彗星の広場 (1996年8月)

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  • 今月の彗星ランキング
  • 今月の彗星の解説
  • その他の彗星について
  • 位置推算表
  • 星図 (PostScript)
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    ・ 今月の彗星ランキング

    1996年8月に見える彗星のランキングはこのようになりました。

    世紀の大彗星ヘール-ボップ彗星(C/1995 O1)が本当に明るくなってきました。 現在5.5〜6等と、早くも肉眼彗星となっています。今年の夏はこの彗星で決ま りです。

    7月4日に発見されたばかりの新彗星ブリュウィントン彗星(C/1996 N1)は今月 は約1等程明るく、夕空で8等級で観測されています。同じく明るかったコプフ 周期彗星(22P)は急減光したようで、現在10等以下のようです。

    18等以下のはずのデュトイト-ネウイミン-デルポール周期彗星(57P)が13等に までバーストしています。普段は手が届きませんが、写真やCCDで狙うチャン スです。また、15等程度のはずのNEAT彗星(C/1996 E1)が何と10等台にま でバーストしているとの報告もありますが、実際は13等台のようです。

    3月下旬に地球に0.10AUまで接近し、光度0等、尾の長さ100度の大彗星になっ た百武彗星(C/1996 B2)は南天に去りました。5月1日に近日点を通過した後は ゆっくりと減光し、現在10等です。8月中旬には急減光し始めたようです。

    南天のアイラス周期彗星(P/1996 P1)が検出されました。13等と、ほぼ予想ど おりでした。また、南に低く新彗星ラッセル-ワトソン彗星(C/1996 P2)が発見 されましたが、13〜14等で、今後減光していくようです。

    * 第1位 ヘール-ボップ彗星(C/1995 O1) 5.5等

    * 第2位 ブリュウィントン彗星(C/1996 N1) 8→9等

    * 第3位 コプフ周期彗星(22P) 8.5→11.5等

    - 第4位 百武彗星(C/1996 B2) 9→11等

    - 第5位 アイラス周期彗星(P/1996 P1) 12.5→11.5等

    - 第6位 ヴィルト第4周期彗星(116P) 11.5→12等

    - 第7位 エヴァンス-ドリンクウォーター彗星(C/1996 J1)13→12等

    * 第8位 NEAT彗星(C/1996 E1)12.5等

    * 第9位 ガン周期彗星(65P) 13→13.5等

    * 第10位 デュトイト-ネウイミン-デルポール周期彗星(57P) 13等

    * 第11位 ラッセル-ワトソン彗星(C/1996 P2) 13.5 → 14等

    - 第12位 コマスソラ周期彗星(32P) 14→14.5等

    - 第13位 シュヴァスマン-ヴァハマン第1周期彗星(29P) 14→14.5等

    ! 第14位 マックホルツ第1周期彗星(96P) 16.5→14.5等

    * 第15位 スペースウォッチ周期彗星(125P) 15→15.5等

    その他の暗い彗星は以下の通りです。

    - キロン周期彗星(95P) 15.5等
    + シューメーカー-ホルト第1周期彗星(P/1987 U1) 17→16.5等
    * パーカー-ハートリー周期彗星(119P) 17等
    * シューメーカー-レヴィ第4周期彗星(118P) 17.5→17等
    * ヘリン-ローマン-アルー第1周期彗星(117P) 17→17.5等
    * 百武彗星(C/1995 Y1) 17.5→18等
    + ホルト-オルムステッド周期彗星(P/1990 R2) 18→17.5等
    * ワータネン周期彗星(46P) 18.5→17.5等
    + ボーシン周期彗星(85P) 18.5→18等
    * ヴィルト第2周期彗星(81P) 18.5→18等
    + トリトン周期彗星(D/1978 X2) 19.5→18等
    - ロングモア周期彗星(77P) 18.5→19等
    * ウィルソン-ハリントン周期彗星(107P) 18.5等
    + ヴォルフ-ハリントン周期彗星(43P) 18.5等
    + ミューラー第2周期彗星(P/1990 R1) 19等
    * シュヴァスマン-ヴァハマン第3周期彗星(73P) 19等
    * エンケ周期彗星(2P) 19.5→19等
    * ポン-ヴィネッケ周期彗星(7P) 19→19.5等
    ! デニング-藤川周期彗星(72P) 20→23等

    *今見えている彗星 -日本からは見えない彗星 +今回帰ではまだ観測されていない周期彗星 !今回帰ではまだ観測されていない周期彗星(日本からは見えない)

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    ・ 今月の彗星の解説

    ・ ヘール-ボップ彗星(C/1995 O1)

    1年以上前の1995年7月に11等で発見された、世紀の大彗星ヘール-ボップ彗星 〔C/1995 O1 (Hale-Bopp)〕がいよいよ明るくなってきました。昨年秋に西に 沈む時には10等ほどだったのですが、いったん太陽と合になった後、2月に再 び明け方の空に姿を現した時には8等台になっていました。その後も順調に増 光し、5月に7等台、6月に6等、7月から8月にかけては5.5〜6等と、早くも肉眼 彗星になっています。視直径も既に15′と満月の半分もの大きさになっており、 5cmのファインダーでも分かる程です。この夏休みは大いに期待が持てます。

    新彗星の光度式は、一般に log r の係数を 10 と仮定し、発見時の光度から 絶対等級を計算して求めます。ヘール-ボップ彗星の場合、昨年夏に発見され た時に、

    m1 = -2.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
    という光度式が求められ、これによって来年春の近日点通過の頃に-2等という 予報が出されました。これまでの彗星の光度はこの式を良く満たしています。 今までは実際の光度上昇のペースの方が式を上回っていたのですが、ここ2カ 月ほどずっと5.5〜6等と光度上昇が鈍ったため、結果的にこの式に良く合って いるようになりました。試しに昨年夏の発見以来の光度観測から最小二乗法で 光度式を求めると、

    m1 = -3.13 + 5 log Δ + 11.64 log r
    と、ほとんど同じになります。最近の増光の鈍さが気にもなりますが、全体的 に見れば順調に増光してきていると言えるでしょう。今月は日心距離も3.5AU を切ってきます。この夏休み中は5等台でゆっくりと増光していくでしょう。

    今年に入ってからのこの彗星は、その形状もなかなか興味深いものがあります。 CCDや写真によるイメージでは、螺旋構造が写し取れたようです。これは、現 在彗星を正面から見ているため、尾の曲がり具合がそのように見えているのだ と思います。また、眼視観測でも、明らかにコマが北に偏っているのが分かり ます。空の暗いところではそろそろ約1°程度の長さの尾も見えています。

    彗星は8月にはへび座(尾)を横切り、9月にはへびつかい座の中へと入っていき ます。既にかなり夕方の空に廻ってきていて、今月は薄明終了時には南中して いて、夜半頃には西空低く観測しづらくなってしまいます。9月になると22時 頃には西に低くなり、夜半前には沈んでしまいます。ほぼ東矩ですので、上弦 の月の頃は月が近すぎて観測できません。

    彗星は発見以来ずっといて座にあり、今年は木星に極めて近く、木星を頼りに 彗星を導入できました。そろそろ木星から離れかけてきていますが、今月の彗 星のみつけ方は、「木星の右上に約15°」です。彗星が明るいこともあって、 詳しい星図がなくてもこれだけでも見つけられると思います。

    彗星は既に天の川を横切ってしまい、先月のように華やかな星雲星団に囲まれ ている、ということはなくなりました。ですが、ちょっと東に目を向けると惑 星の王者木星があり、周囲には大型の星雲星団がたくさんあります。特に木星 は、今月から来月にかけて大球状星団M22(5.0等、24′)と同視野に入るくらい まで接近して見え、めったにない見ものとなるでしょう。このように、今年の 夏は、世紀の大彗星ヘール-ボップ彗星と、惑星の王者木星と、さらに華やか な夏の星雲星団たちを全部まとめて観望できるという、実に贅沢な夏休みとなっ ております。是非みなさんも家族や友人たちを誘って、星空散歩を楽しんでみ て下さい。

    尚、国立天文台の佐藤勲氏の資料によると、下記のようなヘール-ボップ彗星 による恒星食の予報が出されています。但し、実際に彗星の核による食が観測 できるかどうかは分かりませんが、少しずれたとしても、コマによる減光など が観測できるかもしれません。

    日付時刻彗星光度星名星の光度
    9月 4日21:515.3等PPM2008549.8等

    彗星は9月下旬まで西に進んだ後、へびつかい座の中で10月以降は北東方向に 転じます。ただ、その動きはまだあまり速くなく、12月初めにいったん西空に 沈むまでずっとへびつかい座にいます。光度は予報どおりならば、12月初めに 4等にまでなっているでしょう。その途中で、10月中旬から下旬にかけて、へ びつかい座の球状星団M14(7.5等、12′)に接近します。最接近は10月27日頃で、 約20′程まで接近します。この頃の彗星は4等台でしょう。

    年末年始の頃は太陽に近く見えませんが、来年に入って、1月中旬には今度は 明け方の空に姿を現します。3月中旬までは明け方の空に見えることになりま すが、この間に彗星は2等から-1等へと急激に明るく成長していきます。3月9 日にはモンゴル・シベリア皆既日食がありますが、この日食中にも頭上高く肉 眼で彗星を見ることができると期待されています。日食中の肉眼彗星は115年 ぶりだそうです。3月20日頃また一旦太陽を追い抜きますが、この合の時には 太陽の北に45°も離れ、光度ももっとも明るく予報では-1等ですので、夕方と 明け方の両方で楽に見られるでしょう。3月下旬から5月末までは夕空に廻り、- 2等から1等へとゆっくりと減光していきます。夕空にまわってからは南下し、 5月下旬に1等級で西空に沈んだ後はしばらく見えなくなります。その後秋になっ て、9月から10月にかけて明け方の南東の空低く、5等級で再び姿を現しますが、 彗星が南下を続けるため11月にはまた見えなくなります。そしてその後は二度 と地平線から昇ってくることはありません。

    ・ ブリュウィントン彗星(C/1996 N1)

    7月4日にアメリカ・ニューメキシコのブリュウィントン氏によって、夕空の しし座に10等の新彗星、ブリュウィントン彗星〔C/1996 N1 (Brewington)〕が 発見されました。この彗星は今月3日に近日点を通過し、今が一番明るい時期 となっています。

    彗星は7月中はずっと9等程度で観測されました。視直径3′で集光の弱い、典 型的な小彗星の姿です。ところが、3日に近日点を通過した後、今月は8等台と、 先月に比べて約1等程明るく大きく観測されています。今後徐々に減光してい くと思われますが、もうしばらく見続けることができるかもしれません。

    今月も彗星は夕方の空に見えています。8月はかみのけ座から北斗七星とうし かい座の間辺りへ、9月はさらにりゅう座へと北上していくため、西空から北 西の空に、徐々に高度が高くなっていきます。西に低くなり観測できなるなる 時刻も、8月初めは22時頃、9月初めは23時頃、10月初めは0時と、だんだん遅 くなってきます。9月下旬には、薄明終了時にはほぼ天頂付近に位置すること になります。

    彗星は春の銀河地帯を通っていきますので、彗星と共にそれらの銀河を楽しむ のもいいでしょう。近くを通過する主な銀河には、M63(8.6等、12′)、 M51(8.3等、11′)、M101(7.6等、27′)などがあります。また、9月末になると NEAT彗星に接近していきますが、ブリュウィントン彗星が11等、NEAT 彗星はおそらく13等程度でしょう。

    その後も彗星はどんどん北上し、夕空に高く見えるようになってきます。9月 から来年1月まではずっと夕空の天頂付近に位置し、10等から17等へと減光し ていく様子が観測できます。その後3月初めには西空に沈みます。

    ・ コプフ周期彗星(22P)

    先月2日に近日点を通過したコプフ周期彗星〔22P/Kopff〕ですが、7月も8等台 で観測されています。さすがに太陽に近付いたせいか、7月は視直径が5〜 10′と、6月までよりもずいぶんと大きくなったようです。今月からは太陽か らも地球からも遠ざかるため、徐々に減光していくことになります。

    この彗星は当初この6〜7月にかけて7等にまでなると言われていましたが、上 記のとおり、実際には8等止まりでした。1994年11月に23等で検出されて以来 の光度変化は

    m1 = 5.3 + 5 log Δ + 21.0 log r
    で良く表されます。当初の予報式

    m1 = 3.0 + 5 log Δ + 26.0 log r
    に比べて、ずいぶんと光度上昇は鈍かったようです。

    これまでは上記の光度式に極めて良く沿って増光してきていました。ところが、 8月中旬になって、どうも彗星が見えなくなってしまったようです。12等程度 になったという報告もありますので、実際の光度はこの式からの予報よりも遥 かに暗いと思われます。そこで、ここでは光度式を仮定してあります。いずれ にせよ、この彗星を見ることはかなり困難になってしまいました。

    彗星は今月もいて座の東部にあります。木星の真東に約10〜15°のあたりです が、彗星は東に移動しており、徐々に木星から離れていきます。もうすっかり 夕方の彗星になっていて、8月下旬には、夜半頃には西に低くなってしまいま す。9月にはやぎ座へ移動し、夜半には沈むようになります。また、来月にな るとさらに暗くなる上、あたりに目印となる明るい星がなくなり、見つけるの がかなり困難になります。

    彗星は9月いっぱいまでは天王星、海王星のすぐ南に位置しています。また、9 月11〜15日には球状星団M75(8.6等、6′)に約2.5°まで接近します。この頃の 彗星は12等です。

    ・ 百武彗星(C/1996 B2)

    1月31日の朝に鹿児島の百武裕司氏によって発見された百武彗星〔C/1996 B2 (Hyakutake)〕は1976年のヴェスト彗星以来の大彗星になりました。3月25日に 地球に0.10AUまで接近し、その頃には光度0等、尾の長さは100度にも達し、真 夜中にほぼ天頂付近という絶好の条件で、一晩中その雄姿を堪能することがで きました。また、望遠鏡では星々の間を彗星がどんどん動いていく様子が観測 できました。

    その後日本では、近日点通過前の4月下旬に2等になるまで観測されました。近 日点通過の5月1日には太陽に0.23AUまで接近した後、5月中旬以降は南半球で 観測されています。その頃の光度は約3等と、無事に近日点を通過したようで す。その後は5月20日頃に4等、6月5日頃5等、6月20日頃6等、7月10日頃7等と 減光し、7月下旬には8等に達しています。この期間の光度式は

    m1 = 4.9 + 5 log Δ + 7.0 log r
    となり、思ったよりも緩やかに減光しています。ですが、8月上旬には彗星は 9.5等となり、また中旬に写されたイメージによると、現在彗星は急に減光し 始めたようです。そこで、ここでは今後の減光をある程度仮定して予報してい ます。それによると、今月は9等から11等へと減光していくことになります。

    彗星は8月はりゅうこつ座からはえ座、9月にははえ座からケンタウルス座α星、 β星の近くへと移動していきます。南半球では夕方の空高くに見えています。 今月中旬からは天の川に入り、来月にかけて、南十字星、宝石箱(NGC4755、 4.1等、10′)、石炭袋、ケンタウルス座α星、β星などの近くにあり、華やか です。また、8月27日には南十字座のすぐ南で、マックホルツ第1周期彗星と 20′まで接近します。この時の光度は百武彗星が10.5等、マックホルツ第1周 期彗星が14.5等です。

    彗星はかなり天の南極に近く、南半球では周極星となって一晩中見えています。 但し、合付近に位置しており、真夜中にはかなり南の空低くなります。今月か ら来月にかけては夕方が一番条件が良く見えますが、秋には夕方と明け方の条 件がほぼ同じとなり、冬には明け方の方が高く見えるようになります。

    ・ アイラス周期彗星(P/1996 P1)

    秋から冬にかけて11等で見えると予想されているアイラス周期彗星〔P/1996 P1 (IRAS)〕はなかなか検出されず、もしかしたら暗いのかもしれないと思われ ていましたが、ようやく今月8日に検出されました。その時の明るさは約13等 と、ほぼ予想どおりの明るさでした。

    8月は彗星はきょしちょう座にいます。残念ながら、日本からはもうしばらく この彗星を見ることはできません。今月はほぼ衝の位置でほとんど動かず、 南半球では真夜中に南の空高く昇り、一晩中見えていることになります。9月 になると急激に北上し、きょしちょう座からつる座へと移動します。上旬は8 月とほぼ同じ条件ですが、下旬には夕方寄りとなり、明け方の空には見えなく なります。9月の予想光度は11等です。10月に入るとさらに北上して、つる座 からみなみのうお座へと移動し、日本からもようやく夕方南の空低くに見える ようになってきます。この頃には予想どおりならば10〜11等に達しているでしょ う。その後は来年3月下旬に15〜16等で西に沈むまで観測できるでしょう。

    ・ ヴィルト第4周期彗星(116P)

    今年の春に12等まで明るくなったヴィルト第4周期彗星〔116P/Wild 4〕が今 月31日に近日点を通過します。ですが、今回帰の条件は悪く、近日点通過の今 月は太陽に近く観測できません。

    この彗星は1990年に発見されて、今回が初回帰です。前回帰でも比較的急な光 度変化を見せましたが、今回はそれを上回るペースで増光してきました。今年 に入ってからは早くも1月に13等で観測されていました。その後、5〜6月には 西空低く条件が悪くなって、結局12等台止まりだったようです。1995年2月に 20.5等で検出されてから先月までの光度変化は、

    m1 = 1.4 + 5 log Δ + 27.0 log r
    で表されます。12等台になるまで健闘してくれましたが、眼視観測できるまで には至らなかったようです。

    この彗星はいったん太陽と合となりますが、来年3月下旬に、再び明け方の空、 いて座に14等で姿を現します。その後夏に17等くらいになるまで観測できると 思われます。

    ・ エヴァンス-ドリンクウォーター彗星(C/1996 J1)

    5月10日に16等で発見されたばかりの新彗星エヴァンス-ドリンクウォーター彗 星〔C/1996J1 (Evans-Drinkwater)〕です。発見光度は16等と暗いのですが、 どうやら実際の光度はそれよりも2等程明るく、14等程度のようです。この彗 星の近日点通過は半年以上も先の1997年1月2日頃で、近日点距離は1.2AUです。 今後徐々に増光して、近日点通過の頃には9〜10等に達します。

    ところが、この彗星の観測条件は最悪で、ちょうど近日点通過の頃に太陽と合 になり、まったく観測できません。6〜7月にかけて13等までなったことが観測 されていますが、日本からは既に先月から観測できなくなっています。南半球 でも今月からは観測できなくなってしまいます。次に観測できるのはなんと来 年の6月で、明け方の空さんかく座に姿を現しますが、光度が既に13等にまで 減光してしまうでしょう。その後は太陽から離れつつ、だんだん減光していく 様子が観測できるでしょう。

    ・ NEAT彗星(C/1996 E1)

    今年の3月15日に発見された新彗星NEAT彗星〔C/1996 E1 (NEAT)〕ですが、 現在バーストして10等になっているとの報告があり、注目を集めています。現 在は北の低くたいへん観測しづらい場所にいるのですが、今後徐々に高度をあ げてきますので、是非確認してみて下さい。

    この彗星の発見以後の動向は極めて奇妙です。発見以来4カ月を過ぎましたが、 その間中ずっと明るさがはっきりせず、現在もその光度は不明です。最初に発 見された時には16等と報じられました。3月中の報告では16〜17等だったよう ですが、その後は明るい人と暗い人で数等級も異なり、まったく別の彗星のよ うです。4月には明るい人は13.5等、暗い人は17等と見積もっています。5月も ほとんど同じで、13.5等〜16等と報じられています。6月は観測が少なく14等 台だけなのですが、7月下旬になって、急に10等台への大バーストの噂が流れ ました。バーストを確認した人々によると、光度は10〜12等、視直径3′弱で 極めて拡散しているようです。ところが、日本等の観測者が確認しようとした ところ、彗星を見つけることができなかったようです。ある人は少なくとも13 等以下のはずだと言っています。これが単に低いせいか実際に暗いのかは分か りません。いずれにしても、実際の光度は不明です。8月には概ね12〜14等と 報告されています。

    ここでは仮に光度式を

    m1 = 9.0 + 5 log Δ + 18.0 log r
    としてあります。これによると今月は12〜13等です。既に7月27日に近日点を 通過しましたが、今後地球にどんどん近づいてくるので、明るさはしばらくの 間ほとんど変わらないことになります。地球最接近は9月下旬で、その頃1.1AU まで近づきます。その後は太陽からも地球からも遠ざかり、急激に暗くなって いくことになります。

    彗星は今月から来月にかけて天の北極に接近するため、観測条件はかなり複雑 に変化します。8月上旬はおおぐま座東部にいて、朝夕の二度北の空に20°程 の高さで見えています。いわゆる周極星となっていますが、太陽と合の位置に あり、真夜中が一番低くなります。8月下旬になるとさらに北上してきりん座 に入り、朝夕ともに高度が上がってきます。9月初旬には北極星に約7°まで接 近し、この頃まで朝夕の高度は上がり続けます。その後中旬にはこぐま座から りゅう座へと移動し、今度は夕方の彗星になります。この時期夕方の高度が急 激に高くなり条件が良くなってくる一方、明け方の空は急に低くなり見えなく なります。9月下旬にははくちょう座へと移動し、夕方にほぼ天頂付近に位置 し、未明に西に沈むまでずっと観測できるようになります。尚、9月末にはブ リュウィントン彗星に接近します。

    ・ ガン周期彗星(65P)

    ガン周期彗星〔65P/Gunn〕は既に先月24日に近日点を通過しました。この彗星 はここ数カ月の間、ずっと12〜13等で観測されています。これからは徐々に暗 くなっていくでしょう。

    今回の回帰では近日点通過の頃に衝に近く条件が良いため、眼視観測される可 能性もあったのですが、実際には光度上昇はそれほど急激ではなく、結局12等 止まりのようです。昨年1月以降の光度観測からの光度式は

    m1 = 7.7 + 5 log Δ + 10.0 log r
    となり、ごく平凡な光度変化をしたことが分かります。

    彗星は今月もさそり座の頭部にいて、相変わらず小惑星セレスと一緒に動いて いきます。辺りには目印となる星が多く、位置的には分かりやすくなっていま す。そろそろ夕方の西空に低くなってきました。薄明終了時の高度は、今月末 は約20°、9月末は約15°程度です。

    今シーズンの観測は事実上来月いっぱいで終了となりそうです。ただ、この彗 星は軌道の離心率が小さく円軌道に近いので、来年6月にまた15等で明け方の 空、くじら座に観測できるようになるでしょう。

    尚、現在彗星がいる辺りには星雲星団が多いので、明るい星雲星団との接近も 多いです。

    最接近期間彗星天体種類等級視直径離角
    8月16日〜17日13等M4球状星団5.9等26′前面通過
    8月16日12日間13等M4球状星団5.9等26′1°以内
    8月20日12日間13等アンタレス 1.0等 1°以内
    9月17日4日間13.5等M62球状星団6.5等14′
    9月17日4日間13.5等M19球状星団7.1等14′
    9月25日 13.5等NGC6304球状星団8.3等7′40′
    9月26日 13.5等NGC6316球状星団9.0等5′1.5°

    但し、西に低く、彗星の明るさもかなり暗いため、接近を楽しむのは難しいか もしれません。

    ・ デュトイト-ネウイミン-デルポール周期彗星(57P)

    今年の春、3月5日に近日点を通過したデュトイト-ネウイミン-デルポール周期 彗星〔57P/du Toit-Neujmin-Delporte〕が約6等にも及ぶバーストを起こして、 現在13等で明け方の空に見えています。

    この彗星は今回帰では、1995年5月に21等で捉えられていました。近日点通過 の頃はちょうど太陽と合になって観測できない位置にいましたが、予報ではせ いぜい18等のはずで、明け方の空に見え始めてもほとんど注目されていません でした。ところが、7月下旬に写してみたら何と13等台になってた、という訳 です。その後は12〜13等で観測されています。そこで、ここでは光度式を

    m1 = 6.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
    としました。

    この彗星は元々小さい彗星で、ふつうは見ることのできない対象です。ですが、 今回はこの彗星を見る絶好の機会となっています。手に届く方は、是非一度狙っ てみて下さい。

    彗星は今月から来月にかけてはおひつじ座で、明け方の空にかなり高く昇って います。位置的にはこれからしばらく条件良く観測できることになります。い つ頃バーストしたのか不明ですが、このままの明るさを保つとすれば、10月ま では13等台、11月に14等、1月には15等となります。もちろんこれよりも急に 減光する可能性も高いです。

    ・ ラッセル-ワトソン彗星(C/1996 P2)

    今月10日に、南天のちょうこくしつ座に13等の新彗星、ラッセル-ワトソン彗 星〔C/1996 P2 (Russell-Watson)〕が発見されました。発見時には、NGC613 (銀河、10等、6′)と約2°まで接近していました。その後の計算によると、既 に2月24日に近日点を通過しており、今後は徐々に減光していくようです。

    この彗星は近日点通過の頃は12〜13等でしたが、その頃は太陽に近くて観測で きない位置にいました。春になって太陽から離れてきましたが、南天にあるた め、日本からはちょうど見え始めて来たところです。9〜10月に衝となり、そ の頃までに14.5等にまでなっているでしょう。その後は徐々に北上しつつ西に 傾き、2月に西に低くなる頃には17.5等に達するでしょう。

    彗星は今後しばらくちょうこくしつ座にいて、日本からは南天に低く観測しづ らい状態が続きます。南に低く、南中前後の少しの間しか観測できません。8 月は薄明開始時(東京で3:30頃)に南の空、約25°の高さに見えています。9月 には、上旬には2:30、下旬には0:30に南中(東京)し、高度は約20°前後です。

    ・ コマスソラ周期彗星(32P)

    6月10日に近日点を通過したコマスソラ周期彗星〔32P/Comas Sola〕は現在太 陽と合となっており、観測できません。今回帰は条件は悪かったのですが、光 度は予想よりも明るめに観測されました。今年は3月までずっと15等程度でし た。昨年8月に20等で捉えられて以来の光度変化は、

    m1 = 5.5 + 5 log Δ + 22.5 log r
    という式で表されます。

    この彗星は今年の11月には再び明け方の空、おとめ座に姿を現します。その時 の光度はまだ16等ですので、CCD等では再び写すことができるでしょう。その 後は来年初めの頃まで追うことができます。

    ・ シュヴァスマン-ヴァハマン第1周期彗星(29P)

    2月に11等にも達する大バーストを起こしたシュヴァスマン-ヴァハマン第1周 期彗星〔29P/Schwassmann-Wachmann 1〕ですが、その後は極めて拡散してしま い、観測が難しい状態が続いていました。3〜4月は視直径4〜5′程度まで大き く拡散していましたが、最近は視直径1′以下にまで小さくなってきているよ うです。また、5月からは報告される光度も減光してきて、6月中旬には14等程 度になったようです。

    彗星はしし座の足元あり、現在太陽と合となって、観測できなくなっています。 次に見られるのは11月ですが、その時にはおそらく元の恒星状に戻っているで しょう。

    ・ マックホルツ第1周期彗星(96P)

    10月15日に近日点を通過する、近日点距離が0.12AUと極端に小さいことで有名 なマックホルツ第1周期彗星〔96P/Machholz 1〕が今月からいよいよ急増光し てきます。南天に位置し、今回帰ではまだ観測されていませんが、今月は16.5 →14.5等、来月は14.5→9等まで明るくなるはずなので、もうすぐ観測報告も 入るでしょう。尚、この彗星は、今回帰では日本からはまったく観測できませ ん。

    現在彗星はほぼ天の南極付近に位置し、南半球では周極星となって、一晩中観 測することができます。すぐ近くには小マゼラン雲があります。8月中旬以降 は北上を始め、はえ座の天の川に入ります。この頃の彗星は、南半球では夕方 の南の空に見えることになります。8月27日には、かの百武彗星と20′まで接 近します。この時百武彗星は10.5等、マックホルツ第1周期彗星は14.5等です。

    9月には南十字座に入ります。この頃から南半球でも夕方の南西の空で急に高 度が低くなり、条件が悪くなります。9月下旬にはケンタウルス座に達します が、その頃はもう観測できないでしょう。9月20日頃、10等程度になるまでが 観測可能期間だと思われます。眼視観測できるのは、9月中旬のほんの数日程 度になってしまうでしょう。

    近日点通過の頃は計算上は2等にまでなりますが、太陽に近くて観測できませ ん。その後もずっと太陽に近い状態が続き、日本で見られるようになる来年3 月下旬には既に20等以下となってしまうでしょう。事実上、日本からは今回帰 の観測はできません。

    ・ スペースウォッチ周期彗星(125P)

    初回帰のスペースウォッチ彗星〔125P/Spacewatch〕は3月に17等で検出され、 その後もずっと17等で観測されていました。ところが、先月7月はそれまでよ りも明るく、上旬に15.5等、下旬に14.5等程度で観測されています。近日点通 過は7月14日でしたので、今後は徐々に暗くなっていくと思われます。今月は 15等でしょう。

    今月は彗星はおとめ座からてんびん座に移動します。相変わらず夕方の西空に 見えています。薄明終了時の高度は約30°です。彗星は太陽に追われるように 急速に東進しており、11月下旬に沈むまで西空低く同じような位置に見えます。 9月にはてんびん座からへびつかい座に入ります。16等で、薄明終了時の高度 は25°程度でしょう。10月には、20日頃いて座の桜井天体の1°程南を通過し ます。11月に西に沈む頃には18等程度になっているでしょう。

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    ・ その他の彗星について

    小惑星から彗星になったキロン周期彗星〔95P/Chiron〕 ですが、今月もスピカの西で、夕空にずいぶんと低くなり、おそらく観測 はできないでしょう。8月初旬でも薄明終了時の高度は10°強しかありません。 下旬には既に地平線下になります。次に見られるのは12月になります。この彗 星は今年2月に初めての近日点通過を迎えましたが、近日点距離が8.5AUもある ので特に変化はなく、ずっと15等台の恒星状でした。今年の観測時期はこれで 終了ですが、近日点距離の大きさと、小惑星のように鈍い光度変化をすること により、CCDを使えば今後数年間は追い続けることができます。概略の光度変 化は、2000年頃に16等、2002年頃に17等、2004年頃に18等でしょう。

    1997年11月に近日点を通過するシューメーカー-ホル ト第1周期彗星〔P/1987 U1 (Shoemaker-Holt 1)〕はまだ検出されていま せんが、8〜9月はみずがめ座の三つ矢のあたりで16.5等のはずです。来月には 衝となります。ただ、先月に検出を試みた人がいますが、写らなかったようで すので、実際にはもっと暗い可能性が高いです。いずれにしても条件が良いの で、CCDが使える人は狙ってみてはどうでしょう。今シーズンはまだ近日点通 過1年前ですので、予報では夏から秋にかけて16.5等程度になります。来年2月 に17等で西に沈みますが、7月にまた16等で明け方に現れ、11月には15等にま でなります。その後も1〜2年程は観測されるでしょう。

    初回帰のパーカー-ハートリー周期彗星 〔119P/Parker-Hartley〕です。近日点通過は6月24日で、その頃は太陽に 近く観測できませんでしたが、ようやく明け方の空に見え始めます。近日点通 過前は、昨年夏から冬にかけて、19等から16等へと増光していく様子が観測さ れました。今後は太陽から遠ざかりますが、日心距離がほとんど変化しないの で、衝になる1月までずっと16等台で見られるでしょう。その後は5月に西に低 くなる頃に18.5等まで減光します。8〜9月はふたご座で、ヴィルト第2彗星と ずっと3°以内に接近したまま一緒に動いていきます。特に、8月1日頃は金星、 M1(かに星雲、8.3等、6′)とその2彗星が5°以内に接近しています。

    初回帰のシューメーカー-レヴィ第4周期彗星 〔118PShoemaker-Levy 4〕も再び明け方に見えるようになってきています。 昨年の夏から秋にかけて22等から20等へと増光した後、先月再び明け方に現れ た時には17等になっていました。これは予想よりも少し明るいです。今月はお うし座、9月はオリオン座で17.5→16.5等程度でしょう。近日点通過は来年1月 で、その頃にはちょうど衝となり、今回帰の条件は最良です。その頃には14.5 等にまでなるでしょう。その後6月に18等で西に沈むまでずっと観測できます。

    初回帰のヘリン-ローマン-アルー第1周期彗星 〔117P/Helin-Roman-Alu 1〕は昨年5月の検出以来ずっと17等で観測されて いましたが、今月はさそり座の頭部で西に低くなり、観測はいったん終了です。 近日点通過は1997年3月、近日点距離が3.7AUなので、来年5月にまた17等で観 測できるようになります。

    昨年の12月26日の朝に発見され、2〜3月にかけて8等まで明るくなった百武彗星〔C/1995Y1 (Hyakutake)〕は4月に11等になっ た後に大減光し、5月下旬には16等にまで暗くなりました。7月には17等台で捉 えられています。減光前後の光度式を比べると、

    m1 = 7.4 + 5 log Δ + 15.0 log r
    m1 = 10.0 + 5 log Δ + 14.5 log r
    となり、約3等弱暗くなったことが分かります。8〜9月はペガスス座で、位置 的には明け方の天頂付近と条件は良いのですが、明るさは18等以下でしょう。

    来年2月に近日点を通過する、初回帰のホルト-オルム ステッド周期彗星〔P/1990 R2 (Holt-Olmstead)〕が8〜9月にかけてみな みのうお座で衝となります。南に低くまだ検出されていませんが、予報では 17.5等になっているはずです。しかし、7月に検出を試みた人がいますが写ら なかったようですので、実際にはもっと暗い可能性もあります。今回帰の条件 は良くなく、近日点通過の頃は太陽に近く観測しづらく、光度も18.5等程度で す。今年の秋の方が光度も約1等程明るく、衝をすぎたばかりで位置的条件も 良く、検出されるなら今年の夏から秋にかけてでしょう。CCDをお持ちの方は 是非狙ってみて下さい。

    来年3月に近日点を通過し、その頃10等級になると予想されていたワータネン周期彗星〔46P/Wirtanen〕ですが、7月には 予想よりも1等ほど暗く、19等でした。8月はみなみのうお座で衝、9月はけん びきょう座に入ります。南に低く、すぐ夕方の西空に傾きますが、12月から来 年7月初めに16等になるまではずっと夕方の西空でほぼ同じ高度(25°)で見え 続けます。今回帰では、3月に12等程度になると思われます。尚、近くには初 回帰のホルト-オルムステッド周期彗星もいます。

    来年4月に近日点を通過するボーシン周期彗星 〔85P/Boethin〕は、今回帰はまだ観測されていません。8〜9月はいて座 の北西部で、天の川の真ん中にいます。近くにはM6(4.1等、15′)、M7(3.2等、 80′)などの散開星団があります。既に夕方には南中していて、9月下旬には西 に低くなり、10月には見えなくなります。今回帰の条件は最悪で、近日点通過 の頃は9.5等になるはずですが、太陽に近くずっと見えません。来月に西に沈 んだ後、次に見られるのは何と1年後の10月で、既に17等にまで暗くなってい るでしょう。

    来年5月に近日点を通過するヴィルト第2周期彗星 〔81P/Wild 2〕が明け方の空に見え始めます。今年の1月に20.5等でした が、今月はふたご座で18等程度でしょう。パーカー-ハートリー周期彗星と平 走しています。この彗星は来年1月から7月までずっと夕空で12〜13等で見られ るでしょう。近日点をはさんで、今後約1年の間観測し続けることができます。

    ロストコメットのトリトン周期彗星〔D/1978 X2 (Tritton)〕が、予報どおりならばそろそろ見え始めてくる頃です。現在 明け方にあり、8月はおうし座からぎょしゃ座、9月はふたご座へと移動します。 予想では19等から18等のはずです。近日点通過は11月で、その頃から地球に近 づく1月頃まで、16〜17等で観測できる位置にいます。その後衝を過ぎて、4月 には20等になります。今回帰の条件は悪くありませんが、果して見つかるでしょ うか。

    ロングモア周期彗星〔77P/Longmore〕は既に昨年10 月に近日点を通過していて、暗くなる一方です。今回帰では1995年の春に16〜 17等で観測されています。現在彗星はぼうえんきょう座にあり、日本からは見 えません。南半球では観測可能ですが、明るさは19等ですので、観測されない かもしれません。

    小惑星としても登録されているウィルソン-ハリントン 周期彗星〔107P/Wilson-Harrington〕は12月6日に近日点を通過します。 今回帰では既に5月に19等で観測されています。8月はてんびん座、9月はさそ り座で18等です。既にだいぶ西に傾いてきました。9〜11月は薄明終了時に20°よ りも低くなり、観測は困難です。その後は再び高度を上げ、来年3月頃まで充 分な高さを保ちます。この間はほぼ17等台です。その後は急激に暗く低くなり、 5月下旬には20等で西に沈みます。

    1997年9月に近日点を通過するヴォルフ-ハリントン周期 彗星〔43P/Wolf-Harrington〕がわし座で衝となり、頭上高く見えていま す。現在18.5等のはずですが、今回帰はまだ誰も観測していません。今後彗星 は1月に西に沈む頃17.5等まで増光した後、来年6月下旬に再び明け方の空、プ レアデス星団の側に14等で姿を現します。その後9月から1998年1月にかけて、 ずっと12等で見えることになります。さらに1998年6月に17等で西に低くなる まで、1年以上に渡って観測できるでしょう。

    初回帰のミューラー第2周期彗星〔P/1990 R1 (Mueller 2)〕もそろそろ検出されるかもしれません。現在はたて座で19 等で、11月下旬頃まで観測可能です。この彗星の近日点通過は1997年11月で、 その頃には15.5〜16等になると思われます。一旦合になった後、来年5月に再 び明け方の空に17.5〜18等で現れます。尚、今年の初夏の衝の頃に検出されて いないため、実際の光度はもっと暗い可能性もあります。

    昨年秋に6等までバーストしたシュヴァスマン-ヴァハマ ン第3周期彗星〔73P/Schwassmann-Wachmann 3〕が明け方の空高くなって きました。現在ヒアデス星団の中にいます。バースト自体はもう収まっている ので、相当暗くなっているはずです。2月に14等だったことから今月は19等と しましたが、実際はもっと暗いと思われます。

    有名なエンケ周期彗星〔2P/Encke〕が来年5月の近日 点に向かってゆっくりと増光してきます。8〜9月はうお座で19等です。すぐ南 には土星がいます。来月は衝となり、来年2月中旬に16等で西に沈むまで、徐々 に増光してくる様子が観測できます。近日点通過の頃は太陽に近く見えず、そ の後は急激に南下するため、今回帰の条件は南半球で良く、日本からはあまり 観測できません。近日点通過後、南半球では6月に7等で見え始め、その後秋に 18等になるまでずっと観測できるでしょう。日本からは8月中旬になってよう やく夕方南の空に見え始めますが、既に13等よりも暗くなっています。

    実に21回目の回帰を迎えたポン-ヴィネッケ周期彗星 〔7P/Pons-Winnecke〕ですが、今回帰はずっと太陽に近いため、全く見る ことができませんでした。ようやく明け方の空に見え始めてきましたが、既に 7月に19等になっています。8〜9月はエリダヌス座で、徐々に高くなってきま すが、観測は難しいでしょう。尚、8月初旬は青木氏によって7月27日に14等で 発見されたNGC1084の超新星SN1996anに近いです。

    5月29日に近日点を通過したはずのデニング-藤川周期彗 星〔72P/Denning-Fujikawa〕ですが、今回帰もまた観測されることなく去っ ていくようです。光度変化が極めて急激で、近日点通過の頃にしか観測できる 明るさになりません。今回帰では春に南半球でわずかな可能性がありましたが、 結局見つかりませんでした。8月はふたご座からかに座で、太陽に近く観測で きない位置にいます。9月にはしし座でようやく日本から明け方の空に観測で きる位置に来ますが、その頃には24等以下になっており、とても観測できない でしょう。

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    ・ 位置推算表

    ・ ヘール-ボップ彗星(C/1995 O1)

    m1 = -2.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  18 19.98   -9 14.8   3.659   2.753   148    5.8
    1996- 8- 5  18  6.69   -8 21.5   3.548   2.742   136    5.7
    1996- 8-15  17 55.04   -7 33.4   3.436   2.758   124    5.6
    1996- 8-25  17 45.51   -6 51.2   3.323   2.794   113    5.4
    1996- 9- 4  17 38.37   -6 14.3   3.209   2.844   102    5.3
    1996- 9-14  17 33.67   -5 42.0   3.094   2.898    91    5.2
    1996- 9-24  17 31.36   -5 12.6   2.977   2.952    81    5.1
    1996-10- 4  17 31.25   -4 44.4   2.859   2.999    72    4.9
    

    ・ ブリュウィントン彗星(C/1996 N1)

    m1 = 9.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  12 38.74   24 18.1   0.938   0.867    59    8.3
    1996- 8- 5  13  9.50   32 26.0   0.926   0.894    57    8.3
    1996- 8-15  13 41.40   39 36.8   0.948   0.921    58    8.5
    1996- 8-25  14 16.29   45 48.3   1.002   0.944    61    8.9
    1996- 9- 4  14 57.06   50 59.2   1.080   0.960    66    9.4
    1996- 9-14  15 47.20   55  1.5   1.177   0.974    72   10.0
    1996- 9-24  16 48.96   57 33.9   1.286   0.988    80   10.6
    1996-10- 4  17 59.91   58  4.8   1.402   1.012    88   11.2
    

    ・ コプフ周期彗星(22P)

    m1 = 8.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  19 24.97  -21 25.3   1.598   0.593   166    8.4
    1996- 8- 5  19 28.41  -22 36.2   1.616   0.632   157    8.7
    1996- 8-15  19 34.36  -23 29.5   1.640   0.686   148   10.9
    1996- 8-25  19 43.07  -24  1.8   1.669   0.756   141   11.2
    1996- 9- 4  19 54.35  -24 12.7   1.703   0.840   134   11.6
    1996- 9-14  20  7.72  -24  3.3   1.741   0.937   127   12.0
    1996- 9-24  20 22.77  -23 35.1   1.784   1.046   121   12.4
    1996-10- 4  20 38.98  -22 50.4   1.830   1.166   115   12.8
    

    ・ 百武彗星(C/1996 B2)

    m1 = 3.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   8 58.29  -69 54.6   1.933   1.653    89    8.0
    1996- 8- 5  10 20.06  -70  3.1   2.095   1.867    88    9.2
    1996- 8-15  11 24.36  -69  9.1   2.251   2.096    85    9.9
    1996- 8-25  12 13.84  -67 58.4   2.402   2.335    81   10.6
    1996- 9- 4  12 53.11  -66 51.9   2.549   2.577    77   11.2
    1996- 9-14  13 25.71  -65 57.2   2.693   2.820    72   11.7
    1996- 9-24  13 53.92  -65 16.2   2.833   3.058    67   12.2
    1996-10- 4  14 19.15  -64 48.3   2.970   3.289    62   12.7
    

    ・ アイラス周期彗星(P/1996 P1)

    m1 = 6.0 + 5 log Δ + 20.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   1  4.52  -62 53.3   2.001   1.335   116   12.7
    1996- 8- 5   0 48.68  -63 31.7   1.949   1.236   119   12.3
    1996- 8-15   0 20.83  -63 37.6   1.900   1.147   123   11.9
    1996- 8-25  23 42.60  -62 29.4   1.855   1.072   125   11.5
    1996- 9- 4  23  0.93  -59 25.9   1.815   1.014   127   11.2
    1996- 9-14  22 24.60  -54 11.9   1.781   0.980   127   11.0
    1996- 9-24  21 58.63  -47 10.0   1.752   0.972   124   10.8
    1996-10- 4  21 43.07  -39  8.3   1.730   0.994   120   10.7
    

    ・ ヴィルト第4周期彗星(116P)

    m1 = 1.4 + 5 log Δ + 27.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  10 48.60    8 47.2   2.009   2.727    36   11.8
    1996- 8- 5  11  9.57    6 24.5   2.000   2.772    33   11.7
    1996- 8-15  11 30.73    3 57.0   1.993   2.815    29   11.7
    1996- 8-25  11 52.08    1 26.3   1.990   2.854    25   11.7
    1996- 9- 4  12 13.62   -1  6.1   1.989   2.890    21   11.8
    1996- 9-14  12 35.36   -3 38.6   1.992   2.924    18   11.8
    1996- 9-24  12 57.32   -6  9.3   1.998   2.954    14   11.9
    1996-10- 4  13 19.50   -8 36.5   2.006   2.982    10   11.9
    

    ・ エヴァンス-ドリンクウォーター彗星(C/1996 J1)

    m1 = 6.5 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  11 40.53  -18 51.2   2.583   2.903    61   12.9
    1996- 8- 5  11 54.60  -19 13.6   2.477   2.900    55   12.8
    1996- 8-15  12 10.31  -19 47.6   2.370   2.887    50   12.5
    1996- 8-25  12 27.70  -20 31.8   2.264   2.864    44   12.3
    1996- 9- 4  12 46.84  -21 24.5   2.159   2.832    39   12.1
    1996- 9-14  13  7.83  -22 23.3   2.055   2.791    35   11.9
    1996- 9-24  13 30.82  -23 25.8   1.953   2.742    31   11.6
    1996-10- 4  13 55.94  -24 28.2   1.853   2.687    27   11.3
    

    ・ NEAT彗星(C/1996 E1)

    m1 = 9.0 + 5 log Δ + 18.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   7 59.56   60 10.8   1.353   1.945    40   12.8
    1996- 8- 5   8 14.62   64 32.9   1.359   1.804    48   12.7
    1996- 8-15   8 39.21   69 58.0   1.381   1.646    56   12.6
    1996- 8-25   9 32.12   76 36.6   1.417   1.483    66   12.6
    1996- 9- 4  12 40.64   82 36.6   1.467   1.331    76   12.6
    1996- 9-14  17 24.45   76 52.9   1.528   1.214    86   12.7
    1996- 9-24  18 45.87   63  4.2   1.600   1.160    95   13.0
    1996-10- 4  19 19.61   47 38.6   1.679   1.189    99   13.4
    

    ・ ガン周期彗星(65P)

    m1 = 7.7 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 6-26  16 11.04  -23 35.1   2.468   1.533   150   12.6
    1996- 7- 6  16  7.35  -24  8.1   2.465   1.597   140   12.6
    1996- 7-16  16  6.48  -24 42.4   2.462   1.678   130   12.7
    1996- 7-26  16  8.56  -25 18.5   2.462   1.774   121   12.9
    1996- 8- 5  16 13.48  -25 56.2   2.463   1.881   113   13.0
    1996- 8-15  16 21.01  -26 34.8   2.466   1.995   105   13.1
    1996- 8-25  16 30.90  -27 13.2   2.470   2.116    98   13.3
    1996- 9- 4  16 42.86  -27 50.0   2.475   2.240    91   13.4
    

    ・ デュトイト-ネウイミン-デルポール周期彗星(57P)

    m1 = 6.5 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   2 22.12   14  6.5   2.136   1.961    85   12.9
    1996- 8- 5   2 33.06   14 47.4   2.185   1.895    92   13.0
    1996- 8-15   2 41.68   15 14.5   2.236   1.829    99   13.1
    1996- 8-25   2 47.65   15 27.6   2.287   1.763   107   13.1
    1996- 9- 4   2 50.72   15 26.4   2.339   1.703   116   13.2
    1996- 9-14   2 50.71   15 10.9   2.392   1.651   126   13.3
    1996- 9-24   2 47.64   14 41.6   2.445   1.611   137   13.4
    1996-10- 4   2 41.83   13 60.0   2.498   1.589   148   13.5
    

    ・ ラッセル-ワトソン彗星(C/1996 P2)

    m1 = 7.3 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   1 32.90  -27 16.5   2.720   2.208   109   13.4
    1996- 8- 5   1 38.47  -28 53.8   2.794   2.197   115   13.5
    1996- 8-15   1 41.28  -30 35.0   2.869   2.197   122   13.6
    1996- 8-25   1 41.31  -32 13.9   2.947   2.212   128   13.7
    1996- 9- 4   1 38.75  -33 43.4   3.026   2.243   133   13.9
    1996- 9-14   1 33.95  -34 56.4   3.106   2.292   137   14.0
    1996- 9-24   1 27.53  -35 46.6   3.186   2.362   138   14.2
    1996-10- 4   1 20.27  -36 10.0   3.268   2.452   138   14.4
    

    ・ コマスソラ周期彗星(32P)

    m1 = 5.5 + 5 log Δ + 22.5 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   8 43.89   26 11.7   1.896   2.895     8   14.1
    1996- 8- 5   9 11.25   24 39.9   1.920   2.919     8   14.2
    1996- 8-15   9 37.56   22 55.7   1.948   2.942     8   14.4
    1996- 8-25  10  2.79   21  2.0   1.979   2.963    10   14.5
    1996- 9- 4  10 26.91   19  1.7   2.014   2.981    13   14.7
    1996- 9-14  10 49.96   16 57.4   2.052   2.996    16   14.9
    1996- 9-24  11 11.97   14 51.9   2.093   3.006    20   15.1
    1996-10- 4  11 32.98   12 47.1   2.137   3.011    24   15.3
    

    ・ シュヴァスマン-ヴァハマン第1周期彗星(29P)

    m1 = 4.0 + 5 log Δ + 7.5 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  10 30.23    4 55.6   6.267   7.080    34   14.2
    1996- 8- 5  10 36.58    4 15.8   6.268   7.159    26   14.3
    1996- 8-15  10 43.16    3 33.4   6.269   7.218    18   14.3
    1996- 8-25  10 49.87    2 48.9   6.269   7.257    11   14.3
    1996- 9- 4  10 56.65    2  2.7   6.270   7.274     5   14.3
    1996- 9-14  11  3.43    1 15.3   6.271   7.269     6   14.3
    1996- 9-24  11 10.14    0 27.1   6.272   7.242    13   14.3
    1996-10- 4  11 16.69    0 21.4   6.272   7.193    21   14.3
    

    ・ マックホルツ第1周期彗星(96P)

    m1 = 13.0 + 5 log Δ + 12.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   0 12.02  -80  0.8   1.944   1.288   114   17.0
    1996- 8- 5   2 15.98  -87 58.3   1.772   1.181   107   16.3
    1996- 8-15  11 28.33  -82 43.2   1.591   1.102    97   15.6
    1996- 8-25  11 57.66  -73 41.2   1.400   1.044    85   14.8
    1996- 9- 4  12 11.16  -64 33.9   1.198   1.000    73   13.9
    1996- 9-14  12 20.01  -55 13.3   0.978   0.962    59   12.8
    1996- 9-24  12 25.66  -44 52.3   0.735   0.923    44   11.2
    1996-10- 4  12 28.87  -31 15.2   0.454   0.888    27    8.6
    

    ・ スペースウォッチ周期彗星(125P)

    m1 = 10.5 + 5 log Δ + 20.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  13 55.17    0 56.7   1.544   1.289    83   14.8
    1996- 8- 5  14 20.34   -2  3.4   1.554   1.351    80   15.0
    1996- 8-15  14 46.42   -5  0.3   1.571   1.420    78   15.2
    1996- 8-25  15 13.27   -7 48.8   1.593   1.497    76   15.4
    1996- 9- 4  15 40.70  -10 24.3   1.620   1.581    73   15.7
    1996- 9-14  16  8.55  -12 43.0   1.653   1.673    71   16.0
    1996- 9-24  16 36.64  -14 42.1   1.689   1.774    68   16.3
    1996-10- 4  17  4.77  -16 19.8   1.730   1.881    65   16.6
    

    ・ キロン周期彗星(95P)

    m1 = 4.0 + 5 log Δ + 7.5 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  12 35.66   -5 26.7   8.475   8.820    66   15.7
    1996- 8- 5  12 39.30   -5 45.0   8.477   8.965    58   15.7
    1996- 8-15  12 43.39   -6  6.3   8.480   9.097    49   15.8
    1996- 8-25  12 47.88   -6 30.2   8.483   9.215    41   15.8
    1996- 9- 4  12 52.70   -6 56.4   8.486   9.314    33   15.8
    1996- 9-14  12 57.79   -7 24.2   8.490   9.393    24   15.8
    1996- 9-24  13  3.10   -7 53.4   8.493   9.451    16   15.8
    1996-10- 4  13  8.54   -8 23.2   8.497   9.486     7   15.9
    

    ・ シューメーカー-ホルト第1周期彗星(P/1987 U1)

    m1 = 8.5 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  23 17.31    0 14.5   3.926   3.164   132   16.9
    1996- 8- 5  23 14.79    0  3.3   3.899   3.040   143   16.8
    1996- 8-15  23 10.91   -0 18.4   3.871   2.938   153   16.7
    1996- 8-25  23  5.94   -0 49.5   3.844   2.862   164   16.6
    1996- 9- 4  23  0.26   -1 27.9   3.817   2.813   174   16.6
    1996- 9-14  22 54.36   -2 10.7   3.790   2.792   171   16.5
    1996- 9-24  22 48.78   -2 54.4   3.763   2.801   160   16.5
    1996-10- 4  22 44.04   -3 35.2   3.736   2.838   149   16.5
    

    ・ パーカー-ハートリー周期彗星(119P)

    m1 = 2.0 + 5 log Δ + 25.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   5 34.14   22 44.8   3.050   3.767    39   17.0
    1996- 8- 5   5 49.64   22 41.3   3.053   3.680    45   16.9
    1996- 8-15   6  4.56   22 31.6   3.057   3.584    51   16.9
    1996- 8-25   6 18.73   22 16.2   3.062   3.479    57   16.9
    1996- 9- 4   6 32.03   21 55.8   3.069   3.367    64   16.8
    1996- 9-14   6 44.29   21 31.3   3.075   3.248    71   16.8
    1996- 9-24   6 55.32   21  3.7   3.083   3.124    78   16.7
    1996-10- 4   7  4.94   20 34.1   3.092   2.998    85   16.6
    

    ・ シューメーカー-レヴィ第4周期彗星(118P)

    m1 = 10.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   3 38.44   12 29.4   2.395   2.592    67   17.8
    1996- 8- 5   3 55.60   12 56.0   2.358   2.448    72   17.5
    1996- 8-15   4 12.46   13 12.2   2.322   2.305    78   17.3
    1996- 8-25   4 28.82   13 17.7   2.287   2.162    83   17.1
    1996- 9- 4   4 44.47   13 12.4   2.254   2.021    89   16.8
    1996- 9-14   4 59.13   12 56.2   2.222   1.883    95   16.6
    1996- 9-24   5 12.48   12 30.0   2.193   1.750   102   16.3
    1996-10- 4   5 24.19   11 54.7   2.165   1.622   108   16.1
    

    ・ ヘリン-ローマン-アルー第1周期彗星(117P)

    m1 = 6.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  15 47.29  -19 48.9   3.822   3.271   115   17.3
    1996- 8- 5  15 49.03  -20 11.1   3.814   3.398   106   17.4
    1996- 8-15  15 52.48  -20 37.2   3.806   3.532    97   17.4
    1996- 8-25  15 57.53  -21  6.5   3.798   3.670    89   17.5
    1996- 9- 4  16  4.04  -21 38.0   3.791   3.808    81   17.6
    1996- 9-14  16 11.88  -22 11.1   3.784   3.943    73   17.6
    1996- 9-24  16 20.92  -22 44.7   3.777   4.072    65   17.7
    1996-10- 4  16 31.02  -23 18.1   3.771   4.194    58   17.8
    

    ・ 百武彗星(C/1995 Y1)

    m1 = 10.0 + 5 log Δ + 14.5 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   0 14.43   38 10.8   2.510   2.113   100   17.2
    1996- 8- 5   0  8.20   37 18.2   2.627   2.098   110   17.5
    1996- 8-15  23 59.54   35 55.4   2.742   2.091   120   17.7
    1996- 8-25  23 49.23   34  0.0   2.857   2.099   130   18.0
    1996- 9- 4  23 38.26   31 33.9   2.971   2.128   139   18.3
    1996- 9-14  23 27.63   28 43.2   3.084   2.185   147   18.5
    1996- 9-24  23 18.25   25 37.8   3.196   2.272   152   18.8
    1996-10- 4  23 10.71   22 29.9   3.307   2.392   151   19.2
    

    ・ ホルト-オルムステッド周期彗星(P/1990 R2)

    m1 = 11.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  22 26.63  -30 35.2   2.535   1.605   149   18.1
    1996- 8- 5  22 19.94  -31 10.4   2.502   1.536   157   17.9
    1996- 8-15  22 11.10  -31 33.1   2.470   1.490   161   17.8
    1996- 8-25  22  1.16  -31 35.5   2.439   1.469   158   17.6
    1996- 9- 4  21 51.46  -31 12.9   2.409   1.472   151   17.6
    1996- 9-14  21 43.30  -30 24.3   2.380   1.497   143   17.5
    1996- 9-24  21 37.71  -29 12.4   2.353   1.542   134   17.5
    1996-10- 4  21 35.25  -27 41.7   2.326   1.604   124   17.5
    

    ・ ワータネン周期彗星(46P)

    m1 = 11.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  22  5.94  -27 32.3   2.699   1.744   155   18.7
    1996- 8- 5  21 56.94  -29 13.7   2.626   1.641   162   18.4
    1996- 8-15  21 45.52  -30 51.8   2.551   1.565   163   18.1
    1996- 8-25  21 32.64  -32 15.7   2.476   1.517   156   17.8
    1996- 9- 4  21 19.72  -33 16.5   2.398   1.494   146   17.6
    1996- 9-14  21  8.29  -33 49.2   2.320   1.494   135   17.4
    1996- 9-24  20 59.74  -33 53.7   2.240   1.512   124   17.2
    1996-10- 4  20 54.92  -33 33.3   2.159   1.541   114   17.0
    

    ・ ボーシン周期彗星(85P)

    m1 = 6.5 + 5 log Δ + 20.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  17 51.36  -30  5.5   3.237   2.358   144   18.6
    1996- 8- 5  17 43.69  -29 51.6   3.155   2.373   133   18.4
    1996- 8-15  17 38.40  -29 34.5   3.071   2.405   122   18.2
    1996- 8-25  17 35.83  -29 16.4   2.987   2.451   112   18.0
    1996- 9- 4  17 36.06  -28 58.9   2.901   2.505   102   17.7
    1996- 9-14  17 39.03  -28 42.7   2.815   2.562    93   17.5
    1996- 9-24  17 44.64  -28 27.8   2.727   2.619    85   17.3
    1996-10- 4  17 52.69  -28 13.4   2.639   2.671    77   17.1
    

    ・ ヴィルト第2周期彗星(81P)

    m1 = 9.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   5 30.91   20 52.8   2.918   3.619    40   18.8
    1996- 8- 5   5 46.59   20 59.8   2.861   3.470    46   18.5
    1996- 8-15   6  2.29   21  0.5   2.803   3.311    52   18.3
    1996- 8-25   6 17.91   20 55.0   2.745   3.144    57   18.1
    1996- 9- 4   6 33.36   20 43.4   2.687   2.971    64   17.8
    1996- 9-14   6 48.54   20 26.0   2.628   2.794    70   17.5
    1996- 9-24   7  3.31   20  3.4   2.569   2.612    76   17.2
    1996-10- 4   7 17.53   19 36.4   2.510   2.429    82   16.9
    

    ・ トリトン周期彗星(D/1978 X2)

    m1 = 13.0 + 5 log Δ + 20.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   3 32.16   25 48.0   1.794   1.938    66   19.5
    1996- 8- 5   4  0.95   27 31.0   1.736   1.811    69   19.1
    1996- 8-15   4 31.61   28 57.1   1.682   1.691    72   18.7
    1996- 8-25   5  4.05   30  1.0   1.631   1.579    74   18.2
    1996- 9- 4   5 38.02   30 37.6   1.584   1.476    76   17.8
    1996- 9-14   6 13.09   30 42.5   1.543   1.382    78   17.5
    1996- 9-24   6 48.58   30 12.5   1.507   1.297    80   17.1
    1996-10- 4   7 23.75   29  6.6   1.478   1.220    82   16.8
    

    ・ ロングモア周期彗星(77P)

    m1 = 7.0 + 5 log Δ + 20.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  18 58.01  -58  0.3   2.982   2.145   138   18.1
    1996- 8- 5  18 49.28  -56 57.1   3.014   2.230   132   18.3
    1996- 8-15  18 44.25  -55 36.8   3.046   2.332   126   18.5
    1996- 8-25  18 42.96  -54  6.1   3.079   2.451   119   18.7
    1996- 9- 4  18 45.09  -52 30.6   3.111   2.582   112   18.9
    1996- 9-14  18 50.14  -50 53.7   3.144   2.725   105   19.1
    1996- 9-24  18 57.61  -49 17.6   3.177   2.875    98   19.3
    1996-10- 4  19  7.02  -47 43.1   3.210   3.030    91   19.5
    

    ・ ウィルソン-ハリントン周期彗星(107P)

    m1 = 16.5 + 5 log Δ + 5.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  15  0.20  -17 52.1   1.873   1.341   104   18.5
    1996- 8- 5  15  5.07  -17 54.4   1.790   1.374    95   18.5
    1996- 8-15  15 13.59  -18 11.4   1.707   1.403    88   18.4
    1996- 8-25  15 25.58  -18 40.1   1.623   1.425    81   18.3
    1996- 9- 4  15 40.86  -19 17.3   1.539   1.440    75   18.2
    1996- 9-14  15 59.39  -19 58.9   1.456   1.445    70   18.1
    1996- 9-24  16 21.18  -20 40.6   1.375   1.439    65   18.0
    1996-10- 4  16 46.27  -21 17.2   1.296   1.423    61   17.8
    

    ・ ヴォルフ-ハリントン周期彗星(43P)

    m1 = 8.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  20 47.75    4 24.7   3.686   2.738   155   18.7
    1996- 8- 5  20 39.52    4 19.0   3.638   2.678   158   18.6
    1996- 8-15  20 31.23    3 59.5   3.590   2.645   155   18.4
    1996- 8-25  20 23.52    3 28.2   3.541   2.640   148   18.3
    1996- 9- 4  20 17.00    2 48.3   3.492   2.660   139   18.3
    1996- 9-14  20 12.12    2  3.3   3.442   2.702   130   18.2
    1996- 9-24  20  9.23    1 17.0   3.391   2.761   121   18.2
    1996-10- 4  20  8.45    0 32.8   3.339   2.834   111   18.1
    

    ・ ミューラー第2周期彗星(P/1990 R1)

    m1 = 11.0 + 5 log Δ + 10.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26  18 38.92  -13 38.3   3.620   2.677   154   18.7
    1996- 8- 5  18 33.16  -13 52.8   3.588   2.716   144   18.7
    1996- 8-15  18 28.98  -14  9.8   3.557   2.779   133   18.7
    1996- 8-25  18 26.67  -14 28.4   3.525   2.859   123   18.8
    1996- 9- 4  18 26.36  -14 47.4   3.493   2.954   114   18.8
    1996- 9-14  18 28.07  -15  5.7   3.461   3.058   105   18.8
    1996- 9-24  18 31.74  -15 22.4   3.428   3.169    96   18.9
    1996-10- 4  18 37.22  -15 36.4   3.396   3.281    87   18.9
    

    ・ シュヴァスマン-ヴァハマン第3周期彗星(73P)

    m1 = 5.5 + 5 log Δ + 20.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   4  7.32   16 53.3   3.288   3.669    60   18.7
    1996- 8- 5   4 14.89   17 15.5   3.350   3.595    68   18.8
    1996- 8-15   4 21.10   17 32.6   3.411   3.510    76   18.9
    1996- 8-25   4 25.75   17 44.9   3.471   3.417    84   19.0
    1996- 9- 4   4 28.68   17 52.9   3.529   3.321    93   19.1
    1996- 9-14   4 29.70   17 56.7   3.586   3.224   102   19.1
    1996- 9-24   4 28.65   17 56.5   3.642   3.132   112   19.2
    1996-10- 4   4 25.48   17 52.4   3.697   3.049   123   19.3
    

    ・ エンケ周期彗星(2P)

    m1 = 11.0 + 5 log Δ + 12.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   0 37.94    9 43.1   3.381   2.885   110   19.6
    1996- 8- 5   0 35.48    9 56.5   3.329   2.696   120   19.4
    1996- 8-15   0 30.68    9 57.1   3.276   2.519   131   19.2
    1996- 8-25   0 23.39    9 42.5   3.220   2.360   142   19.0
    1996- 9- 4   0 13.64    9 11.1   3.162   2.224   154   18.7
    1996- 9-14   0  1.75    8 22.5   3.102   2.117   165   18.5
    1996- 9-24  23 48.41    7 18.4   3.039   2.042   172   18.3
    1996-10- 4  23 34.60    6  3.3   2.973   2.001   163   18.2
    

    ・ ポン-ヴィネッケ周期彗星(7P)

    m1 = 11.0 + 5 log Δ + 15.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   2 54.78   -7 40.5   2.503   2.377    85   18.9
    1996- 8- 5   3  1.80   -8 15.8   2.576   2.327    92   19.0
    1996- 8-15   3  6.55   -9  4.1   2.647   2.275   100   19.1
    1996- 8-25   3  8.79  -10  3.6   2.718   2.226   108   19.3
    1996- 9- 4   3  8.39  -11 11.2   2.788   2.183   116   19.4
    1996- 9-14   3  5.29  -12 22.9   2.857   2.150   125   19.5
    1996- 9-24   2 59.58  -13 32.9   2.924   2.133   134   19.6
    1996-10- 4   2 51.63  -14 34.6   2.991   2.135   142   19.8
    

    ・ デニング-藤川周期彗星(72P)

    m1 = 15.5 + 5 log Δ + 25.0 log r
      年 月 日     α        δ       r      Δ    Elong   m1  
    1996- 7-26   7 12.20   26 43.5   1.231   2.159    17   19.4
    1996- 8- 5   7 45.47   26  8.6   1.347   2.256    19   20.5
    1996- 8-15   8 15.16   25 15.2   1.464   2.345    22   21.5
    1996- 8-25   8 41.64   24 10.8   1.581   2.423    26   22.4
    1996- 9- 4   9  5.30   23  1.1   1.697   2.490    30   23.2
    1996- 9-14   9 26.47   21 50.2   1.812   2.542    34   24.0
    1996- 9-24   9 45.39   20 41.5   1.924   2.580    40   24.7
    1996-10- 4  10  2.26   19 37.4   2.035   2.602    45   25.3
    

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    ・ 星図 (PostScript)

    この星図は StellaNavigator Ver.2.0 for Windows (アストロアーツ編著 / アスキー出版局刊) によって作成したものです。

    ・ ヘール-ボップ彗星(C/1995 O1)
    ミューラー第2周期彗星(P/1990 R1)
    45KB
    ・ ブリュウィントン彗星(C/1996 N1)
    NEAT彗星(C/1996 E1)
    70KB
    ・ コプフ周期彗星(22P) 56KB
    ・ 百武彗星(C/1996 B2)
    マックホルツ第1周期彗星(96P)
    92KB
    ・ アイラス周期彗星(P/1996 P1)
    ロングモア周期彗星(77P)
    88KB
    ・ ヴィルト第4周期彗星(116P)
    シュヴァスマン-ヴァハマン第1周期彗星(29P)
    キロン周期彗星(95P)
    61KB
    ・ エヴァンス-ドリンクウォーター彗星(C/1996 J1) 64KB
    ・ ガン周期彗星(65P)
    ボーシン周期彗星(85P)
    62KB
    ・ デュトイト-ネウイミン-デルポール周期彗星(57P)
    シュヴァスマン-ヴァハマン第3周期彗星(73P)
    72KB
    ・ ラッセル-ワトソン彗星(C/1996 P2)
    ポン-ヴィネッケ周期彗星(7P)
    66KB
    ・ コマスソラ周期彗星(32P)
    デニング-藤川周期彗星(72P)
    75KB
    ・ スペースウォッチ周期彗星(125P)
    ヘリン-ローマン-アルー第1周期彗星(117P)
    ウィルソン-ハリントン周期彗星(107P)
    74KB
    ・ シューメーカー-ホルト第1周期彗星(P/1987 U1)
    エンケ周期彗星(2P)
    51KB
    ・ パーカー-ハートリー周期彗星(119P)
    シューメーカー-レヴィ第4周期彗星(118P)
    ヴィルト第2周期彗星(81P)
    トリトン周期彗星(D/1978 X2)
    103KB
    ・ 百武彗星(C/1995 Y1) 79KB
    ・ ホルト-オルムステッド周期彗星(P/1990 R2)
    ワータネン周期彗星(46P)
    51KB
    ・ ヴォルフ-ハリントン周期彗星(43P) 59KB

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