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光度式を求めるでは、実際に光度式を求めてみながら、このComet for Windowsの最大の 特徴である光度式の複数登録について見てみよう。 ここでは、既に軌道要素及び各天体の光度データは用意されているものとする。 例として、1995年12月に回帰した 45P/Honda-Mrkos-Pajdusakova 彗星を取 り上げる。 「天体の選択」ダイアログで同彗星を選択し、「光度式」モードにすると、 図 1 のような画面になる。
既にこれらのデータから光度式
が計算され、グラフの下に表示されている。 また、グラフ中にもこの光度式の曲線が描かれている。 さて、この彗星の場合は、明らかに近日点通過の前後で異なった光度変化をして いる。 そこで、これらの光度データを近日点通過前と通過後の2つのグループに分けて、 それぞれの時期ごとに光度式を計算してみることにしよう。 まずはメニューの「光度データ」を選択し、「近日点通過前」と「近日点通過後」 の2つのグループを作成し、それぞれのメンバーを選択する。 それから、「表示形式」の中で、まずは現在のグループを「近日点通過前」とす る。 すると、近日点通過前でないデータが薄い緑色で表示される。 さらに、現在選択されているグループに所属するデータのみから計算された光度 式が表示され、その曲線が描かれている。 これは当然近日点通過前のデータを良く満たしている。 そこで、この近日点通過前の時期の光度式を「光度式」を選んで登録する。
この場合、式を近日点通過前のデータから求めたが、太陽と合になる1月初旬ま でうまく表せているので、光度式の定義域を と した。 この定義域は (日)で指定する。 近日点通過後のグループに対しても全く同様に行い、光度式を登録する。
さて、結果をグラフに表してみよう(図 2)。
登録した2つの光度式で、今回の彗星の光度変化をきちんと表せていることが分
かる。
試しに近日点通過をはさんで位置推算を行ってみると、次のようになる。
日心距離rと光度 を見比べると、近日点通過前後でそれぞれの光度式に 基づいて計算が行われていることが分かる。 このように、時期によって異なった光度変化をするような彗星、または 1995年 の 73P/Schwassmann-Wachmann 3 彗星のようなバーストを起こした彗星などに 対しての機能が充実している。 これがこの Comet for Windowsの最大の特徴である。
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