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はじめに

C言語のような手続き型のプログラミングスタイルの全盛期はとうに去り、最近 はオブジェクト指向の考えに基づくプログラミングスタイルが一般になった。

オブジェクト指向が広まった原因は、コンピュータの進歩により、GUIが当たり 前になったためである。 従来のプログラムは、いったん起動したら書かれている手続きを順に実行してい き、最後に何らかの結果を出して終了するという形で動いていた。 しかし、GUIは本質的に、ユーザの何らかの操作に対応して、それに応じた処理 を行い、それが終わったらまたユーザからの操作を待つ、という、イベントドリ ブン型の動きをすることになる。 プログラムの動きがユーザ依存であるため、オブジェクト指向のプログラミング スタイルが適している。

最近はオブジェクト指向が広まったことで、逆に手続き型的な思考を軽視するよ うな向きも多少感じられる。 しかし、良く考えれば、プログラムの本質が手続きであるということは変わって いないことに気づくだろう。 イベントドリブンでも、あるイベントが発生した時には、何らかの処理を行う訳 で、この処理は手続きとして記述する他ない。 一般にオブジェクト指向言語について考えても、各オブジェクトのメンバ関数の 処理内容はすべて手続きとして記述しなければいけない。

このように、「プログラム=手続き」という枠組は変わっていない。 そのため、現在でも手続きを分かりやすく示すための努力は為されるべきだし、 そのためのソフトウェアの需要も高い。 逆に、他人の作ったプログラムの手続きを理解するのを助けてくれるためのソフ トウェアに対する需要も高くある。

本論文では、上記の2種類の需要を満たすソフトウェア pad2ps について 述べる。 pad2ps が用いている手続きを図示する方式は、一般に広まっているフロー チャートではなく、PAD と呼ばれるものである。 PAD を採用した理由については後述する。 本論文では、pad2ps を使って実際に何ができるか、その概要を述べ、さ らに pad2ps が有用であることを、実際にフリーソフトとして公開して使っ てもらった結果から証明する。

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Sat Mar 15 01:58:22 JST 1997