MISAO Project

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研究の概要

本研究は、天体画像検査の完全自動化を目標とする。 具体的には、画像から自動的に星像を検出し、カタログデータとのマッチングを 行って、画像に写っているすべての恒星の位置と光度を測定しつつ、同時に未知 の新天体が写っていないかどうかの検査も行う汎用のソフトウェア、PIXY ( tex2html_wrap_inline52 PIXII)システム

Practical Image eXamination and Inner-objects Identification system
天体画像の検査及び写野内の天体の照合を行う実用システム
の実装を行っている。 ここで天体画像の検査とは、新天体の発見だけではなく、既知天体の測光等も含 む。 本システムではユーザの設定項目は必要最小限とし、システムが自動的に適切な パラメータを設定して画像を検査できるようにする。 更に、どのような画像でも確実に、かつ高精度で測定できることを目指す。

従来は、画像検査の完全自動化は無理という考えが一般的であった。 そのため、天体画像検査に関するソフトウェアは、主に効率の良いユーザインター フェースを重視したものが多かった。 近年は膨大な画像を容易に得られるようになって、画像検査の自動化が盛んに勧 められているが、実用になっているものの多くは、一天文台での移動天体の検出 などの、特定の機材、画像、対象に特化したものである。 一方、天体画像からの高精度のデータ取得という点では、従来の研究は主に高精 度で測定するための条件についてのもので、機材、画像に対する必要条件を定め るという趣旨であった。 本研究は、既に得られた画像の持つデータを100%引き出すという、従来とは逆 の視点で進められている。

本研究に関するこれまでの活動は以下の通りである。

  • 画像を検査するソフトウェアの作成・公開
    本稿で詳細を述べる天体画像自動検査システムPIXY、自動同定システム等 のソフトウェアの実装を進めている。
  • WWWで公開されている画像を測定
    主に変光星ネットワークVSNETなどで紹介される画像を自主的に検査・測定し、 結果を公開している。
  • 上尾サーベイ
    CCDカメラを購入し、3日に1度の割合で2〜3時間程度のサーベイを行い、数 十枚の画像を撮影している。 目的は本システムの試験・改良のためのサンプル画像の取得と、実際に天文学的 データを測定・公開して、本システムの有効性を示すことである。

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