彗星の広場 (1996年7月)

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  • 今月の彗星ランキング
  • 今月の彗星の解説
  • その他の彗星について
  • 位置推算表
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    ・ 今月の彗星ランキング

    1996年7月に見える彗星のランキングはこのようになりました。

    世紀の大彗星ヘール-ボップ彗星(C/1995 O1)が本当に明るくなってきました。 既に5等台の報告もあり、早くも肉眼彗星となっています。今年の夏はこの彗 星で決まりです。

    7月4日、夕空に新彗星ブリュウィントン彗星(C/1996 N1)が発見されました。 これからしばらく10等で夕空に見えるようです。また、コプフ周期彗星(22P) が今月近日点を通過し、最も明るく8等台になっています。今月はこの3彗星が 眼視観測の対象です。

    写真などでは、他にガン周期彗星(65P)が12等台と明るめです。

    3月下旬に地球に0.10AUまで接近し、光度0等、尾の長さ100度の大彗星になっ た百武彗星(C/1996 B2)は南天に去りました。5月1日に近日点を通過し、今後 は徐々に暗くなっていきます。近日点通過後は3→6等と、予想よりも暗めになっ ています。

    * 第1位 ヘール-ボップ彗星(C/1995 O1) 6→5.5等

    - 第2位 百武彗星(C/1996 B2) 7→9等

    * 第3位 コプフ周期彗星(22P) 8→8.5等

    * 第4位 ブリュウィントン彗星(C/1996 N1) 10.5→10等

    - 第5位 ヴィルト第4周期彗星(116P) 12→11.5等

    ! 第6位 アイラス周期彗星(P/1983 M1) 13.5→12.5等

    * 第7位 ガン周期彗星(65P) 12.5→13等

    - 第8位 エヴァンス-ドリンクウォーター彗星(C/1996 J1)13.5→13等

    - 第9位 コマスソラ周期彗星(32P) 14等

    - 第10位 シュヴァスマン-ヴァハマン第1周期彗星(29P) 14等

    * 第11位 NEAT彗星(C/1996 E1)15→14.5等

    その他の暗い彗星は以下の通りです。

    * ヴェスト-ハートリー周期彗星(123P) 15.5→16等
    - チュリュモフ-ゲラシメンコ周期彗星(67P) 15.5→16等
    * キロン周期彗星(95P) 15.5等
    ! デニング-藤川周期彗星(72P) 16.5→20等
    + ワータネン周期彗星(46P) 17.5→16.5等
    * スペースウォッチ周期彗星(125P) 16.5→17等
    ! マックホルツ第1周期彗星(96P) 18.5→16.5等
    + シューメーカー-ホルト第1周期彗星(P/1987 U1) 17等
    * ヘリン-ローマン-アルー第1周期彗星(117P) 17等
    - ジェディク周期彗星(P/1996 A1) 17.5等
    * 百武彗星(C/1995 Y1) 17.5→18.5等
    * ポン-ヴィネッケ周期彗星(7P) 17.5→18等
    - シュチェパンスキー彗星(C/1996 B1) 18→20等
    + ホルト-オルムステッド周期彗星(P/1990 R2) 18.5→18等

    *今見えている彗星 -日本からは見えない彗星 +今回帰ではまだ観測されていない周期彗星 !今回帰ではまだ観測されていない周期彗星(日本からは見えない)

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    ・ 今月の彗星の解説

    ・ ヘール-ボップ彗星(C/1995 O1)

    ちょうど1年前の1995年7月に11等で発見された、世紀の大彗星ヘール-ボップ 彗星〔C/1995 O1 (Hale-Bopp)〕がいよいよ明るくなってきました。昨年秋に 西に沈む時には10等ほどだったのですが、いったん太陽と合になった後、2月 に再び明け方の空に姿を現した時には8等台になっていました。その後も順調 に増光し、5月には7等台、6月には6等とかなり明るくなってきています。既に 5等台との報告もあります。5cmのファインダーでも分かる程で、視直径も既に 10′と満月の3分の1大になっており、この夏休みは大いに期待が持てます。

    新彗星の光度式は、一般に log r の係数を 10 と仮定し、発見時の光度から 絶対等級を計算して求めます。ヘール-ボップ彗星の場合、昨年夏に発見され た時に、

    m1 = -2.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
    という光度式が求められ、これによって来年春の近日点通過の頃に-2等という 予報が出されました。これまでの彗星の光度はこの式を良く満たしています。 それどころか、実際の光度上昇のペースはこの式を上回る程です。昨年夏の発 見以来の光度観測から最小二乗法で光度式を求めると、

    m1 = -3.4 + 5 log Δ + 12.0 log r
    さらに発見前の1993年4月に18等だったというデータも含めると、

    m1 = -4.0 + 5 log Δ + 12.9 log r
    にもなります。いずれにしても、1年間順調に増光してきており、いよいよ大 彗星の期待が高まります。この夏休み中は6→5等と増光していくでしょう。

    今年に入ってからのこの彗星は、その形状もなかなか興味深いものがあります。 CCDによるイメージでは、螺旋構造が写し取れたようです。また、眼視観測で も、明らかにコマの偏りが見られます。

    彗星は発見以来ずっといて座にあり、今年は木星に極めて近く、木星を頼りに 彗星を導入できました。そろそろ木星から離れかけてきていますが、今月の彗 星のみつけ方はまだ、「木星の真北」です。彗星が明るいこともあって、詳し い星図がなくてもこれだけでも見つけられると思います。7月はたて座の天の 川を横切り、8月にはへび座(尾)からへびつかい座の中へと入っていきます。

    今月7月は彗星が天の川を横断するため、近くには明るい星雲星団がたくさん あり、見ものとなっています。明るいものだけをリストアップしてみても、

    • 彗星の北側
      • M11 (散開、5.8等、14′)
      • M26 (散開、8.0等、15′)
      • NGC6664 (散開、7.8等、16′)
      • NGC6683 (散開、10.0等、11′)
      • NGC6704 (散開、9.1等、6′)
      • NGC6712 (球状、8.1等、7′)
    • 彗星の南側
      • M16 (わし星雲、6.0等、35′)
      • M17 (オメガ星雲、6.0等、46′)
      • M18 (散開、6.9等、9′)
      • M24 (スタークラウド)
      • M25 (散開、4.5等、32′)
      • NGC6604 (星団&星雲、6.5等、60′)
      • NGC6605 (散開、6.0等)
      • NGC6647 (散開、8.0等)

    のように、たくさんの星雲星団が楽しめます。特に、7月17日には散開星団 NGC6649(8.8等、6′)にほんの数分まで接近します。 さらに南に視野を向ければ、衝を迎えている木星とガリレオ衛星たち、さらに 周辺には

    • M8 (干潟星雲、5.8等、90′)
    • M20 (三裂星雲、6.3等、29′)
    • M21 (散開、5.9等、13′)
    • M22 (球状、5.0等、24′)
    • M23 (散開、5.5等、27′)

    などの大型の星雲星団が控えています。特に木星は、今月中旬から来月にかけ て大球状星団M22(5.0等、24′)と同視野に入るくらいまで接近して見え、めっ たにない見ものとなるでしょう。このように、今年の夏は、世紀の大彗星ヘー ル-ボップ彗星と、惑星の王者木星と、さらに華やかな夏の星雲星団たちを全 部まとめて観望できるという、実に贅沢な夏休みとなっております。是非みな さんも家族や友人たちを誘って、星空散歩を楽しんでみて下さい。

    尚、国立天文台の佐藤勲氏の資料によると、下記のようなヘール-ボップ彗星 による恒星食の予報が出されています。但し、実際に彗星の核による食が観測 できるかどうかは分かりませんが、少しずれたとしても、コマによる減光など が観測できるかもしれません。

    日付時刻彗星光度星名星の光度
    7月30日20:305.8等PPM2015059.5等
    9月 4日21:515.3等PPM2008549.8等

    彗星は9月下旬まで西に進んだ後、へびつかい座の中で10月以降は北上に転じ ます。ただ、その動きはまだあまり速くなく、12月初めにいったん西空に沈む までずっとへびつかい座にいます。光度は予報どおりならば、12月初めに4等 にまでなっているでしょう。

    年末年始の頃は太陽に近く見えませんが、来年に入って、1月中旬には今度は 明け方の空に姿を現します。3月中旬までは明け方の空に見えることになりま すが、この間に彗星は2等から-1等へと急激に明るく成長していきます。3月9 日にはモンゴル・シベリア皆既日食がありますが、この日食中にも頭上高く肉 眼で彗星を見ることができると期待されています。日食中の肉眼彗星は115年 ぶりだそうです。3月20日頃また一旦太陽を追い抜きますが、この合の時には 太陽の北に45°も離れ、光度ももっとも明るく予報では-1等ですので、夕方と 明け方の両方で楽に見られるでしょう。3月下旬から5月末までは夕空に廻り、- 2等から1等へとゆっくりと減光していきます。夕空にまわってからは南下し、 5月下旬に1等級で西空に沈んだ後はしばらく見えなくなります。その後秋になっ て、9月から10月にかけて明け方の南東の空低く、5等級で再び姿を現しますが、 彗星が南下を続けるため11月にはまた見えなくなります。そしてその後は二度 と地平線から昇ってくることはありません。

    ・ 百武彗星(C/1996 B2)

    1月31日の朝に鹿児島の百武裕司氏によって発見された百武彗星〔C/1996 B2 (Hyakutake)〕は1976年のヴェスト彗星以来の大彗星になりました。3月25日に 地球に0.10AUまで接近し、その頃には光度0等、尾の長さは100度にも達し、真 夜中にほぼ天頂付近という絶好の条件で、一晩中その雄姿を堪能することがで きました。また、望遠鏡では星々の間を彗星がどんどん動いていく様子が観測 できました。

    ところが、太陽からの距離が0.7AUになった4月上旬の頃からは、やはり光度上 昇が鈍ってきたようです。計算上は増光してくるはずの彗星が、ほぼ2等で横 ばいか、人によってはだんだん暗くなってきているように思われました。但し、 太陽との距離が0.7AU程度よりも近くなった場合に、光度が m1 = m0 + 5 logΔ + 10 log r よりも鈍い変化をする、というのは良くあることですので、これ が即彗星の活動が衰えたことを表しているかというとそうではありません。た だ、この時期は西空にどんどん低くなっていったということもあり、4月には 思ったよりもはるかに見にくい彗星に苦労した人も多かったようです。写真に 撮れば長いダストの尾が写っていましたが、よほど空の暗いところでないと肉 眼では分かりませんでした。

    現在彗星は無事近日点を通過し、既に5月中旬には南半球で観測されています。 その頃の明るさは約3等と計算よりもやや暗く、やはり近日点付近になって光 度上昇が鈍ったことを示しています。その後は、6月中旬に6等まで順調に減光 しています。結果として、当初期待されていた近日点通過後の大化けもなかっ た代わりに、近日点距離が0.23AUと小さいことによる蒸発して消滅という心配 も現実にはならず、ごく普通に近日点を通過した、と言えるでしょう。今月は 7等から9等へと減光していきます。

    この彗星の光度変化は、大まかに言って次の4つの時期に分けて考えることが できます。

    • 発見直後の暗い時期
    • 2月上旬から3月末までの増光期間
    • 4月から5月の近日点通過前後
    • 太陽から遠ざかって行く減光期間

    これらの時期ごとに光度式を求めると、

    • m1 = 6.5 + 5 logΔ + 10.0 log r ( 1/ 1 〜 2/ 6, 2.0 < r )
    • m1 = 5.2 + 5 logΔ + 8.7 log r ( 2/ 6 〜 4/11, 0.7 < r < 2.0)
    • m1 = 4.6 + 5 logΔ + 5.0 log r ( 4/11 〜 5/21, r < 0.7)
    • m1 = 5.0 + 5 logΔ + 8.5 log r ( 5/21 〜 , 0.7 < r )

    となります。近日点通過後は最後の式によく沿った減光をしてきています。た だ、発見後には暗かったのに、2月に入って急に明るくなってきたことから、 逆にrが2.0を越え、9〜10等に達する8月頃には大減光する可能性もあるのでは ないかと思います。最近の彗星たちも、軒並、ある程度暗くなった後で大減光 しています。

    彗星は7月初めはカノープスと大マゼラン雲の中間あたりに位置し、南半球で は周極星となって、朝夕の二度条件良く観測できます。今後彗星はアルゴ船の 底を南下し、南半球の夕方の空に急速に高く昇ってきます。8月27日には南十 字座のすぐ南で、マックホルツ第1周期彗星と20′まで接近します。この時の 光度は百武彗星が10等、マックホルツ第1周期彗星が14.5等です。

    ・ コプフ周期彗星(22P)

    今年回帰する周期彗星の中で最も期待されていたコプフ周期彗星〔22P/Kopff〕 がいよいよ今月2日に近日点を通過します。しかも現在いて座にあり、ほぼ衝 という最良の条件です。

    この彗星は当初この6〜7月にかけて7等にまでなると言われていましたが、実 際にはそれほど明るくはなっていません。1994年11月に23等で検出されて以来 の光度変化は、

    m1 = 5.3 + 5 log Δ + 21.0 log r
    で良く表されます。当初の予報式

    m1 = 3.0 + 5 log Δ + 26.0 log r
    に比べて、ずいぶんと光度上昇は鈍かったようです。

    彗星はいて座にあり、今月も木星に近く、木星、及びいて座のπ、ο、ξの3 つの3等星の三ッ矢を目印として、簡単に導入できるでしょう。ただ、今後は 太陽からも地球からも遠ざかっていくので、徐々に暗くなっていきます。また、 来月になるとやぎ座との境界付近に移動し、木星から離れますので、あたりに は目印となる星がなくなってしまいます。さらに、だんだん夕方しか観測でき なくなってきますので、いろいろな意味で、今月中に早めに見ておくべきでしょ う。

    彗星は夏休みの終わりには10等にまで減光します。その後は9月いっぱいまで は天王星、海王星のすぐ南に位置しています。また、9月11〜15日には球状星 団M75(8.6等、6′)に約2.5°まで接近します。この頃の彗星は10等です。

    ・ ブリュウィントン彗星(C/1996 N1)

    今月4日にアメリカ・ニューメキシコのブリュウィントン氏によって、夕空の しし座に10等の新彗星、ブリュウィントン彗星〔C/1996 N1 (Brewington)〕が 発見されました。現在のところの軌道要素によると、近日点通過は8月3日で、 近日点距離は0.9AU程度のようです。今度しばらく夕空に位置し、来月いっぱ いまでは10等程度で眼視観測できそうです。

    彗星はこれからどんどんと北上していきます。13日にはデネボラ(2.1等)に約3°ま で接近し、導入する時に頼りにできるでしょう。その後15〜20日にはおとめ座 銀河団の端を通り、下旬から8月初旬にかけてはかみのけ座銀河団の中を通過 します。あたりには10等前後の銀河が多数あり、彗星の確認には注意が必要で しょう。

    これ以降の位置は誤差が大きいかもしれません。現在の軌道では、8月にはか みのけ座→りょうけん座→うしかい座へとどんどん北上し、夕空に高く見える ようになってきます。9月から来年1月まではずっと夕空の天頂付近に位置し、 11等から17等へと減光していく様子が観測できます。その後3月初めには西空 に沈みます。

    ・ ヴィルト第4周期彗星(116P)

    8月31日に近日点を通過するヴィルト第4周期彗星〔116P/Wild 4〕ですが、今 回帰の条件は悪く、近日点通過の時には太陽に近く観測できません。既に6月 には西空低くなり、今月からは観測できなくなっています。

    この彗星は1990年に発見されて、今回が初回帰です。前回帰でも比較的急な光 度変化を見せましたが、今回はそれを上回るペースで増光してきました。今年 に入ってからは早くも1月に13等で観測されていました。その後、5〜6月には 西空低く条件が悪くなって、結局12等台止まりだったようです。1995年2月に 20.5等で検出されてから先月までの光度変化は、

    m1 = 1.4 + 5 log Δ + 27.0 log r
    で表されます。12等台になるまで健闘してくれましたが、眼視観測できるまで には至らなかったようです。

    この彗星はいったん太陽と合となりますが、来年3月下旬に、再び明け方の空、 いて座に14等で姿を現します。その後夏に17等くらいになるまで観測できると 思われます。

    ・ アイラス周期彗星(P/1983 M1)

    秋から冬にかけて11等で見えると予想されているアイラス周期彗星〔P/1983 M1 (IRAS)〕ですが、7月初めになってもまだ検出されていません。現在彗星は 日本からは観測できない位置にいますが、南半球での条件は非常に良く、今月 は13.5等から12.5等にまで明るくなってくるはずですので、さすがに検出され るのではと思われます。

    ただ、条件が良いにもかかわらず検出されていない、ということで、実際の光 度が予報よりもはるかに暗い可能性もあります。最近では、シューメーカー- ホルト第2周期彗星がその例でした。その場合、検出は北半球でも観測できる 秋から冬にかけてになるかもしれません。

    今月はアケルナルの近くで、南半球では真夜中から明け方にかけて、南の空に かなり高く見えています。

    今後彗星は、9月からは急激に北上を開始し、10月に入ると日本からもようや く南の空低くに見えるようになってきます。この頃には10〜11等に達している でしょう。その後は来年3月下旬に15〜16等で西に沈むまで観測できるでしょう。

    ・ ガン周期彗星(65P)

    ガン周期彗星〔65P/Gunn〕が今月24日に近日点を通過します。今回の回帰では 近日点通過の頃に衝に近く条件が良いため、眼視観測される可能性もあったの ですが、実際には光度上昇はそれほど急激ではなく、結局12等止まりのようで す。昨年1月以降の光度観測からの光度式は

    m1 = 7.7 + 5 log Δ + 10.0 log r
    となり、ごく平凡な光度変化をしたことが分かります。

    彗星はさそり座の頭部にいて、相変わらず小惑星セレスと一緒に動いていきま す。辺りには目印となる星が多く、位置的には分かりやすくなっています。そ ろそろずいぶんと夕方の空に廻ってきていて、意外と早く西に傾いてしまいま す。

    彗星は今月はまだ12等台ですが、これから太陽からも地球からも遠ざかり、光 度は急に暗くなっていきます。また、西の空にどんどんと近づいていき、9月 になると西に低く観測は難しくなります。写真に撮ろうと思っている人は、早 めに撮ることをお勧めします。ただ、この彗星は軌道の離心率が小さく円軌道 に近いので、来年6月にまた15等で明け方の空に観測できるようになるでしょ う。

    尚、現在彗星がいる辺りには星雲星団が多いので、明るい星雲星団との接近も 多いです。

    最接近期間彗星天体種類等級視直径離角
    8月16日〜17日13等M4球状星団5.9等26′前面通過
    8月16日12日間13等M4球状星団5.9等26′1°以内
    8月20日12日間13等アンタレス 1.0等 1°以内
    9月17日4日間13.5等M62球状星団6.5等14′
    9月17日4日間13.5等M19球状星団7.1等14′
    9月25日 13.5等NGC6304球状星団8.3等7′40′
    9月26日 13.5等NGC6316球状星団9.0等5′1.5°

    但し、彗星の明るさがかなり暗いため、接近を楽しむのは難しいかもしれませ ん。

    ・ エヴァンス-ドリンクウォーター彗星(C/1996 J1)

    5月10日に16等で発見されたばかりの新彗星エヴァンス-ドリンクウォーター彗 星〔C/1996J1 (Evans-Drinkwater)〕です。発見光度は16等と暗いのですが、 どうやら実際の光度はそれよりも2等程明るく、14等程度のようです。この彗 星の近日点通過は半年以上も先の1997年1月2日頃で、近日点距離は1.2AUです。 今後徐々に増光して、近日点通過の頃には9〜10等に達します。

    ところが、この彗星の観測条件は最悪で、ちょうど近日点通過の頃に太陽と合 になり、まったく観測できません。6月中旬に13.5等までなったことが観測さ れていますが、今月は既に西空低く、観測できなくなってしまっています。次 に観測できるのはなんと来年の6月で、明け方の空さんかく座に姿を現します が、光度が既に13等にまで減光してしまうでしょう。その後は太陽から離れつ つ、だんだん減光していく様子が観測できるでしょう。

    ・ コマスソラ周期彗星(32P)

    先月6月10日に近日点を通過したコマスソラ周期彗星〔32P/Comas Sola〕は既 に西空に沈み、観測できなくなっています。今回帰は条件は悪かったのですが、 光度は予想よりも明るめに観測されました。今年は3月までずっと15等程度で した。昨年8月に20等で捉えられて以来の光度変化は、

    m1 = 5.5 + 5 log Δ + 22.5 log r
    という式で表されます。

    この彗星は今年の11月には再び明け方の空、おとめ座に姿を現します。その時 の光度はまだ16等ですので、CCD等では再び写すことができるでしょう。その 後は来年初めの頃まで追うことができます。

    ・ シュヴァスマン-ヴァハマン第1周期彗星(29P)

    2月に11等にも達する大バーストを起こしたシュヴァスマン-ヴァハマン第1周 期彗星〔29P/Schwassmann-Wachmann 1〕ですが、その後は極めて拡散してしま い、観測が難しい状態が続いていました。3〜4月は視直径4〜5′程度まで大き く拡散していましたが、最近は視直径1′以下にまで小さくなってきているよ うです。また、5月からは報告される光度も減光してきて、6月中旬には14等程 度になったようです。

    彗星はしし座の足元あり、既に今月は西空に低く、観測できなくなっています。 次に見られるのは11月ですが、その時には元の恒星状に戻っているでしょうか。

    ・ NEAT彗星(C/1996 E1)

    今年の3月15日に発見された新彗星NEAT彗星〔C/1996 E1 (NEAT)〕です。 この彗星については14等程度の明るさで見ている人もいるようですが、実際は 16等程度のようです。近日点通過は今月7月27日ですが、地球との位置関係か ら今後徐々に増光して、秋には14等になると思われます。

    今月は薄明終了時の高度が10°強と、一次的に観測条件が悪くなっています。 彗星の明るさは15→14.5等ですが、観測できるでしょうか。この状態はしばら く続きますが、彗星はどんどん北上し、8月には周極星になって、朝夕ともに 北の空低くに見えることになります。8月下旬から9月上旬にかけて北極星に8°弱 まで接近し、その後は夕空に廻って、秋には夕方の天頂付近に条件良く観測で きるようになります。この頃14等に達した後、急激に減光し始め、1月に西空 に沈む頃には18等以下になってしまうでしょう。

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    ・ その他の彗星について

    今月5月12日に近日点を通過したヴェスト-ハートリー周 期彗星〔123P/West-Hartley〕は、予想よりも急激に増光し、今年は14.5〜 15等で観測されました。これまでの観測からの光度式は

    m1 = 1.6 + 5 log Δ + 35.0 log r
    です。今月はしし座で西空低くなり、下旬には観測できなくなります。既に近 日点を通過し、今後は減光していきます。次に明け方の空に見えるのは来年2 月ですが、既に20等以下となっているでしょう。実質今回帰での観測は終了で す。

    1月17日に近日点を通過したチュリュモフ-ゲラシメンコ 周期彗星〔67P/Churyumov-Gerasimenko〕は近日点通過の頃に1.5等程増光 し、その後順調に減光していく様子が観測されました。近日点通過前後の式を 並べると、

    m1 = 10.5 + 5 log Δ + 14.0 log r
    m1 = 9.3 + 5 log Δ + 11.5 log r
    となります。増光後はゆっくりと減光していったことが分かります。既に彗星 は6月に西空に沈み、今回帰での観測は終了しました。12月に明け方に現れる 時には増光後の式でも18等、元の明るさに戻っていればそれ以下でしょう。

    小惑星から彗星になったキロン周期彗星〔95P/Chiron〕 ですが、今月もスピカの西で、夕空にずいぶんと低くなり、観測は難しく なっています。今年2月に初めての近日点通過を迎えましたが、近日点距離が 8.5AUもあるので特に変化はなく、ずっと15等台の恒星状でした。今年の観測 時期はこれで終了ですが、近日点距離の大きさと、小惑星のように鈍い光度変 化をすることにより、CCDを使えば今後数年間は追い続けることができます。 概略の光度変化は、2000年頃に16等、2002年頃に17等、2004年頃に18等でしょ う。

    5月29日に近日点を通過したはずのデニング-藤川周期彗 星〔72P/Denning-Fujikawa〕ですが、今回帰もまた観測されることなく去っ ていくようです。光度変化が極めて急激で、近日点通過の頃にしか観測できる 明るさになりません。今回帰では春に南半球でわずかな可能性がありましたが、 結局見つかりませんでした。既に太陽に近くなって観測できない位置にいます。 今後、9月にはようやく日本から明け方の空に観測できる位置に来ますが、そ の頃には24等以下になっており、とても観測できないでしょう。

    来年3月に近日点を通過し、その頃10等級になると予想されるワータネン周期彗星〔46P/Wirtanen〕ですが、今回帰で はまだ誰も観測していません。現在夜半過ぎの南の空低く、みなみのうお座に 17等で見えているはずです。そろそろCCDの範囲に入って来ます。尚、近くに は初回帰のホルト-オルムステッド周期彗星もいます。こちらは18等ですが、 観測すれば検出になります。

    初回帰のスペースウォッチ彗星〔125P/Spacewatch〕 は3月に17等で検出され、その後もずっと17等で観測されています。今月 14日に近日点を通過し、今後は暗くなっていきます。現在おとめ座で、夕空に 低くなってきました。彗星は太陽に追われるように急速に東進しており、11月 下旬に沈むまで西空低く同じような位置に見えます。その頃にはいて座で19〜 20等になっているでしょう。

    10月に近日点を通過する、近日点距離が0.12AUと極端に小さいことで有名なマックホルツ第1周期彗星〔96P/Machholz 1〕は、今回 帰ではまだ観測されていませんが、そろそろCCDの範囲に入ってきます。現在 彗星は小マゼラン雲の近くで、北半球からは見えません。明るさは18.5→16.5 等と暗いので、観測されるのはもう少し後になるでしょう。来月8月27日には、 かの百武彗星と20′まで接近します。この時百武彗星は10等、マックホルツ第 1周期彗星は14.5等です。今回の回帰では南半球での条件が良く、来月初めに は天の南極に2°まで接近し、7〜8月は周極星となって一晩中観測できる位置 にいます。その後北上しますが、南半球では9月下旬に11等になるまで観測で きるでしょう。近日点通過の頃は計算上は2等にまでなりますが、太陽に近く て観測できません。その後もずっと太陽に近い状態が続き、日本で見られるよ うになる来年3月下旬には既に20等以下となってしまうでしょう。事実上、日 本からは今回帰の観測はできません。

    1997年11月に近日点を通過するシューメーカー-ホル ト第1周期彗星〔P/1987 U1 (Shoemaker-Holt 1)〕はまだ検出されていま せんが、現在明け方の南の空高く、うお座で17等になっているはずです。予報 光度どおりであればそろそろ検出される頃だと思います。CCDが使える人は狙っ てみてはどうでしょう。今シーズンはまだ近日点通過1年前ですので、夏から 秋にかけて16.5等程度になります。来年2月に17等で西に沈みますが、7月にま た16等で明け方に現れ、11月には15等にまでなります。その後も1〜2年程は観 測されるでしょう。

    初回帰のヘリン-ローマン-アルー第1周期彗星 〔117P/Helin-Roman-Alu 1〕は昨年5月の検出以来ずっと17等で観測されて いましたが、今月は西に低くなり、観測はいったん終了です。近日点通過は 1997年3月、近日点距離が3.7AUなので、来年5月にまた17等で観測できるよう になります。

    1月に衝の位置で16等で発見された新周期彗星ジェディ ク周期彗星〔P/1996 A1 (Jedicke)〕は、その後5月まで16等台で観測され ました。既に西空に沈み、次に観測できる位置にくるのは11月です。彗星は既 に近日点を通過していますが、近日点距離が4AUよりも大きいため、11月から 来年4月頃まで、17.5〜18等でなんとか観測できると思われます。

    昨年の12月26日の朝に発見され、2〜3月にかけて8等まで明るくなった百武彗星〔C/1995Y1 (Hyakutake)〕は4月に11等になっ た後に大減光し、5月下旬には16等にまで暗くなりました。その前後の光度式

    m1 = 7.4 + 5 log Δ + 15.0 log r
    m1 = 10.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
    を比べると、約3等程暗くなったことが分かります。今月はアンドロメダ座で、 位置的には明け方の天頂付近と条件は良いのですが、18等以下で観測は不可能 でしょう。

    実に21回目の回帰を迎えたポン-ヴィネッケ周期彗星 〔7P/Pons-Winnecke〕ですが、今回帰はずっと太陽に近いため、全く見る ことができませんでした。今月はくじら座で、ようやく明け方の空に見え始め ます。しかし、明るさは既に17〜18等以下で、かなり厳しいでしょう。尚、今 回帰では、既に1995年1月に21等で観測されています。

    1月27日、アメリカ・テキサス州のシュチェパンスキー氏によって回転花火星 雲M101の近くで発見され、百武彗星と同じく2〜3月にかけて8等まで明るくなっ たシュチェパンスキー彗星〔C/1996 B1 (Szczepanski)〕は、4月には12〜13.5等にまで急落し、西空に沈みました。 ここでは光度式を

    m1 = 4.2 + 5 log Δ + 30.0 log r
    としていますが、実際にはこれよりも急激に減光したようです。既に南下し、 日本からは観測できなくなっていますが、明るさの方も18等以下でしょう。

    来年2月に近日点を通過する、初回帰のホルト-オルム ステッド周期彗星〔P/1990 R2 (Holt-Olmstead)〕が明け方の空に姿を現 し始めます。まだ明け方の南の空低く、みなみのうお座で、光度も18等以下で すが、9月には17.5等になり、その頃番号登録されるのではと思われます。今 回帰の条件は良くなく、近日点通過の頃は太陽に近く観測しづらく、光度も 18.5等程度です。今年の秋の方が光度も約1等程明るく、衝をすぎたばかりで 位置的条件も良く、検出されるなら今年の夏から秋にかけてでしょう。

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    ・ 位置推算表

    ・ ヘール-ボップ彗星(C/1995 O1)

    m1 = -2.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  19  2.10  -12 10.2   3.984   2.994   165    6.4
    1996- 7- 6  18 48.52  -11 10.9   3.877   2.877   168    6.2
    1996- 7-16  18 34.20  -10 11.9   3.768   2.797   160    6.0
    1996- 7-26  18 19.98   -9 14.8   3.659   2.753   148    5.8
    1996- 8- 5  18  6.69   -8 21.5   3.548   2.742   136    5.7
    1996- 8-15  17 55.04   -7 33.4   3.436   2.758   124    5.6
    1996- 8-25  17 45.51   -6 51.2   3.323   2.794   113    5.4
    1996- 9- 4  17 38.37   -6 14.3   3.209   2.844   102    5.3
    

    ・ 百武彗星(C/1996 B2)

    m1 = 5.0 + 5 log Δ + 8.5 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   4 51.85  -53  9.8   1.409   1.190    78    6.6
    1996- 7- 6   6  0.12  -62  0.4   1.592   1.305    85    7.3
    1996- 7-16   7 25.97  -67 33.2   1.766   1.463    88    7.9
    1996- 7-26   8 58.29  -69 54.6   1.933   1.653    89    8.5
    1996- 8- 5  10 20.06  -70  3.1   2.095   1.867    88    9.1
    1996- 8-15  11 24.36  -69  9.1   2.251   2.096    85    9.6
    1996- 8-25  12 13.84  -67 58.4   2.402   2.335    81   10.1
    1996- 9- 4  12 53.11  -66 51.9   2.549   2.577    77   10.5
    

    ・ コプフ周期彗星(22P)

    m1 = 5.3 + 5 log Δ + 21.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  19 20.86  -17 27.8   1.581   0.577   164    8.3
    1996- 7- 6  19 22.50  -18 40.7   1.580   0.566   173    8.2
    1996- 7-16  19 23.40  -20  3.5   1.586   0.570   175    8.3
    1996- 7-26  19 24.97  -21 25.3   1.598   0.593   166    8.4
    1996- 8- 5  19 28.41  -22 36.2   1.616   0.632   157    8.7
    1996- 8-15  19 34.36  -23 29.5   1.640   0.686   148    9.0
    1996- 8-25  19 43.07  -24  1.8   1.669   0.756   141    9.4
    1996- 9- 4  19 54.35  -24 12.7   1.703   0.840   134    9.8
    

    ・ ブリュウィントン彗星(C/1996 N1)

    m1 = 10.5 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  11 10.58   -3 57.9   1.143   0.833    75   10.7
    1996- 7- 6  11 38.80    5 49.6   1.051   0.828    68   10.3
    1996- 7-16  12  8.45   15 22.8   0.980   0.838    62   10.0
    1996- 7-26  12 38.85   24 22.6   0.935   0.859    59    9.9
    1996- 8- 5  13  9.74   32 34.6   0.924   0.886    57    9.9
    1996- 8-15  13 41.79   39 49.8   0.946   0.912    58   10.1
    1996- 8-25  14 16.92   46  5.2   1.000   0.933    61   10.3
    1996- 9- 4  14 58.09   51 19.2   1.078   0.950    66   10.7
    

    ・ ヴィルト第4周期彗星(116P)

    m1 = 1.4 + 5 log Δ + 27.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   9 47.11   15 13.6   2.054   2.569    49   11.9
    1996- 7- 6  10  7.31   13 12.9   2.036   2.626    44   11.8
    1996- 7-16  10 27.83   11  3.7   2.021   2.678    40   11.8
    1996- 7-26  10 48.60    8 47.2   2.009   2.727    36   11.8
    1996- 8- 5  11  9.57    6 24.5   2.000   2.772    33   11.7
    1996- 8-15  11 30.73    3 57.0   1.993   2.815    29   11.7
    1996- 8-25  11 52.08    1 26.3   1.990   2.854    25   11.7
    1996- 9- 4  12 13.62   -1  6.1   1.989   2.890    21   11.8
    

    ・ アイラス周期彗星(P/1983 M1)

    m1 = 6.0 + 5 log Δ + 20.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   0 58.32  -61 13.1   2.177   1.666   105   13.9
    1996- 7- 6   1  7.27  -61 34.1   2.116   1.551   109   13.5
    1996- 7-16   1  9.99  -62  9.4   2.057   1.441   112   13.1
    1996- 7-26   1  4.52  -62 53.3   2.001   1.335   116   12.7
    1996- 8- 5   0 48.68  -63 31.7   1.949   1.236   119   12.3
    1996- 8-15   0 20.83  -63 37.6   1.900   1.147   123   11.9
    1996- 8-25  23 42.60  -62 29.4   1.855   1.072   125   11.5
    1996- 9- 4  23  0.93  -59 25.9   1.815   1.014   127   11.2
    

    ・ ガン周期彗星(65P)

    m1 = 7.7 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  16 11.04  -23 35.1   2.468   1.533   150   12.6
    1996- 7- 6  16  7.35  -24  8.1   2.465   1.597   140   12.6
    1996- 7-16  16  6.48  -24 42.4   2.462   1.678   130   12.7
    1996- 7-26  16  8.56  -25 18.5   2.462   1.774   121   12.9
    1996- 8- 5  16 13.48  -25 56.2   2.463   1.881   113   13.0
    1996- 8-15  16 21.01  -26 34.8   2.466   1.995   105   13.1
    1996- 8-25  16 30.90  -27 13.2   2.470   2.116    98   13.3
    1996- 9- 4  16 42.86  -27 50.0   2.475   2.240    91   13.4
    

    ・ エヴァンス-ドリンクウォーター彗星(C/1996 J1)

    m1 = 6.5 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  11  8.39  -19  4.0   2.903   2.865    81   13.4
    1996- 7- 6  11 17.36  -18 45.7   2.797   2.884    74   13.3
    1996- 7-16  11 28.10  -18 41.5   2.690   2.898    68   13.1
    1996- 7-26  11 40.53  -18 51.2   2.583   2.903    61   12.9
    1996- 8- 5  11 54.60  -19 13.6   2.477   2.900    55   12.8
    1996- 8-15  12 10.31  -19 47.6   2.370   2.887    50   12.5
    1996- 8-25  12 27.70  -20 31.8   2.264   2.864    44   12.3
    1996- 9- 4  12 46.84  -21 24.5   2.159   2.832    39   12.1
    

    ・ コマスソラ周期彗星(32P)

    m1 = 5.5 + 5 log Δ + 22.5 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   7 16.87   29  5.1   1.852   2.823    13   13.8
    1996- 7- 6   7 46.50   28 26.7   1.862   2.847    11   13.8
    1996- 7-16   8 15.58   27 28.2   1.877   2.871     9   13.9
    1996- 7-26   8 43.89   26 11.7   1.896   2.895     8   14.1
    1996- 8- 5   9 11.25   24 39.9   1.920   2.919     8   14.2
    1996- 8-15   9 37.56   22 55.7   1.948   2.942     8   14.4
    1996- 8-25  10  2.79   21  2.0   1.979   2.963    10   14.5
    1996- 9- 4  10 26.91   19  1.7   2.014   2.981    13   14.7
    

    ・ シュヴァスマン-ヴァハマン第1周期彗星(29P)

    m1 = 4.0 + 5 log Δ + 7.5 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  10 13.28    6 36.5   6.264   6.740    58   14.1
    1996- 7- 6  10 18.49    6  6.4   6.265   6.868    50   14.2
    1996- 7-16  10 24.17    5 32.6   6.266   6.982    42   14.2
    1996- 7-26  10 30.23    4 55.6   6.267   7.080    34   14.2
    1996- 8- 5  10 36.58    4 15.8   6.268   7.159    26   14.3
    1996- 8-15  10 43.16    3 33.4   6.269   7.218    18   14.3
    1996- 8-25  10 49.87    2 48.9   6.269   7.257    11   14.3
    1996- 9- 4  10 56.65    2  2.7   6.270   7.274     5   14.3
    

    ・ NEAT彗星(C/1996 E1)

    m1 = 12.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   7 34.91   50 54.3   1.430   2.201    31   15.3
    1996- 7- 6   7 40.96   53 32.9   1.389   2.147    31   15.1
    1996- 7-16   7 48.94   56 35.1   1.363   2.061    35   14.9
    1996- 7-26   7 59.56   60 10.8   1.353   1.945    40   14.8
    1996- 8- 5   8 14.62   64 32.9   1.359   1.804    48   14.6
    1996- 8-15   8 39.21   69 58.0   1.381   1.646    56   14.5
    1996- 8-25   9 32.12   76 36.6   1.417   1.483    66   14.4
    1996- 9- 4  12 40.64   82 36.6   1.467   1.331    76   14.3
    

    ・ ヴェスト-ハートリー周期彗星(123P)

    m1 = 1.6 + 5 log Δ + 35.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  10  5.94   23 16.3   2.161   2.644    51   15.4
    1996- 7- 6  10 26.01   20 42.2   2.175   2.733    47   15.6
    1996- 7-16  10 45.77   18  4.5   2.191   2.821    43   15.8
    1996- 7-26  11  5.21   15 24.7   2.210   2.907    38   16.0
    1996- 8- 5  11 24.33   12 44.0   2.232   2.989    34   16.2
    1996- 8-15  11 43.16   10  3.5   2.256   3.069    30   16.4
    1996- 8-25  12  1.74    7 24.5   2.281   3.144    26   16.6
    1996- 9- 4  12 20.07    4 47.9   2.309   3.215    21   16.9
    

    ・ チュリュモフ-ゲラシメンコ周期彗星(67P)

    m1 = 9.3 + 5 log Δ + 11.5 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   9 22.47   20 58.5   2.173   2.819    42   15.4
    1996- 7- 6   9 43.07   19 10.4   2.247   2.964    37   15.7
    1996- 7-16  10  2.57   17 20.7   2.321   3.104    33   16.0
    1996- 7-26  10 21.10   15 30.5   2.395   3.238    28   16.2
    1996- 8- 5  10 38.75   13 40.7   2.468   3.363    23   16.4
    1996- 8-15  10 55.65   11 52.2   2.540   3.478    18   16.7
    1996- 8-25  11 11.85   10  5.5   2.611   3.583    13   16.9
    1996- 9- 4  11 27.43    8 21.5   2.682   3.674     8   17.1
    

    ・ キロン周期彗星(95P)

    m1 = 4.0 + 5 log Δ + 7.5 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  12 28.07   -4 54.5   8.468   8.342    93   15.6
    1996- 7- 6  12 30.00   -5  1.2   8.470   8.505    84   15.6
    1996- 7-16  12 32.54   -5 12.0   8.472   8.665    75   15.6
    1996- 7-26  12 35.66   -5 26.7   8.475   8.820    66   15.7
    1996- 8- 5  12 39.30   -5 45.0   8.477   8.965    58   15.7
    1996- 8-15  12 43.39   -6  6.3   8.480   9.097    49   15.8
    1996- 8-25  12 47.88   -6 30.2   8.483   9.215    41   15.8
    1996- 9- 4  12 52.70   -6 56.4   8.486   9.314    33   15.8
    

    ・ デニング-藤川周期彗星(72P)

    m1 = 15.5 + 5 log Δ + 25.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   5  8.62   24 45.7   0.919   1.847    16   15.9
    1996- 7- 6   5 53.74   26 15.2   1.012   1.951    15   17.1
    1996- 7-16   6 35.00   26 49.9   1.118   2.056    16   18.3
    1996- 7-26   7 12.20   26 43.5   1.231   2.159    17   19.4
    1996- 8- 5   7 45.47   26  8.6   1.347   2.256    19   20.5
    1996- 8-15   8 15.16   25 15.2   1.464   2.345    22   21.5
    1996- 8-25   8 41.64   24 10.8   1.581   2.423    26   22.4
    1996- 9- 4   9  5.30   23  1.1   1.697   2.490    30   23.2
    

    ・ ワータネン周期彗星(46P)

    m1 = 9.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  22 15.93  -23 27.8   2.909   2.188   126   17.7
    1996- 7- 6  22 15.35  -24 34.4   2.840   2.021   135   17.3
    1996- 7-16  22 12.09  -25 57.0   2.770   1.872   145   17.0
    1996- 7-26  22  5.94  -27 32.3   2.699   1.744   155   16.7
    1996- 8- 5  21 56.94  -29 13.7   2.626   1.641   162   16.4
    1996- 8-15  21 45.52  -30 51.8   2.551   1.565   163   16.1
    1996- 8-25  21 32.64  -32 15.7   2.476   1.517   156   15.8
    1996- 9- 4  21 19.72  -33 16.5   2.398   1.494   146   15.6
    

    ・ スペースウォッチ周期彗星(125P)

    m1 = 13.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  12 47.13    9 23.2   1.551   1.131    92   16.6
    1996- 7- 6  13  8.33    6 45.3   1.542   1.180    88   16.7
    1996- 7-16  13 31.09    3 54.8   1.540   1.232    85   16.8
    1996- 7-26  13 55.17    0 56.7   1.544   1.289    83   16.9
    1996- 8- 5  14 20.34   -2  3.4   1.554   1.351    80   17.0
    1996- 8-15  14 46.42   -5  0.3   1.571   1.420    78   17.2
    1996- 8-25  15 13.27   -7 48.8   1.593   1.497    76   17.4
    1996- 9- 4  15 40.70  -10 24.3   1.620   1.581    73   17.6
    

    ・ マックホルツ第1周期彗星(96P)

    m1 = 13.0 + 5 log Δ + 12.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  23 21.22  -61  5.2   2.424   1.781   117   18.9
    1996- 7- 6  23 34.66  -66 20.5   2.269   1.590   119   18.3
    1996- 7-16  23 49.91  -72 39.9   2.109   1.425   118   17.7
    1996- 7-26   0 12.02  -80  0.8   1.944   1.288   114   17.0
    1996- 8- 5   2 15.98  -87 58.3   1.772   1.181   107   16.3
    1996- 8-15  11 28.33  -82 43.2   1.591   1.102    97   15.6
    1996- 8-25  11 57.66  -73 41.2   1.400   1.044    85   14.8
    1996- 9- 4  12 11.16  -64 33.9   1.198   1.000    73   13.9
    

    ・ シューメーカー-ホルト第1周期彗星(P/1987 U1)

    m1 = 8.5 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  23 16.05    0 13.9   4.009   3.626   104   17.3
    1996- 7- 6  23 17.93    0  5.2   3.981   3.460   113   17.2
    1996- 7-16  23 18.37    0 15.0   3.954   3.305   123   17.1
    1996- 7-26  23 17.31    0 14.5   3.926   3.164   132   16.9
    1996- 8- 5  23 14.79    0  3.3   3.899   3.040   143   16.8
    1996- 8-15  23 10.91    0 18.4   3.871   2.938   153   16.7
    1996- 8-25  23  5.94    0 49.5   3.844   2.862   164   16.6
    1996- 9- 4  23  0.26   -1 27.9   3.817   2.813   174   16.6
    

    ・ ヘリン-ローマン-アルー第1周期彗星(117P)

    m1 = 6.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  15 52.63  -19  8.0   3.849   2.969   145   17.1
    1996- 7- 6  15 49.14  -19 17.3   3.840   3.052   135   17.2
    1996- 7-16  15 47.32  -19 30.9   3.831   3.154   125   17.2
    1996- 7-26  15 47.29  -19 48.9   3.822   3.271   115   17.3
    1996- 8- 5  15 49.03  -20 11.1   3.814   3.398   106   17.4
    1996- 8-15  15 52.48  -20 37.2   3.806   3.532    97   17.4
    1996- 8-25  15 57.53  -21  6.5   3.798   3.670    89   17.5
    1996- 9- 4  16  4.04  -21 38.0   3.791   3.808    81   17.6
    

    ・ ジェディク周期彗星(P/1996 A1)

    m1 = 3.0 + 5 log Δ + 17.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   9 44.83    7 21.9   4.341   4.901    51   17.3
    1996- 7- 6   9 54.19    6 39.7   4.357   5.025    44   17.4
    1996- 7-16  10  3.89    5 53.0   4.373   5.136    37   17.4
    1996- 7-26  10 13.85    5  2.3   4.390   5.233    30   17.5
    1996- 8- 5  10 23.99    4  8.0   4.407   5.315    23   17.6
    1996- 8-15  10 34.23    3 10.6   4.425   5.382    17   17.6
    1996- 8-25  10 44.51    2 10.6   4.444   5.431    11   17.7
    1996- 9- 4  10 54.76    1  8.7   4.462   5.464     6   17.7
    

    ・ 百武彗星(C/1995 Y1)

    m1 = 10.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   0 14.83   38 29.6   2.157   2.149    76   17.2
    1996- 7- 6   0 17.89   38 42.0   2.275   2.143    84   17.5
    1996- 7-16   0 17.75   38 37.2   2.393   2.130    92   17.8
    1996- 7-26   0 14.43   38 10.8   2.510   2.113   100   18.1
    1996- 8- 5   0  8.20   37 18.2   2.627   2.098   110   18.4
    1996- 8-15  23 59.54   35 55.4   2.742   2.091   120   18.7
    1996- 8-25  23 49.23   34  0.0   2.857   2.099   130   18.9
    1996- 9- 4  23 38.26   31 33.9   2.971   2.128   139   19.2
    

    ・ ポン-ヴィネッケ周期彗星(7P)

    m1 = 10.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26   2 21.96   -7 19.9   2.280   2.499    65   17.4
    1996- 7- 6   2 34.68   -7 12.2   2.355   2.465    71   17.5
    1996- 7-16   2 45.68   -7 19.1   2.430   2.424    78   17.7
    1996- 7-26   2 54.78   -7 40.5   2.503   2.377    85   17.9
    1996- 8- 5   3  1.80   -8 15.8   2.576   2.327    92   18.0
    1996- 8-15   3  6.55   -9  4.1   2.647   2.275   100   18.1
    1996- 8-25   3  8.79  -10  3.6   2.718   2.226   108   18.3
    1996- 9- 4   3  8.39  -11 11.2   2.788   2.183   116   18.4
    

    ・ シュチェパンスキー彗星(C/1996 B1)

    m1 = 4.2 + 5 log Δ + 30.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  10 22.62  -28  3.9   2.404   2.405    77   17.5
    1996- 7- 6  10 35.85  -29 52.4   2.503   2.594    73   18.2
    1996- 7-16  10 49.63  -31 41.4   2.602   2.780    69   18.9
    1996- 7-26  11  3.89  -33 31.7   2.703   2.962    65   19.5
    1996- 8- 5  11 18.53  -35 23.4   2.803   3.140    61   20.1
    1996- 8-15  11 33.54  -37 16.5   2.904   3.313    57   20.7
    1996- 8-25  11 48.87  -39 11.1   3.005   3.479    54   21.2
    1996- 9- 4  12  4.50  -41  6.8   3.105   3.640    50   21.8
    

    ・ ホルト-オルムステッド周期彗星(P/1990 R2)

    m1 = 11.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  22 29.88  -28 49.2   2.638   1.927   124   18.7
    1996- 7- 6  22 31.64  -29 18.8   2.603   1.803   132   18.5
    1996- 7-16  22 30.59  -29 55.7   2.569   1.695   141   18.3
    1996- 7-26  22 26.63  -30 35.2   2.535   1.605   149   18.1
    1996- 8- 5  22 19.94  -31 10.4   2.502   1.536   157   17.9
    1996- 8-15  22 11.10  -31 33.1   2.470   1.490   161   17.8
    1996- 8-25  22  1.16  -31 35.5   2.439   1.469   158   17.6
    1996- 9- 4  21 51.46  -31 12.9   2.409   1.472   151   17.6
    

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