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Updated on May 15, 1998 |
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1998年5月中旬〜6月に見える彗星のランキングはこのようになりました。
5月3日にSOHOが発見したSOHO彗星(C/1998 J1)が注目を集めています。5月 中旬に、夕方西空の超低空に何とか見える可能性があります。当初の予報では 0等級でしたが、最近の観測結果からは、既に相当暗くなってしまっているよ うです。実際に見るのは非常に困難かもしれません。 4月22日に発見されたストーンハウス彗星(C/1998 H1)は、北斗七星の近くで11〜 12等の明るさです。SOHO彗星にすっかり話題性を奪われてしまいましたが、 5月中に是非観測したいところです。6月には暗くなってしまいます。 その他には、明け方のムーニエ-デュプイ彗星(C/1997 J2)が11等で見えていま す。また、夕空ではハウエル周期彗星(88P)が急激に増光中です。 夕空で明るかった彗星たちはすっかり暗くなり、西に沈みつつあります。
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ハートレー第2周期彗星
〔103P/Hartley 2〕
[星図]
は、昨年中は5月に19等、6月に17〜19等、7月に16.5〜18.5等、8月に13〜15.5
等、9〜10月に12〜15等、11月に10→9等、12月には9→8等と
m1 = 9.0 + 5 logΔ + 20.0 log r
という式に沿って急速に明るくなりました。
近日点通過は12月21日でしたが、通過後は更に少し明るくなり、1月には8等級
のピークに達し、視直径も5′以上と明るく大きくなった様子が眼視でも良く
見られました。
その後はゆるやかに減光して、2月中旬に9等、2月下旬から3月上旬でもまだ10
等の明るさを保ち、長い間眼視観測の良い対象となりました。
1月中旬以降の光度変化は、
m1 = 8.6 + 5 logΔ + 9.7 log r
となりますが、log r の係数が小さくなって、増光時に比べてゆるやかに減光
している様子が分かります。
しかし、3月中旬からは急速に拡散、減光し始めたようで、眼視では12等、CCD
では14〜16等と報告されています。
3月以降の光度変化は
m1 = 7.0 + 5 logΔ + 20.0 log r
となり、近日点通過前と同じ勢いで、急速に減光中のようです。
今月はすっかり暗くなってしまい、15等から17等と、眼視では観測できなくなっ
てしまいます。
こいぬ座の北からかに座の南を通り、うみへび座の頭部へと東進していきます。
夕方の西空にだいぶ低くなってきました。
薄明終了時の高度は、5月中に25→16°と下がり、6月には低すぎて観測できな
くなるでしょう。
長い間良い対象となってくれましたが、今回帰の観測は今月で終了となります。
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ゲーレルス第2周期彗星
〔78P/Gehrels 2〕
[星図]
は、昨年8月7日に近日点を通過した後、12月まで地球に近づいてきていたため、
8月から1998年1月までずっと、11〜12等と非常に明るく観測されました。
しかし、地球からも遠ざかり始めた2月以降は減光に転じ、3月末には13〜14等
に、4月には15等前後と報告されています。
但し、眼視ではいまだに12等台という報告もあります。
このように、この彗星の光度報告はばらつきが大きいのですが、近日点通過後
の光度変化は、だいたい
m1 = 8.0 + 5 logΔ + 10.0 log r
という式で表されます。
これによると、今月は15等から16等へと暗くなっていきます。
かに座を東へと移動していきますが、西空にだいぶ低くなってきてしまいまし
た。
薄明終了時の高度は5月中に27→17°と下がり、6月には観測できなくなります。
予報では、11月になると再び明け方の空に17等程度で現れることになりますが、
近日点通過前の光度から考えて、実際には今後急激に減光していく可能性があ
ります。
11月には日心距離は3.7AUほどに達しますが、これは1996年5月とほぼ同じで、
その頃彗星は21等と大変暗く観測されています。
そのため、現在がこの彗星を観測する最後の機会になるでしょう。
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11月21日に近日点を通過する
ジャコビニ-ツィナー周期彗星
〔21P/Giacobini-Zinner〕
[星図]
は、1月20日に22等で観測された後、4月3日には19.3等、4月26日には17.8等と、
光度式
m1 = 10.0 + 5 logΔ + 15.0 log r
に沿って順調に増光してきているようです。
今月は17等から15.5等に増光し、アマチュアのCCDでも充分に捉えられるよう
になって来るでしょう。
8月には14等よりも明るくなって、秋から冬にかけて10等程度に達し、夕方の
空で眼視でも見えるようになると期待されています。
この彗星はまた、10月のジャコビニ流星雨の母天体でもあります。
この群はふだんはまったく出現しませんが、母彗星の回帰に際し、今年の10月
には久しぶりの出現が期待されています。
前回の1985年には、ほとんど期待されていなかったジャコビニ流星雨ですが、
突然の大出現が日本で起こり、観測者を驚かせました。
さて、今回はどうなるでしょうか。
彗星は、今月はヘルクレス座を北西に移動しています。
衝となって、5月〜6月上旬には未明に、6月中旬〜下旬には夜半前に、ほぼ天
頂に位置します。
尚、7月初めには、朱-ベーラム彗星(C/1997 L1)に約30'まで接近します。
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| 小惑星(2060)としても登録されている キロン周期彗星 〔95P/(2060) Chiron〕 [星図] は、既に1996年2月に近日点を通過していますが、近日点距離が8.5AUと大きい ため、今後数年間はほとんど明るさは変わりません。 また、移動も遅く、しばらく同じような位置に見えることになります。 今月もてんびん座α星のすぐ北にあって、夕方の南の空に見えています。 この天体は近日点通過の4〜5年前には16〜17等、通過の頃は15〜16等の明るさ で観測されました。 しかし、最近は16等以下と、予報よりも1等ほど暗くなっているようです。 |
熊本県の宇都宮章吾氏によって、昨年10月3日に10.5等で発見された
宇都宮彗星
〔C/1997 T1 ( Utsunomiya )〕
[星図]
は、10月から11月にかけて条件が良く、10等前後でたくさんの観測が報告され
ました。
12月以降は太陽と近い状態が続いて観測しづらかったのですが、12月〜1月に
は10等、2月には10→11等と、予報よりも明るく観測されています。
しかし、明け方の空で徐々に高くなってきた3月には、上旬に11.5〜13.5等、
下旬から4月初めには14〜15等と、一気に暗くなってしまったようです。
4月下旬以降は、13〜15.5等と報告される光度に幅が生じていますが、既に眼
視観測は非常に困難になっています。
この期間の光度変化を1つの光度式で表すと、
m1 = 5.8 + 5 logΔ + 22.0 log r
となります。
これによると、今月は15.5等から18.5等へと、更に急激に減光してしまうこと
になります。
彗星は今月も急速に西に移動中で、てんびん座からからす座の方向に動いて行
きます。
5月中旬は夜半前に南中しますが、6月下旬には夕方の南西の空に見えるように
なります。
7月になると高度が低くなり過ぎて、観測はほぼ不可能になります。
尚、6月18日から19日にかけて、小惑星(8405) 1995 GOの南わずか30'のところ
を通過します。
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| 1999年3月16日に近日点を通過する シューメーカー第1周期彗星 〔102P/Shoemaker 1〕 [星図] は、今回帰はまだ観測されていませんが、予報では16〜17等と既に充分明るく なってきているはずです。 彗星はくじゃく座にあり、南天のために日本からは観測できませんが、南半球 では未明の空高く見えています。 5月末には、大型の球状星団NGC 6752(5.4等、20′)に接近します。 この彗星は、近日点通過前の日本からの条件は悪く、わずかに11月に夕空低く 姿を現しますが、15等台で高度15°以下では観測は難しいでしょう。 通過後は1999年7月に15等台で明け方に見え始め、その後次第に減光していき ます。 但し、既に南半球では位置的が良くなって、予報光度通りなら観測されていて もおかしくない状態になっています。 それにも係わらずいまだ観測されていないことから、実際の光度が予報より暗 い可能性もあります。 |
| 昨年9月29日に近日点を通過して以来、長い間12〜13等台で観測され続けた ヴォルフ-ハリントン周期彗星 〔43P/Wolf-Harrington〕 [星図] ですが、もうすっかり暗くなってしまいました。 3月までは13等台の眼視報告が続いていましたが、4月にはCCDで14.5〜16.5等 と、一気に暗くなってしまったようです。 今月も16.5→18等と、更に急速に減光していくでしょう。 彗星はうみへび座胴体部を東へと移動しています。 夕方の南西の空にだいぶ低くなってきています。 薄明終了時の高度は、5月中は34→27°、6月には26→9°となります。 長い間良い観測対象でしたが、6月中旬をもって今回帰の観測は終了となりま す。 |
| 1997年1月31日に19.4等で発見された スペースウォッチ彗星 〔C/1997 BA6 ( Spacewatch )〕 [星図] は、その後も順調に増光して、現在は17等に達しています。 今月もうみへび座頭部の南、α星の西にあって、17等で観測可能でしょう。 しかし、夕方の西空にだいぶ低くなってきてしまいました。 5月中の薄明終了時の高度は25→13°ですので、そろそろ観測は困難になって います。 尚、この彗星の近日点通過は1999年11月で、13等級まで明るくなると思われま すが、今後彗星はずっと南天にあり、日本からは観測できません。 そのため、現在が近日点通過前にこの彗星を観測する最後の機会です。 6月には西空に沈み、その後は再び北上してくる2000年秋まで日本からは観測 不可能となります。 ちなみに南半球では、5月中は50°、6月になってもまだ47→28°と充分な高さ で観測可能です。 |
| 1999年9月16日に近日点を通過する カーンズ-クェー周期彗星 〔59P/Kearns-Kwee〕 [星図] は、今回帰はまだ観測されていませんが、予報では既に17等と充分に明るくなっ てきているはずです。 これまで太陽に近く観測できませんでしたが、今月は薄明開始時の高度が20→ 47°と高く昇るようになってきますので、近いうちに観測されるものと思われ ます。 しかし、昨年夏には衝の位置で19等になっていたはずですが、観測されなかっ たことを考えると、実際にはもっと暗い可能性が高いです。 今月はうお座の西のうお、木星のすぐ西にいます。 この彗星は1999年秋から冬にかけて条件が良くなり、12等台の明るさで眼視で も見られると期待されています。 |
| 初回帰の シューメーカー-レヴィ第3周期彗星 〔129P/Shoemaker-Levy 3〕 [星図] は、3月4日に近日点を通過しました。 1月から2月にかけて好条件となり、眼視では14等台で、CCDでは15〜16等で観 測されました。 3月から4月には少し暗くなり、CCDで16〜17等と報告されています。 今月はかに座を東へと移動しますが、夕方の西空にだいぶ低くなってきました。 薄明終了時の高度は、5月中は35→25°ですが、6月には低過ぎて観測不可能に なります。 この彗星は軌道の離心率が0.25と円に近いため、1999年春の衝の頃でもまだ 18.5等程度の明るさを保ちます。 今後も長期間観測され続けるでしょう。 |
| 8月11日に近日点を通過する ピーターズ-ハートレー周期彗星 〔80P/Peters-Hartley〕 [星図] は、今回帰は2月中旬に20.4等で初観測されました。 これは予報より2等ほど暗いものでしたが、その後は急激に増光中のようで、4 月には18.5等で観測されています。 夏のピークの頃には、17等程度に達するでしょう。 但し、この彗星は今回帰は日本からの条件が悪く、今後高度が15°を上回るこ とがありません。 今月も、彗星はうみへび座の南部からコップ座へと移動し、明るさも17等台に 入って来ますが、夕方の南西の空の超低空となるため、日本からの観測はまず 不可能でしょう。 一方南半球では、夕方に頭上高く見えることになります。 |
| 11月7日に近日点を通過する 高見沢周期彗星 〔98P/Takamizawa〕 [星図] は、今回帰はまだ観測されていませんが、予報では既に18等から17.5等と、充 分に明るくなってきていることになります。 しかし、しばらく前からCCDの射程内に入っており、また位置的条件が良かっ たにも係わらず、これまで観測されていないことを考えると、実際にはもっと 暗い可能性が高いです。 ただ、未確認ながら、3月から4月にかけて19等程度で観測されているとの情報 もあります。 これはほぼ予報通りの明るさです。 今月はしし座の尾部からおとめ座頭部へと移動します。 夕方の南西の空にありますが、薄明終了時の高度は68→35°とだんだん低くなっ てきます。 この彗星の今回帰の条件は悪く、近日点通過の頃には観測不可能です。 近日点通過前の7月末に17等になるまでが観測可能期間ですので、そろそろ観 測されないと、今回帰は見逃されることになるかもしれません。 |
| 昨年2月15日に18等で発見された 小惑星 1997 CU26 [星図] は、近日点距離が13AUと土星よりも遠い、周期60年のセントール族の小惑星で あることが分かりました。 この天体の近日点通過はずっと先の2004年で、今後20年以上に渡って18等程度 で見えることになります。 その間にコマが検出され彗星になるかもしれません。 天体が太陽から遠いため、位置も高度もほとんど変化しません。 今年も1月から4月まで、17等台から18等程度で観測が続いています。 今月もかに座で、散開星団M67のすぐ南にいます。 夕方の南西の空に低くなって来ました。 薄明終了時の高度は、5月中は37→24°ですが、6月には低すぎて観測できなく なります。 太陽と合になった後は、10月に再び明け方の空に現れます。 |
| LINEAR周期彗星 〔P/1998 G1 ( LINEAR )〕 [星図] は、4月2日にリンカーン研究所の地球に接近する小惑星の捜索中に18.9等で発 見された新彗星です。 彗星名は、Lincoln Laboratory Near-Earth Asteroid Research の頭文字をとっ たものです。 初めは高速移動小惑星の1つとして報告されましたが、その動きから逆行の放 物線軌道上を運動していることが示唆され、注目を集めました。 その後尾が検出され、彗星であることが明らかになりました。 更に観測が集まって、周期42年、軌道傾斜角110°という大きな逆行の軌道を 持つ新周期彗星であることが分かりました。 これまでに発見された周期彗星の中で、軌道傾斜角が100°を越えるものは、 ハレー周期彗星(1P)、テンペル-タットル周期彗星(55P)、スイフト-タットル 周期彗星(109P)、ポンス-ガンバール周期彗星(D/1827 M1)の4つしかなく、い ずれも大物と呼ばれるものばかりです。 彗星は、今月はしし座の頭部を南下し、夕方の西空に低くなっていきます。 薄明終了時の高度は、5月中は55→38°と下がり、6月中旬を過ぎると20°を下 回るようになってしまいます。 この彗星は11月16日に近日点を通過し、太陽に2.1AUまで接近して、16.5〜17 等まで明るくなると思われます。 但し、今後彗星はずっと南天を移動するため、日本からは条件は非常に悪いで す。 わずかに10月末から11月中旬にかけて、明け方の南東の空に姿を現しますが、 薄明開始時の高度は13〜14°でしかありません。 事実上、日本からこの彗星を見られるのは今月が最後です。 尚、この彗星のコマはいまだ検出されていません。 これは、周期彗星としても小惑星としても登録されているエルスト-ピサロ周 期彗星(133P)の発見事情とほぼ同じ状況です。 また、ほとんどの天文台では、この天体を小惑星状としてしか捉えられていな いようです。 今後太陽に近づいてどのような振舞いを見せるのか興味深い天体ですが、それ を見届けるのは南半球の観測者の役目となります。 |
| 1992年1月9日に17等で発見された 小惑星フォルス 〔(5145) Pholus〕 [星図] は、近日点距離が8.7AUで周期が約90年という巨大な楕円軌道上をまわってい ました。 長らく小惑星と思われていたキロン周期彗星(95P)と同じセントール族の天体 ですが、その後も恒星状でコマは検出されていません。 しかし、小惑星の中でも特に赤く見える天体として有名です。 既に近日点を通過してから6年以上過ぎていますが、土星よりも遠くにいるた め、明るさはほとんど変化せず、今後数年から10数年は観測できます。 位置もほとんど変化せず、今月もアークトゥルスのすぐ南西にあります。 今月は夕方の空に高く、18等で見えています。 |
| 昨年11月19日に近日点を通過した ラッセル第3周期彗星 〔91P/Russell 3〕 [星図] は、近日点通過の頃は太陽に近く観測できませんでしたが、再び明け方の空に 現れて来ています。 近日点通過前は、1996年11月に21等で観測されてから順当に増光し、1997年春 に18等に達しました。 今月はみずがめ座とわし座の間で、明け方の南の空に見えます。 今後、衝となる7月まで18等でほぼ同じ光度を保ち、その後は急速に暗くなっ ていくでしょう。 |
| ヘリン-ローマン-アルー第1周期彗星 〔117P/Helin-Roman-Alu 1〕 [星図] は、離心率が0.18とほぼ円軌道のため、遠日点でも20等程度の明るさを保ち、 軌道の全周で観測可能です。 今回帰は1997年3月26日に近日点を通過しましたが、1997年中は16〜17.5等で 観測されていました。 しばらく太陽に近く観測できませんでしたが、再び明け方の空に姿を現してき ます。 くじら座の南部にあり、5月中はまだ低いのですが、6月中旬を過ぎると20°を 越え、充分な高さになってきます。 これから来年2月初め頃まで、昨年より1等ほど暗く、18等程度で観測可能です。 |
| 1999年5月6日に近日点を通過する フェイ周期彗星 〔4P/Faye〕 [星図] が、明け方の空に現れて来ました。 今回帰はまだ観測されていませんが、予報では19等から18等台へと増光してき ますので、観測されるのは時間の問題でしょう。 今月はみずがめ座、やぎ座、わし座の接点の辺りにいて、明け方の南の空に見 えています。 この彗星は1843年に発見されて以来、19回の回帰を記録しています。 20回目の出現となる今回帰は、残念ながら回帰条件が悪く、近日点通過前後は 太陽に近くて観測できません。 通過前と通過後に観測可能な位置に来る頃には16等までしか明るくならないた め、眼視では観測できないでしょう。 |
| 初回帰を迎えている 葛-汪周期彗星 〔P/1988 V1 ( Ge-Wang )〕 [星図] が、検出の好期を迎えています。 今月もへび座(尾)にあり、衝となって、真夜中前後に南の空に位置します。 予報では既に19等から18等台になってくると思われます。 少し前から検出好期でしたが、彗星が暗いためか、天の川の中にいるためか、 いまだ検出されていません。 この彗星の近日点通過は1999年6月27日で、1999年の夏から秋にかけて衝とな り、15等台に達するものと思われます。 |
| 11月18日に近日点を通過する コワル-ヴァーヴロヴァー周期彗星 〔134P/Kowal-Vavrova〕 [星図] は、12月5日に21等前後で検出された後、急速に増光し、4月には18等に達して います。 しかし、今回帰の条件は悪く、近日点通過の頃は太陽に近く観測は不可能です。 その前後の1999年春と1999年春が観測好期となりますが、18等止まりでしょう。 今月はしし座南部を東に移動していて、薄明終了時の高度が57→18°と、夕方 の南西の空に急に低くなっていきます。 6月中旬を過ぎると観測不可能になります。 |
| 初回帰を迎えている ミュラー第3周期彗星 〔P/1990 S1 ( Mueller 3 )〕 [星図] が検出好期となっています。 今月はみずがめ座とやぎ座の間にいて、明け方の南東の空にだんだん高く昇る ようになってきます。 明るさも既に19等に達しているでしょう。 この彗星の近日点通過は1999年3月ですが、回帰条件は悪く、近日点通過の頃 は太陽に近く観測できません。 1998年夏と1999年秋に衝となる頃が観測好機ですが、18等止まりで明るくなり ません。 |
| 昨年6月3日に16.7等で発見された 朱-ベーラム彗星 〔C/1997 L1 ( Zhu-Balam )〕 [星図] は、既に一昨年11月に近日点を通過していますが、近日点距離が4.9AUと非常 に大きいため、1997年中は16.5→18.5等、1998年には18.5〜19等と、ゆるやか に減光してきました。 既に太陽からの距離も6.5AUになろうとしていますが、予報ではまだ19等程度 の明るさを保っていると思われます。 しかし、彗星はすっかり拡散してしまっており、明るさの割に観測は非常に困 難になっています。 5月には、既に21等ほどまで暗くなっているという報告もあります。 ヘルクレス座を北上中で、衝となり、5月中は未明、6月には宵の頃に頭上高く に位置しますが、既に観測不可能になっているかもしれません。 尚、7月初めにはジャコビニ-ツィナー周期彗星(21P)が30'の距離まで接近して きます。 |
| 1995年に発見されたセントール族の 小惑星 1995 GO [星図] は、小惑星(8405)として番号登録されました。 この天体は、現在は太陽から10AUと土星と同じくらい遠くにあり、19等台と大 変暗く見えていますが、2002年に近日点を通過する頃には太陽から7AUにまで 近付き、17等程度になるでしょう。 今月もうみへび座の尾部、変光星うみへび座R星のすぐ北にあって、夕方の南 の空に見えています が、高度は35°弱と日本からは南に低くなってしまっています。 この状態は今後しばらくは変化せず、日本からは高く見えない状態が続きます。 尚、6月19日から20日にかけて、宇都宮彗星(C/1997 T1)が1995 GOのわずか30' 南を通過していきます。 |
| テンペル第2周期彗星 〔10P/Tempel 2〕 [星図] は軌道の全周で観測可能です。 遠日点付近にいた1997年には20等、今年に入ってからは19等で観測されていま す。 次の近日点通過は1999年9月8日で、今後は徐々に明るくなっていきます。 しかし、今月はまだ19等程度でしょう。 しし座にいて、夕方の南西の空に低くなっていきます。 薄明終了時の高度は、5月中旬はまだ65°ですが、6月末には28°まで下がりま す。 7月以降は太陽と合になって、しばらく観測できなくなりますが、12月になる と、明け方の空に再び姿を現します。 その頃には17等まで増光しているでしょう。 この彗星は近日点通過後に明るくなる傾向があります。 来年秋には8〜9等に達すると期待されています。 ただ、その頃は南に低くなってしまうのが難点です。 |
| 1999年5月4日に近日点を通過する フォーブズ周期彗星 〔37P/Forbes〕 [星図] は、今回帰はまだ観測されていませんが、予報では既に19等まで増光している はずです。 しかし、ここしばらく位置的条件が良い状態が続いていたのですが、いまだ観 測されていないことを考えると、実際にはもっと暗いのかもしれません。 今月もしし座の前足の辺りにいます。 夕方の南西の空に見えていますが、薄明終了時の高度は49→13°と急激に低く なり、6月には観測できなくなります。 このまま観測されずに太陽に近づくと、再び明け方に姿を現す12月まで待たな ければなりません。 その頃には16等に達していると思われます。 但し、彗星はしばらく南天にあり、ピークの13等に達する1999年5月下旬まで、 日本からはずっと高度12〜17°という大変低い状態が続きます。 1999年6月からは見やすい高度になってくるので、眼視観測も可能となるでしょ う。 |
| 1996年6月に近日点を通過した パーカー-ハートレー周期彗星 〔119P/Parker-Hartley〕 [星図] ですが、軌道が円に近く、また近日点距離も3.0AUと大きいので、長い間観測 され続けて来ました。 1995年夏に19等で検出されて以降、1995年秋から翌1996年の初めにかけてと、 1996年秋から1997年初夏の頃まで、ずっと17等前後で観測されました。 1998年に入ってからも、まだ19等前後の明るさを保っています。 今月もしし座の南にいて、モンタニ周期彗星(P/1997 G1)と寄り添うように動 いています。 夕方の南西の空にいますが、薄明終了時の高度は50→19°と急激に低くなって いきます。 6月には観測できなくなりますが、太陽と合になった後、12月にはまた明け方 の空に現れて来ます。 その頃もまだ20等台半ばでしょう。 |
| 昨年4月9日に19等で発見された新周期彗星、 モンタニ周期彗星 〔P/1997 G1 ( Montani )〕 [星図] は、既に昨年4月に近日点を通過していますが、近日点距離が4.2AUと大きいた め、減光はゆるやかです。 再び明け方の空に現れて来た12月以降も、19等前後で観測されています。 今月もしし座の南にいて、パーカー-ハートレー周期彗星(119P)と寄り添うよ うに動いています。 夕方の南西の空にいますが、薄明終了時の高度は52→19°と急激に低くなって いきます。 6月には観測できなくなりますが、太陽と合になった後、12月にはまた明け方 の空に現れて来ます。 その頃もまだ20等台半ばでしょう。 |
| 1999年8月25日に近日点を通過する ギクラス周期彗星 〔84P/Giclas〕 [星図] が、そろそろ観測可能になってきます。 まだ20等台と暗いのですが、6月下旬には衝となります。 但し、位置はいて座の北部で、夏の天の川のどまんなかにあります。 そのため、実際に観測されるのはもっと後になるかもしれません。 この彗星は1978年に発見されて以来、毎回確実に出現が記録されています。 今回帰では、1999年の夏から冬にかけて、長い間14等台で観測されるでしょう。 尚、この彗星は1931年にも出現が記録されていることが分かっています。 |
| 1996年1月に発見された新周期彗星、 ジェディキ周期彗星 〔P/1996 A1 ( Jedicke )〕 [星図] は、1995年8月に近日点を通過していましたが、近日点距離が4.1AUと大きいた め、ゆるやかに減光し、長い間観測されてきました。 1996年前半は16〜17等、1997年前半は18等でした。 1998年に入ってからは観測がありませんが、20等前後だったはずです。 しかし、既に日心距離も6.5AUとなり、光度も20〜21等になるため、そろそろ 観測期間は終了となります。 スピカの南東にいて、夕方の南の空に見えています。 |
| ドゥ・トイト-ハートレー周期彗星 〔79P/du Toit-Hartley〕 [星図] は、昨年11月14日に近日点を通過したはずです。 今回帰の条件は悪く、ずっと太陽の近くにいたため、今回帰はまだ観測されて いません。 近日点通過から半年たって、ようやく明け方の空に姿を現すようになってきた 訳ですが、既に21等以下と大変に暗くなってしまっているでしょう。 この彗星は1945年に発見された後は長い間行方不明になっていました。 途中6回の回帰を見逃された後に、1982年になって偶然に再発見されました。 その次の1987年には3回目の出現を記録しましたが、1992年の回帰ではまた見 逃されています。 今回帰も、おそらくこのまま観測されずに遠ざかってしまうものと思われます。 |
最適時刻と方位・高度は、北緯35度の地点での値です。
m1 = 7.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
|
m1 = -2.1 + 5 log Δ + 11.4 log r
|
m1 = 3.7 + 5 log Δ + 10.0 log r
|
m1 = 5.6 + 5 log Δ + 28.0 log r
|
m1 = 10.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
|
m1 = 4.0 + 5 log Δ + 7.5 log r
|
m1 = -15.0 + 5 log Δ + 150.0 log r (〜6月8日) |
m1 = 8.5 + 5 log Δ + 20.0 log r
|
m1 = 2.0 + 5 log Δ + 20.0 log r
|
m1 = 8.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 9.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 1.7 + 5 log Δ + 30.0 log r
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m1 = 10.3 + 5 log Δ + 12.5 log r
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m1 = 7.0 + 5 log Δ + 20.0 log r
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m1 = 8.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
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m1 = 10.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 4.0 + 5 log Δ + 7.5 log r
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m1 = 5.8 + 5 log Δ + 22.0 log r
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m1 = 8.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 8.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 5.3 + 5 log Δ + 10.0 log r
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m1 = 5.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 5.7 + 5 log Δ + 20.0 log r
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m1 = 12.0 + 5 log Δ + 20.0 log r
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m1 = 11.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 6.5 + 5 log Δ + 5.0 log r
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m1 = 13.5 + 5 log Δ + 5.0 log r
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m1 = 7.0 + 5 log Δ + 5.0 log r
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m1 = 5.3 + 5 log Δ + 25.0 log r
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m1 = 6.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 9.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 8.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 9.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 9.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 7.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
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m1 = 9.0 + 5 log Δ + 5.0 log r
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m1 = 10.5 + 5 log Δ + 10.0 log r
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m1 = 10.5 + 5 log Δ + 12.0 log r
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m1 = 7.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 9.7 + 5 log Δ + 10.0 log r
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m1 = 9.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 4.2 + 5 log Δ + 15.0 log r
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m1 = 16.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
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