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現状では対応できない場合

一般の彗星に関して言えば、前述した機能だけでも「光度式を計算し、光度予想 をする」という目的に充分にかなっている。 現状に対して、例えば

  • 他のシミュレータの軌道ファイルでも出力したり、ICQ のデータフォー マットで書かれた光度データリストを読み込めるようにする。
  • 摂動によって軌道要素も時間に応じて変化していくため、光度式と同じ ように、軌道要素も時間ごとに複数登録できるようにする。
といった機能拡張を続ければ、それなりに良いソフトウェアとなるであろうと考 えられる。

しかし、現状のデータ管理の方法では、根本的に対応できない場合がいくつかあ る。

  • 彗星、小惑星などの既存の天体の種別に応じたデータベースシステムは、 彗星と小惑星の境が曖昧になっているという現実に応じていない。軌道要素を持 つ天体ならば構造的に同じであるので、等価に扱いたい。
  • 発見直後の彗星は軌道要素が定まっていない。複数の位置データから、 今度の位置推算を行いたい。また、軌道が決まっていなくても光度データは集まっ てくるので、せめて管理はできるようにしておく必要がある。
  • D/Shoemaker-Levy 9 や、地球接近時の 1996 JA1 のように、軌道要素よ りも位置予報情報をもとにした方がいい場合も有り得る。

さらに、以下のような要望も自然と出て来るだろう。

  • 新星や変光星の光度データのグラフを描きたい時、わざわざ別の方法で データを管理し、グラフを描くのは面倒。
  • 自分の観測結果を管理する場合、観測によって得られるデータは光度だ けではない。位置と光度を観測した場合、それぞれの意味ごとに別の管理方法に 従うことになるが、それは面倒。

前者は現在のシステムの欠点、後者は今後実現されれば利点となるものであるが、 前者の欠点を直すことと、後者の案に対応することは、意味としては同じ1つの 事柄を示している。 即ち、現在のような彗星の光度に限ったデータベースシステムではなく、もっと 汎用性のあるシステムを製作する必要がある、ということになる。

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