今週の明るい彗星 (2005年6月18日:南半球版)

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Updated on June 19, 2005
先週 北半球版 来週

最適時刻と方位・高度は、南緯35度の地点での値です。

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* C/2005 K2 ( LINEAR )

発見光度は18.7等とかなり暗く報告されていたが、Michael Jagerの観測で、5月24日に13〜14等と、予想外に明るいことが判明した。6月上旬に急激に明るくなり、6月10日には8.9等に達した(Juan Jose Gonzalez)。6月12日には、Giovanni Sosteroら多数によって、核が分裂しているのが捉えられた。現在は9等を保っている。だが、日本からはまもなく見えなくなる。南半球では、これから7月上旬にかけて夕空低くに見える。7月中旬にはいったん見えなくなるが、7月末に再び明け方の空に12等で現れ、その後は高くなる。しかし、急激に暗くなっていくだろう。日本からも9月には再び見えるようになるが、14〜16等になっているだろう。7月5日の近日点通過では、太陽に0.54AUまで近づく。絶対光度が13〜14等と暗い彗星のため、近日点を通過する際に衰退し、通過した後は予報よりはるかに暗くなってしまう可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   8 48.31   33 44.3   0.664   0.674    40    8.5  18:25 (139,  7)  
June 25   8 43.74   16  3.5   0.764   0.595    35    8.0  18:27 (121, 14)  

* 21P/Giacobini-Zinner

3月14日には15.2等と暗かった(大島雄二氏)が、4月中に増光し、5月2日には12.3等で眼視でも見え始めた(Juan Jose Gonzalez)。彗星はその後も増光を続け、現在は9.6等に達している(6月16日、Juan Jose Gonzalez)。これから7月まで10等を保つ。しかし、ずっと明け方の空低くにしか見えない。高度は、9月に12等以下になるまで、ずっと20度以下。10月に13等以下になってから、ようやく30度を超えるようになる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   2 16.17   23 48.3   1.427   1.059    47   10.1   5:36 (222, 18)  
June 25   2 49.30   23  1.0   1.425   1.044    47   10.1   5:37 (223, 18)  

* 9P/Tempel 1

2月になっても13.9等以下で眼視では見えなかった(2月5日、吉田誠一)が、その後は予報通りに急激に増光し、4月末には10.6等に達した(4月30日、村上茂樹氏)。その後は10等と明るく見え続けており、現在も10.1等(6月6日、吉田誠一)。但し、当初の予報よりは0.5等ほど暗い。ほどよく集光していて見やすい。予報では、7月末まで10等を保つ。だが、7月4日のディープ・インパクト・ミッションによって、肉眼彗星になる可能性がある。実際には、人類史上初めての計画であり、どのような変化をするかまったく不明であるので、ぜひ観測すべき。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  13 12.56   -3  9.0   0.818   1.516   111   10.1  19:26 (180, 58)  
June 25  13 22.40   -5 54.3   0.849   1.510   107   10.1  19:08 (180, 61)  

* C/2004 Q2 ( Machholz )

1月上旬の最盛期には、3.5等、視直径30分角という巨大な姿が、頭上高く、たいへん明るく見えた。その後は次第に暗くなってきており、現在は9.8等(6月6日、吉田誠一)。視直径は約6分角と、だいぶ暗く小さくなったが、望遠鏡ではまだ良く見えている。日本からは、10月に14等になるまで、眼視で見える時期はずっと好条件で観測できる。5月下旬には、Dennis Persykによって、27分角にも及ぶ長いアンチ・テールが捉えられた。6月下旬に地球が彗星軌道面を通過するので、しばらく長いアンチ・テールが見られるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  13  1.78   37 54.2   2.183   2.399    89   10.5  19:15 (180, 17)  
June 25  13  9.12   35  1.6   2.313   2.477    86   10.8  18:55 (180, 20)  

* C/2003 T4 ( LINEAR )

発見以来、4月初めに近日点を通過するまで、ずっと、ふつうの彗星より鈍い増光が続いてしまった。3月中旬から5月初めまで8等を保ったが、5月中旬には8.4等と、予報通り、少し暗くなり始めたようだ(5月12日、Michael Mattiazzo)。今後、日本からは、9月下旬に明け方の超低空に14等で現れるまで観測できない。南半球でも、7月上旬まではずっと高度が20度以下と低くなってしまう。その間に、彗星は12等まで、急激に暗くなってしまうだろう。しかし、5月中旬以降の観測がなく、減光の様子が良く分からない。軌道計算では、異常に大きな非重力効果が現れているが、その意味はまだ明らかにされていない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   5 36.54  -35 38.3   1.817   1.561    59   10.7   5:36 (302, 17)  
June 25   5 55.48  -34 47.6   1.941   1.653    58   11.0   5:37 (300, 18)  

* C/2005 A1 ( LINEAR )

日本から見えていた1月は11等台で小さい姿だったが、南天に去った後の3月から4月にかけて、8.0等と双眼鏡でも見える明るさになった(3月4日及び4月7日、Alexandre Amorim)。予報では、4月中旬から減光していくはずだったが、5月12日にもまだ8.9等(Michael Mattiazzo)と、予報よりも1等ほど明るい状態を保っていた。その後は、南半球でも高度が低かったが、5月31日に10〜10.5等、6月15日に約11等と、次第に暗くなってきている(Terry Lovejoy)。近日点通過前には急激に増光したが、通過後はごくふつうのペースで減光している。日本からも、久しぶりに明け方の空に現れて来た。今後は冬に18等以下になるまで、ずっと条件良く観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   2  0.60    2 45.0   1.744   1.486    58   11.0   5:36 (233, 37)  
June 25   1 59.22    5 40.6   1.729   1.573    63   11.3   5:37 (223, 39)  

* 161P/2004 V2 ( Hartley-IRAS )

明け方の低空に姿を現してきた5月12日には、14等で観測された(Michael Mattiazzo)。その後も順調に増光して、現在は11.3等(6月16日、Juan Jose Gonzalez)。ただ、前回の出現よりは、1等ほど暗い。日本では、今後はずっと観測可能で、7月から8月にかけて9等に達すると期待されている。但し、発見時は近日点を過ぎてから予想外の増光をし、近日点通過の45日後に最大光度となっている。それがバーストによるものであれば、今回は11.5等止まりの可能性もある。南半球では暗くなるまで見えない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   1 52.15   47 20.9   1.621   1.276    51   11.5   5:36 (205,  1)  
June 25   2  8.19   55 27.0   1.550   1.276    55   11.4   5:37 (199, -5)  

* 37P/Forbes

1月には19等だったが、予報通りに急激に増光して、5月20日には13.4等に達している(津村光則氏)。6月7日には、遂に眼視でも12.5等で見え始めた(John Drummond)。9月まで長期に渡って12〜13等で見えると期待されている。なお、前回の回帰では、眼視ではこの予報より1.5等ほど明るかった。今回も、眼視では11.0等前後に達する可能性もある。南半球では好条件だが、日本からはずっと南に低い。今後は少しずつ高くなるが、30度を超えるのは9月になってから。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  15 45.30  -38 58.0   0.674   1.635   150   12.4  21:58 (  0, 86)  
June 25  15 46.56  -37 51.6   0.675   1.618   145   12.3  21:32 (  0, 87)  

* P/2005 JQ5 ( Catalina )

周期が4.4年とかなり短い新周期彗星。現在、地球に0.1AUまで大接近している。5月上旬には17.5等とたいへん暗かったが、急激に明るくなり、6月6日には13.5等に達している(Michael Jager)。5〜6分角の非常に淡く大きいコマがある。しかし、眼視では13.7等以下で見えなかった(6月6日、吉田誠一)。大きく拡散しているため、透明度の良い空でないと、見ることは難しいだろう。まもなく太陽に近づいて見えなくなる。7月末に再び明け方の空に15等で現れ、その後は次第に暗くなっていく様子を観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  12 15.97   12 18.6   0.126   1.028    91   13.1  18:25 (180, 42)  
June 25  10 36.37   16 29.7   0.105   0.970    61   12.5  18:27 (143, 30)  

* C/2003 K4 ( LINEAR )

1月初めには7.5等と、双眼鏡で楽に見える明るさだったが、その後は夕空で急激に拡散、減光した。眼視では3月15日に10.7等(Alexandre Amorim)、CCDでは4月4日に11.5等(津村光則氏)まで暗くなり、西空に沈んだ。南半球では、6月中旬から明け方の空に現れて来ているが、まだ観測されていない。日本では、8月には明け方の空に現れるが、その頃もまだ13等台を保ち、眼視で見える可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   4 20.77   -3 55.4   4.381   3.588    34   13.2   5:36 (265, 15)  
June 25   4 23.68   -3 52.0   4.405   3.664    38   13.3   5:37 (260, 20)  

* C/2004 B1 ( LINEAR )

2006年春に9等に達する。南半球では、それまでずっと観測可能。日本では、8月末から9月上旬にかけて、明け方の超低空で12等で見える以外は、2006年3月までずっと見えない。2006年3月以降は、暗くなっていく様子をずっと観測できるようになる。3月5日には15.1等(津村光則氏)と、順調に明るくなってきていた。だが、3月中旬以降の観測がなく、現在の様子は不明。南半球でもしばらく超低空だったが、7月以降は再び高く見えるようになる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   4 54.39  -16 26.7   4.017   3.329    41   13.7   5:36 (280, 15)  
June 25   4 59.99  -17 13.7   3.907   3.262    44   13.6   5:37 (278, 20)  

* 29P/Schwassmann-Wachmann 1

明け方の空に現れて来た。5月31日に14.2等(門田健一氏)と、現在は明るくも暗くもない状態。2004年は、シーズンを通して常に13等より明るく見えていた。2005年は、夏から冬にかけて、日本では天頂付近と非常に良い条件で見られる。2004年同様の活動を見せれば、長期に渡って良い観測対象となりそう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   1 57.88   20 48.4   6.307   5.747    52   13.7   5:36 (220, 23)  
June 25   2  2.05   21 18.9   6.220   5.747    58   13.7   5:37 (214, 26)  

* C/2005 E2 ( McNaught )

3月に発見された頃は16.4等だった(3月12日、R. H. McNaught)が、6月6日には14.4等まで増光してきている(大島雄二氏)。2006年の初めに10等に達すると期待されている。南半球では、11月までずっと高い位置で、明るくなっていく様子を観測できるが、日本からは、9月までずっと高度が15度ほどで、高くならないので、眼視ではなかなか観測できないかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  20 36.11  -38 14.8   2.635   3.484   140   13.9   2:52 (  0, 87)  
June 25  20 32.99  -38 42.4   2.518   3.415   147   13.7   2:21 (  0, 86)  

* 72P/Denning-Fujikawa

長い間行方不明だった彗星。1978年に再発見された後も、2回の回帰で出現せず、再び行方不明となっている。おそらく、ふだんは相当に暗く、稀に大増光した時にだけ観測されているのだろう。彗星はおおよそ予報通りの位置にいると思われるが、この予報よりはるかに暗いと思われる。今回帰は条件が悪く、ずっと超低空に位置するため、再発見は不可能だろう。南半球では、かろうじて地平線の上にある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   3 29.35   16 39.2   1.433   0.797    32   13.8   5:36 (240, 12)  
June 25   4  5.65   19 43.3   1.494   0.802    30   14.0   5:37 (239,  8)  

* 32P/Comas Sola

11月からずっと12.5〜13.0等を保ち、5月4日にもまだ12.7等で眼視で見えていた(吉田誠一)。その後は高度がどんどん低くなっている。まもなく見えなくなり、その後、今回帰はもう観測不可能。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   8 37.04   28 20.2   2.665   1.975    38   14.1  18:25 (134,  9)  
June 25   8 55.50   27  9.2   2.727   2.000    36   14.3  18:27 (132,  8)  

* 10P/Tempel 2

南半球では、すでに明け方の低空に現れて来ている。5月12日には13.6等と、ほぼ予報通りの明るさだった(Michael Mattiazzo)。日本では、7月に14.5等で明け方の空に現れ、その後は暗くなっていく。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   3  6.32    8 11.9   2.525   1.883    41   14.2   5:36 (242, 22)  
June 25   3 20.81    8 57.6   2.520   1.924    44   14.3   5:37 (239, 24)  

* C/2004 Q1 ( Tucker )

2月までは大きく、集光も強くて見やすかったが、3月には拡散状になってきた。だが、5月4日でもまだ12.8等と、眼視では明るく見えている(吉田誠一)。近日点通過後の減光は緩やかで、もうしばらく13等で見られそう。今後はゆっくりと夕空に低くなっていくが、8月中旬でもまだ高度は20度以上を保つ。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   9  2.43   62 50.3   3.549   3.017    51   14.6  18:25 (160,-15)  
June 25   9 23.96   61  2.2   3.634   3.073    49   14.8  18:27 (158,-14)  

* P/2004 F3 ( NEAT )

2004年春に発見された明るい新周期彗星。2004年の春から夏にかけて、15.0〜15.5等と明るく観測された。計算上は遠日点でも19等と明るいはずだが、2004年まで発見されなかったことを考えると、一時的に明るくなっていたのかもしれない、とも思われた。だが、2005年になっても同じ明るさを保っている。現在は14.8等(5月15日、中村彰正氏)。秋まで14.5等で観測できると思われる。但し、日本からの高度はずっと20度前後で、かなり低いため、眼視で見るのは難しいだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  20 30.75  -31 31.5   2.124   2.997   142   14.9   2:46 (180, 86)  
June 25  20 28.12  -32 26.9   2.089   3.008   149   14.9   2:16 (180, 87)  

* C/2003 WT42 ( LINEAR )

2003年末から2005年までの1年間に、18等から15等まで増光した。これは、ふつうの彗星と比べて、かなり増光のペースが速い。その後は5月まで、15〜15.5等を保った。しばらく観測できないが、8月には再び明け方の空で高くなってくる。冬には13等に達し、眼視でも見えるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   6 57.98   45 41.7   6.539   5.649    26   14.9  18:25 (134,-17)  
June 25   7  7.03   45 36.1   6.537   5.629    24   14.9  18:27 (132,-20)  

* 78P/Gehrels 2

1月上旬まではとても集光が強かったが、1月下旬からは拡散状になった。1月は11等台、2月は12等台と減光し、3月8日にもまだ12.6等と明るかった(吉田誠一)。近日点通過前の増光はたいへん急激だったが、予報通り、近日点通過後の減光は緩やかだった。今回帰はもう観測不可能。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   7 35.76   16 49.9   3.570   2.699    26   14.9  18:25 (116,  7)  
June 25   7 48.06   16 21.6   3.639   2.731    22   15.1  18:27 (113,  4)  

* C/2004 K1 ( Catalina )

2月初めには16.5等だったが、4月末には15.2等(4月27日、門田健一氏)と、順調に明るくなってきた。7月中旬まで、14.5〜15等で条件良く観測できる。高度が高いので、透明度が良ければ、大口径なら眼視でも見えるだろう。5月7日には、眼視で15.0等と観測されている(村上茂樹氏)。6月13日には、CCDで14.1等と、さらに1等ほど明るくなっている(江崎裕介氏)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  15  5.51   17 22.9   2.736   3.403   123   15.0  21:17 (180, 38)  
June 25  14 50.64   17  9.5   2.834   3.401   115   15.1  20:35 (180, 38)  

* 117P/Helin-Roman-Alu 1

2004年初めには19等から17等まで一気に増光したが、その後は落ち着いており、緩やかに増光してきている。2007年初めまで、長期に渡って15〜16等を保つ。あまり高度は高くならないが眼視でも見えている。眼視の明るさは、5月7日に14.3等(Juan Jose Gonzalez)、6月7日に14.2等(John Drummond)で、視直径は0.2〜0.6分角とかなり小さい。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  15 25.75  -19 51.6   2.267   3.170   147   15.1  21:38 (180, 75)  
June 25  15 22.88  -19 56.7   2.314   3.161   139   15.1  21:08 (180, 75)  

* 2004 YZ23

短周期彗星のような軌道を持つ特異小惑星。5月から6月にかけて地球に接近し、14等に達した。現在は、急激に減光中。7月中旬には18等以下になってしまう。4月初めに近日点を通過した際も18.5等と極めて暗かったことから、この天体は小惑星であろう。Michael Mattiazzoの観測では、5月29日に完全に恒星状。6月6日には、14.0等以下で見えなかった(吉田誠一)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  15 46.48   -2 55.6   0.495   1.448   144   15.9  21:59 (180, 57)  
June 25  15 44.20    4  2.8   0.607   1.504   134   16.6  21:29 (180, 51)  

* C/2005 B1 ( Christensen )

2004年春に発見された小惑星2004 FS101の再発見。1月中旬には18等だったが、5月中旬には16〜16.5等まで増光してきている。これは、ふつうの彗星と比べて、やや増光のペースが速い。2006年1月頃には、日本からは低いが、14.5等になりそう。2005年春から2006年暮れにかけて、長い間15〜16等で見える。北天を移動するため、日本からはずっと観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  13 13.02   50  0.4   3.936   3.980    85   16.1  19:26 (180,  5)  
June 25  13 10.77   49 54.0   3.977   3.942    80   16.0  18:56 (180,  5)  

* P/2005 K3 ( McNaught )

今後は北上して高く見えるようになる。7月から11月にかけて、15.5等で条件良く観測できる。もしかしたら、眼視でも見えるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18   0 49.31   -0 34.8   1.564   1.642    75   16.3   5:36 (216, 50)  
June 25   1  6.06    2 16.4   1.498   1.617    77   16.2   5:37 (209, 49)  

* C/2005 K1 ( Skiff )

2005年の夏と2006年の夏に16.5等に達する。南下していくため、日本からは2005年の方が条件が良い。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  17  4.13   62 19.9   3.758   3.958    93   16.8  23:15 (180, -7)  
June 25  16 54.62   60 56.6   3.732   3.937    94   16.8  22:38 (180, -6)  

* 101P/Chernykh

9月から12月にかけて15.5等に達する。今回帰はまだ観測されていないが、すでに明け方の空に高くなり、急激に明るくなってきているはず。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June 18  23 52.18   -3 24.9   2.653   2.840    89   17.6   5:36 (195, 58)  
June 25  23 59.32   -2 53.5   2.535   2.809    94   17.4   5:37 (184, 58)  

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