MISAO Project

English version       Home Page       Updated on July 30, 2001

2001年7月29日

    MisV変光星の特記事項・資料    

MISAOプロジェクト・アナウンスメイル (2001年7月29日)

MISAOプロジェクトの吉田誠一です。

MISAOプロジェクトの新変光星の個数は、7月17日の時点で1131個に達していま す。これまで、京都大学の加藤太一氏、英国のJohn Greaves氏をはじめとする 方々から、MisV新変光星に関する文献の調査結果や考察、観測データなどをお 寄せ頂いています。それらの結果は、MISAOプロジェクトのホームページで要 約を公開しています。

7月16日のアナウンスメイルでご報告しました通り、John Greaves氏と吉田誠 一による最近のカタログの調査によって、MisV新変光星の中には新星や激変星 は存在しないことが分かりました。しかし、その調査の過程では、1つ、興味 深い天体が見つかりました。MisV0380です。

MisV0380 は、いずれのカタログにもデータが記載されていないため、John Greaves氏は過去のプレートを調査しました。しかし、3秒角以内には、該当す るような星像が見当たりませんでした。1000個以上のMisV新変光星の中で、こ のような星は MisV0380 以外にはありません。

そこで、Greaves氏は変光星観測者に、MisV0380 の観測を依頼しました。それ に応じて、Mike Simonsen氏、Rod Stubbings氏、C. P. Jones氏が眼視で観測 され、14.2等以下で見えないと報告されました。同時に Fred Velthuis氏が CCD観測をされ、12.39等と明るく写っていることを確認しました。更に、加藤 太一氏が赤外線カタログ MSX5C にデータが記載されていることをつきとめま した。この結果、MisV0380 は赤外線でより明るく光っている天体と分かりま す。おそらくミラ型変光星と思われます。

MisV変光星の中には、このような「物語」を持っているものがいくつかありま す。また、X線天体かもしれない、といった、興味深い可能性が指摘されてい るものもあります。そういった特記事項は、ホームページでまとめています。

MisV変光星・特記事項
http://www.aerith.net/misao/data/special-note-j.html

指摘されている可能性のいくつかは、まだ結論が出ていません。それらの星を 観測されたり、調査された場合は、お知らせ頂ければ幸いです。

また、MisV新変光星の観測支援ツールや、観測星図などをお送り頂いた方もお られます。

Project Pluto の「GUIDE」は、世界で最も良く使われているプラネタリウム ソフトの1つです。MISAOプロジェクトでも、Bill J. Gray氏よりお贈り頂い た GUIDE 7.0 のCD-ROMを持っています。John Greaves氏は、GUIDE でMisV変 光星を表示するためのファイルを作成して下さいました。

また、MisV0380の観測をご報告頂いた Mike Simonsen氏は、MisV0380の観測星 図を作成、公開されています。

このような、MISAOプロジェクトにお寄せ頂いた、MisV新変光星に関する資料 も、ホームページで公開しています。

MisV変光星・資料
http://www.aerith.net/misao/variable/resource-j.html

P.S.
過去のMISAOプロジェクト・アナウンスメイルは

http://www.aerith.net/misao/index-j.html
で閲覧できます。

--
吉田 誠一 / Seiichi Yoshida
comet@aerith.net
http://www.aerith.net/index-j.html

Copyright(C) MISAO Project (comet@aerith.net). All rights reserved.