.140   0.878     7   10.4   3:09 (231,-21)  

* 161P/2004 V2 ( Hartley-IRAS )

明け方の低空に姿を現してきた5月12日には、14等で観測された(Michael Mattiazzo)。その後も順調に増光して、近日点を通過した6月中旬には11.3等で見えた(6月16日、Juan Jose Gonzalez)。発見時は近日点を過ぎてから予想外の増光をし、近日点通過の45日後に最大光度となった。今回も、近日点を過ぎた後も明るくなり、現在は10.2等に達している(7月2日、Juan Jose Gonzalez)。視直径は、6月中旬には1.5分角と小さかったが、7月初めには5分角と、急に大きく見えるようになった。期待通りに、7月から8月にかけて9等になりそう。日本では、今後はずっと観測可能。南半球では暗くなるまで見えない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   2 33.10   64  2.1   1.501   1.285    57   11.2   3:04 (213, 39)  
July  9   3 19.84   72 35.7   1.478   1.300    59   11.0   3:09 (202, 38)  

* C/2004 Q2 ( Machholz )

1月上旬の最盛期には、3.5等、視直径30分角という巨大な姿が、頭上高く、たいへん明るく見えた。その後は次第に暗くなってきており、現在は10.6等(6月26日、Juan Jose Gonzalez)。視直径は約4分角と、だいぶ暗く小さくなったが、望遠鏡ではまだ良く見えている。日本からは、10月に14等になるまで、眼視で見える時期はずっと好条件で観測できる。5月下旬には、Dennis Persykによって、27分角にも及ぶ長いアンチ・テールが捉えられた。長いアンチ・テールは現在も見えており、地球が彗星軌道面を通過したのが6月下旬なので、もうしばらく見えるだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  13 16.51   32 17.9   2.447   2.554    84   11.0  21:04 ( 95, 59)  
July  9  13 23.97   29 42.8   2.585   2.632    81   11.3  21:01 ( 93, 55)  

* C/2003 T4 ( LINEAR )

発見以来、4月初めに近日点を通過するまで、ずっと、ふつうの彗星より鈍い増光が続いてしまった。3月中旬から5月初めまで8等を保ったが、5月中旬には8.4等と、予報通り、少し暗くなり始めたようだ(5月12日、Michael Mattiazzo)。今後、日本からは、9月下旬に明け方の超低空に14等で現れるまで観測できない。南半球でも、7月上旬まではずっと高度が20度以下と低くなってしまう。その間に、彗星は12等まで、急激に暗くなってしまうだろう。しかし、5月中旬以降の観測がなく、減光の様子が良く分からない。軌道計算では、異常に大きな非重力効果が現れているが、その意味はまだ明らかにされていない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   6 11.76  -34  9.1   2.062   1.745    57   11.3   3:04 (285,-47)  
July  9   6 25.91  -33 43.1   2.177   1.838    57   11.5   3:09 (286,-43)  

* C/2005 A1 ( LINEAR )

日本から見えていた1月は11等台で小さい姿だったが、南天に去った後の3月から4月にかけて、8.0等と双眼鏡でも見える明るさになった(3月4日及び4月7日、Alexandre Amorim)。予報では、4月中旬から減光していくはずだったが、5月12日にもまだ8.9等(Michael Mattiazzo)と、予報よりも1等ほど明るい状態を保っていた。その後は、南半球でも高度が低かったが、5月31日に10〜10.5等、6月15日に約11等と、次第に暗くなってきている(Terry Lovejoy)。近日点通過前には急激に増光したが、通過後はごくふつうのペースで減光している。現在は11.1等(7月2日、Juan Jose Gonzalez)。日本からも、久しぶりに明け方の空に現れて来た。今後は冬に18等以下になるまで、ずっと条件良く観測できる。6月25日には、核が分裂しているのが見つかった。副核は主核より0.7等ほど暗く、CCDでも2つの核が写る。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   1 56.65    8 32.8   1.707   1.662    70   11.5   3:04 (279, 27)  
July  9   1 52.66   11 22.2   1.680   1.751    76   11.7   3:09 (282, 36)  

* 37P/Forbes

1月には19等と暗かったが、予報通りに増光して、6月7日には12.5等で眼視でも見え始めた(John Drummond)。現在は11.7等(7月1日、Nicolas Biver)。9月まで12等で見える。なお、前回の回帰では、眼視ではこの予報より1.5等ほど明るかった。今回も、眼視では11.0等前後に達する可能性もある。南半球では好条件だが、日本からはずっと南に低い。今後は少しずつ高くなるが、30度を超えるのは9月になってから。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  15 50.18  -36 38.5   0.683   1.603   140   12.3  21:08 (  0, 18)  
July  9  15 56.24  -35 22.5   0.697   1.590   135   12.2  21:01 (  3, 20)  

* C/2004 B1 ( LINEAR )

2006年春に9等に達する。南半球では、それまでずっと観測可能。日本では、8月末から9月上旬にかけて、明け方の超低空で12等で見える以外は、2006年3月までずっと見えない。2006年3月以降は、暗くなっていく様子をずっと観測できるようになる。3月5日には15.1等(津村光則氏)と、順調に明るくなってきていた。だが、3月中旬以降の観測がなく、現在の様子は不明。南半球でもしばらく超低空だったが、7月以降は再び高く見えるようになる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   5  5.73  -18 10.8   3.788   3.194    47   13.4   3:04 (274,-27)  
July  9   5 11.58  -19 19.1   3.663   3.127    51   13.3   3:09 (279,-22)  

* C/2003 K4 ( LINEAR )

1月初めには7.5等と、双眼鏡で楽に見える明るさだったが、その後は夕空で急激に拡散、減光した。眼視では3月15日に10.7等(Alexandre Amorim)、CCDでは4月4日に11.5等(津村光則氏)まで暗くなり、西空に沈んだ。南半球では、6月中旬から明け方の空に現れて来ているが、まだ観測されていない。日本では、8月には明け方の空に現れるが、その頃もまだ13等台を保ち、眼視で見える可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   4 26.25   -3 53.3   4.417   3.739    43   13.4   3:04 (267,-11)  
July  9   4 28.45   -3 59.4   4.418   3.814    48   13.4   3:09 (271, -5)  

* C/2005 E2 ( McNaught )

3月に発見された頃は16.4等だった(3月12日、R. H. McNaught)が、6月6日には14.4等まで増光してきている(大島雄二氏)。2006年の初めに10等に達すると期待されている。南半球では、11月までずっと高い位置で、明るくなっていく様子を観測できるが、日本からは、9月までずっと高度が15度ほどで、高くならないので、眼視ではなかなか観測できないかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  20 28.67  -39  8.9   2.411   3.347   152   13.6   1:49 (  0, 16)  
July  9  20 23.20  -39 32.5   2.317   3.278   157   13.4   1:16 (  0, 15)  

* 29P/Schwassmann-Wachmann 1

明け方の空に現れて来た。2004年は、シーズンを通して常に13等より明るく見えていた。2005年は、夏から冬にかけて、日本では天頂付近と非常に良い条件で見られる。2004年同様の活動を見せれば、長期に渡って良い観測対象となりそう。5月31日に14.2等(門田健一氏)。6月中は核光度で16等と暗く報告されている。しかし、6月29日には12.8等と明るく、視直径2.5分角の淡く集光のない姿が捉えられている(Jiri Srba)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   2  5.91   21 48.2   6.127   5.748    63   13.6   3:04 (264, 32)  
July  9   2  9.42   22 16.3   6.029   5.749    69   13.6   3:09 (268, 38)  

* 72P/Denning-Fujikawa

長い間行方不明だった彗星。1978年に再発見された後も、2回の回帰で出現せず、再び行方不明となっている。おそらく、ふだんは相当に暗く、稀に大増光した時にだけ観測されているのだろう。彗星はおおよそ予報通りの位置にいると思われるが、この予報よりはるかに暗いと思われる。今回帰は条件が悪く、ずっと超低空に位置するため、再発見は不可能だろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   4 41.22   22 10.1   1.562   0.824    28   14.4   3:04 (244,  2)  
July  9   5 15.62   23 59.2   1.634   0.862    26   15.0   3:09 (242,  2)  

* 32P/Comas Sola

11月からずっと12.5〜13.0等を保ち、5月4日にもまだ12.7等で眼視で見えていた(吉田誠一)。その後は高度がどんどん低くなっている。まもなく見えなくなり、その後、今回帰はもう観測不可能。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   9 13.42   25 52.3   2.789   2.027    33   14.4  21:04 (116,  9)  
July  9   9 30.79   24 30.4   2.851   2.055    31   14.6  21:01 (115,  6)  

* 10P/Tempel 2

南半球では、すでに明け方の低空に現れて来ている。5月12日には13.6等と、ほぼ予報通りの明るさだった(Michael Mattiazzo)。日本でもそろそろ明け方の空に現れてくる。今後は暗くなっていく。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   3 34.74    9 36.8   2.511   1.967    47   14.5   3:04 (263,  7)  
July  9   3 48.08   10  9.6   2.498   2.010    50   14.6   3:09 (266, 12)  

* C/2003 WT42 ( LINEAR )

2003年末から2005年までの1年間に、18等から15等まで増光した。これは、ふつうの彗星と比べて、かなり増光のペースが速い。その後は5月まで、15〜15.5等を保った。しばらく観測できないが、8月には再び明け方の空で高くなってくる。冬には13等に達し、眼視でも見えるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   7 16.21   45 30.4   6.527   5.609    23   14.9  21:04 (146,  3)  
July  9   7 25.49   45 24.7   6.510   5.589    23   14.8  21:01 (148,  2)  

* P/2004 F3 ( NEAT )

2004年春に発見された明るい新周期彗星。2004年の春から夏にかけて、15.0〜15.5等と明るく観測された。計算上は遠日点でも19等と明るいはずだが、2004年まで発見されなかったことを考えると、一時的に明るくなっていたのかもしれない、とも思われた。だが、2005年になっても同じ明るさを保っている。現在は14.8等(5月15日、中村彰正氏)。秋まで14.5等で観測できると思われる。但し、日本からの高度はずっと20度前後で、かなり低いため、眼視で見るのは難しいだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  20 24.45  -33 21.9   2.064   3.020   155   14.9   1:45 (  0, 22)  
July  9  20 19.92  -34 14.5   2.051   3.031   161   14.9   1:13 (  0, 21)  

* C/2004 Q1 ( Tucker )

2月までは大きく、集光も強くて見やすかったが、3月には拡散状になってきた。5月4日でもまだ12.8等と、眼視では明るく見えていた(吉田誠一)。近日点通過後の減光は緩やかで、もうしばらく14等で見られそう。だが、5月中旬以降の眼視観測は報告されていない。今後はゆっくりと夕空に低くなっていくが、8月中旬でもまだ高度は20度以上を保つ。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   9 43.38   59 12.0   3.718   3.129    47   14.9  21:04 (144, 29)  
July  9  10  1.02   57 21.5   3.802   3.185    46   15.0  21:01 (142, 28)  

* 117P/Helin-Roman-Alu 1

2004年初めには19等から17等まで一気に増光したが、その後は落ち着いており、緩やかに増光してきている。2007年初めまで、長期に渡って15〜16等を保つ。あまり高度は高くならないが眼視でも見えている。眼視の明るさは、5月7日に14.3等(Juan Jose Gonzalez)、6月7日に14.2等(John Drummond)で、視直径は0.2〜0.6分角とかなり小さい。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  15 20.99  -20  4.3   2.370   3.152   132   15.2  21:04 (  7, 35)  
July  9  15 20.16  -20 14.7   2.435   3.143   126   15.2  21:01 ( 14, 33)  

* C/2004 K1 ( Catalina )

2月初めには16.5等だったが、4月末には15.2等(4月27日、門田健一氏)と、順調に明るくなってきた。7月中旬まで、14.5〜15等で条件良く観測できる。高度が高いので、透明度が良ければ、大口径なら眼視でも見えるだろう。5月7日には、眼視で15.0等と観測されている(村上茂樹氏)。6月13日には、CCDで14.1等と、さらに1等ほど明るくなっている(江崎裕介氏)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  14 37.68   16 44.9   2.948   3.399   107   15.2  21:04 ( 45, 66)  
July  9  14 26.64   16 12.0   3.072   3.399   100   15.3  21:01 ( 58, 60)  

* 78P/Gehrels 2

1月上旬まではとても集光が強かったが、1月下旬からは拡散状になった。1月は11等台、2月は12等台と減光し、3月8日にもまだ12.6等と明るかった(吉田誠一)。近日点通過前の増光はたいへん急激だったが、予報通り、近日点通過後の減光は緩やかだった。今回帰はもう観測不可能。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   8  0.17   15 49.9   3.702   2.763    19   15.3  21:04 (118,-11)  
July  9   8 12.08   15 15.2   3.761   2.796    15   15.5  21:01 (120,-14)  

* C/2004 L2 ( LINEAR )

2006年1月まで長期に渡って15.5等を保つ。南半球では好条件だが、日本からは見えない。日本からは、2006年8月にようやく観測できるようになるが、その頃には16.5〜17等まで暗くなってしまう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   0  6.05  -61 29.9   3.431   3.964   114   15.5   3:04 (344,-11)  
July  9   0 15.49  -63 10.6   3.388   3.946   116   15.4   3:09 (347,-11)  

* C/2005 K1 ( Skiff )

6月26日に15.7等(Giovanni Sostero)と、発見時の報告より1等ほど明るい。鋭く集光しており、細く長い尾も見えている。2005年の夏と2006年の夏に15.5等に達する。南下していくため、日本からは2005年の方が条件が良い。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  16 46.34   59 17.1   3.696   3.904    94   15.8  22:03 (180, 66)  
July  9  16 39.54   57 23.9   3.679   3.884    94   15.7  21:29 (180, 68)  

* P/2005 K3 ( McNaught )

今後は北上して高く見えるようになる。7月から11月にかけて、15.5等で条件良く観測できる。もしかしたら、眼視でも見えるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   1 22.86    5 12.1   1.437   1.595    79   16.0   3:04 (288, 32)  
July  9   1 39.69    8 11.4   1.380   1.577    80   15.9   3:09 (288, 36)  

* C/2005 B1 ( Christensen )

2004年春に発見された小惑星2004 FS101の再発見。1月中旬には18等だったが、5月中旬には16〜16.5等まで増光してきている。これは、ふつうの彗星と比べて、やや増光のペースが速い。2006年1月頃には、日本からは低いが、14.5等になりそう。2005年春から2006年暮れにかけて、長い間15〜16等で見える。北天を移動するため、日本からはずっと観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  13  9.65   49 42.5   4.015   3.906    76   16.0  21:04 (129, 58)  
July  9  13  9.66   49 27.4   4.049   3.869    72   16.0  21:01 (128, 54)  

* C/2001 Q4 ( NEAT )

しばらく低かったが、再び高く見えるようになってきた。ゆっくりと減光中だが、まだ16等と明るい。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   2  3.53   59 52.4   5.729   5.300    60   16.7   3:04 (218, 42)  
July  9   2  5.87   60 28.7   5.731   5.367    64   16.8   3:09 (217, 46)  

* 101P/Chernykh

9月から12月にかけて15.5等に達する。今回帰はまだ観測されていないが、すでに明け方の空に高くなり、急激に明るくなってきているはず。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2   0  5.99   -2 26.3   2.420   2.779    99   17.2   3:04 (311, 40)  
July  9   0 12.10   -2  4.0   2.307   2.749   104   17.1   3:09 (318, 44)  

* 2004 YZ23

短周期彗星のような軌道を持つ特異小惑星。5月から6月にかけて地球に接近し、14等に達した。現在は、急激に減光中。7月中旬には18等以下になってしまう。4月初めに近日点を通過した際も18.5等と極めて暗かったことから、この天体は小惑星であろう。Michael Mattiazzoの観測では、5月29日に完全に恒星状。6月6日には、14.0等以下で見えなかった(吉田誠一)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
July  2  15 44.34    8 26.0   0.729   1.561   125   17.1  21:04 (  1, 64)  
July  9  15 46.24   11 12.5   0.858   1.619   119   17.6  21:01 ( 15, 66)  

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