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自動同定

画像に写っている既知天体の測光データをすべて自動的に得る場合は、検出星像 と既知天体との同定が必要になる。 広角画像の場合は、およそ3000個の恒星中、約500個がこれらの既知天体と同定 される。 そのため、既知天体との自動同定は高い確度で行われる必要がある。

一般に画像から測定した検出位置は星表の位置よりも精度が悪いため、星表のデー タとペアになったものについては、星表の位置を基に同定を行っている。 また、画像にのみ存在する新天体候補は、実際には明るさが大きく変化する既知 の変光星であることが多いので、精度が悪いことを考慮して、ペアになったもの よりも広い範囲で探索しても同定を間違えることは少ないと考えられる。 しかし、自動同定の結果を見ると、数パーセントの割合で同定ミスが含まれてい る。

自動同定の難しさの一番の原因は、既知天体の光度がまったくあてにならないこ とである。 そもそも比較している星表はV等級、一方のCCD画像はR〜IR等級という別の波長 域になっているため、数等級のずれは頻繁に発生するが、既知天体のカタログ中 の光度のずれはたいていそれ以上に大きい。 特に星雲星団やIRAS天体は位置・光度が不正確である。 但し、これらはそれぞれ形状などの特徴で判断できる部分も多い いずれにせよ、現在は位置のみで同定の判断を行っているために、ある確率でミ スが生じることはやむを得ない。

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