スケジューラは各要素のエネルギー U を、ステップ毎に、周囲の状況に従っ
て変化させていきます。
エネルギーが高い程、その時間にその彗星を観測すべき度合が強いことになりま
す。
その結果 となった場合には、時間jに彗星iを観測すべきと
みなし、 とします。
エネルギーは の間に限定します。
はじめに、条件の良い時間のエネルギーが高くなるように の初期値
を設定します。
ここで、彗星iの時間帯jに於ける修正光度を 、彗星iの修正光
度の最も明るい値を とします。
まず、彗星iの面積 を次のように定めます。
彗星の観測条件が時間によらず一定の場合に、面積が最小値 をとりま
す。
ここで、 は時間帯の総数です。
その場合、各時間帯j毎の彗星iを観測すべき重みは小さくします。
つまり、どの時間帯に観測しても構わないということです。
逆に、面積が大きい場合は、条件の悪い時間帯が多いという意味なので、条件の
良い時間帯の重みを大きくします。
以上の点を考慮し、エネルギーの初期値を以下のように定めます。
各ステップ毎の の変化量 は、以下のように定義
します。
まず、 とし、以下の手順で求めます。
- 増加
- その彗星を観測する時間帯がない
時間帯jが空いている時、エネルギーを増加させます。
修正光度が明るい、即ち条件の良い時間帯程大きく増加させます。
その時間帯に観測すべき彗星が既にある場合は増加させませんが、明るい彗星
を優先的に選択する場合で、彗星iの修正光度の方が明るい時には、エネルギー
を増加させます。
- 減少
- その時間帯に観測する彗星が2つ以上ある
観測できる時間帯の多い彗星程、大きく減少させます。
明るい彗星を優先的に選択する場合で、同じ時間帯に彗星iの修正光度よりも
明るい彗星がある場合は、さらに2を引きます。
- その彗星を観測する時間帯が2つ以上ある
修正光度が暗い、即ち条件の悪い時間帯程大きく減少させます。
- ランダム
局所解に陥らないために、ランダムを導入しています。
1割の確率で を1増加、1割の確率で を1
減少させています。
が求まったら、
とし、次のステップに進みます。
エネルギーの変化は、各要素毎に並行に行われる訳ではありません。
から まで、1要素ずつ順番に
の値が変化していきます。
を変化させる時には、他の全ての要素は変化し終わっ
ていて、その新しい を元に が計算されます。
|