今週の明るい彗星 (2011年12月3日：北半球版)

English version
Home page
 Updated on December 4, 2011
先週 南半球版 来週

最適時刻と方位・高度は、北緯35度の地点での値です。
方位は、0度が南、90度が西、180度が北、270度が東を示しています。

---------------------------------------------------------------------

* ギャラッド彗星 (C/2009 P1)

現在は6.9等(11月26日、Juan Jose Gonzalez)。2011年から2012年にかけて、長期に渡って6〜8等の明るさを保つ。日本では、11月下旬から12月下旬には超低空となるが、その後は再び好条件で観測できる。南半球では、現在は観測できないが、低いながらも、2012年春には再び観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  17 30.41   20 53.8   2.111   1.577    44    6.3  18:18 (104, 17)  
Dec. 10  17 30.32   21 54.0   2.092   1.562    45    6.2  18:18 (109, 12)

* ラヴジョイ彗星 (C/2011 W3)

1970年のホワイト-オルティス-ボレッリ彗星以来、41年ぶりに地上から発見された、クロイツ群に属する太陽をかすめる彗星。12月15日に太陽の表面近くまで大接近する。現在、日本からは観測できないが、南半球では明け方の空に見えている。現在は11.6等で、眼視でも見えている(12月3日、Terry Lovejoy)。計算上は、近日点の頃にはマイナス等級になる。しかし、非常に小型の彗星のため、消滅してしまう可能性が高い。近日点の頃は地上からは見られないが、太陽観測探査機SOHOの画像で見られる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  14 36.36  -51 17.2   0.697   0.603    37   11.5   5:21 (324,-14)  
Dec. 10  16 39.57  -40 28.8   0.759   0.358    18    9.8   5:26 (305,-22)

* ヒル彗星 (C/2010 G2)

現在は9.9等(12月1日、Jim Pryal)。12月からは減光するが、日本からはしばらく非常に良い条件で観測できる。南半球では、2012年春に15〜16等になるまで観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   4  8.70   22 28.2   1.282   2.265   173   11.2  23:19 (  0, 77)  
Dec. 10   3 47.09   16 56.7   1.353   2.306   160   11.5  22:30 (  0, 72)

* タットル-ジャコビニ-クレサーク彗星 (41P)

今回帰は条件が悪く、まったく観測できない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  15 48.61  -14 58.0   2.025   1.087    12   11.6   5:21 (285, -5)  
Dec. 10  16 17.97  -16 18.6   2.053   1.115    12   12.0   5:26 (286, -5)

* ゲーレルス第２彗星 (78P)

現在は10.6等と、かなり明るい(11月28日、Marco Goiato)。秋から冬にかけて11〜12等の明るさで、条件良く観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  23 55.84    0 13.7   1.492   2.037   108   11.9  19:09 (  0, 55)  
Dec. 10   0  3.73    0 36.5   1.555   2.028   103   11.9  18:49 (  0, 56)

* レヴィ彗星 (P/2006 T1)

2006年に大バーストを起こし、9.5等まで明るくなって発見された新彗星の初回帰。1月に地球に0.2天文単位まで接近し、非常に好条件で観測できる。だが、明るさは予想がつかない。いまだ検出されていない。10月2日には20等だった(Jean-Francois Soulier)。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  22 37.35   34 19.9   0.416   1.151   102   13.2  18:18 ( 84, 84)  
Dec. 10  22 50.30   32  1.2   0.380   1.109    98   12.1  18:18 ( 74, 81)

* マクノート彗星 (C/2011 Q2)

2011年秋には13.9等の明るさで観測された(10月19日、佐藤英貴氏)。現在は観測できない。日本からは、2012年夏に15等以下になってから、再び観測できる。南半球では、今後は二度と観測できない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  18  2.94  -25  9.7   2.405   1.521    20   12.4  18:18 ( 61, -3)  
Dec. 10  18 24.75  -23  7.8   2.379   1.477    18   12.3  18:18 ( 64, -3)

* ジャコビニ-ツィナー彗星 (21P)

現在は12.2等で、眼視でも見えている(11月25日、吉田誠一)。1月から3月にかけて10等に達するが、その頃は超低空で観測困難。南半球では既に観測できない。日本でも、次第に夕空に低くなり、1月初めには高度が10度以下となる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  18 30.96   -3  9.2   2.117   1.410    33   13.1  18:18 ( 74, 16)  
Dec. 10  18 52.98   -3 41.1   2.076   1.351    32   12.7  18:18 ( 75, 14)

* クラーク彗星 (71P)

6月末に17.1等まで明るくなった(6月24日、J. F. Hernandez)。今回帰は条件が悪く、近日点の頃は見えない。南半球では、2012年4月に14等で明け方の空に現れる。日本では、2012年6月に15.5等になるまで見えない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  17  0.02  -24 48.7   2.548   1.572     6   13.4  18:18 ( 70,-15)  
Dec. 10  17 23.41  -25 39.1   2.547   1.569     5   13.3  18:18 ( 70,-16)

* アラン-リゴー彗星 (49P)

現在は13.0等と明るく、眼視でも見えている(11月25日、吉田誠一)。12月までは現在の明るさを保つ。その後は減光するが、5月に18等以下になるまでずっと条件良く観測できる。南半球ではやや低い。Juan Jose Gonzalez氏は11月24日に眼視で10.2等と、かなり明るく報告している。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  11  3.38    8  2.6   1.204   1.508    86   13.5   5:21 (331, 60)  
Dec. 10  11 19.50    8 30.5   1.177   1.535    90   13.6   5:26 (338, 62)

* シュヴァスマン-ヴァハマン第３彗星 (73P)

近日点の頃は、低空ながらも、12.3等まで明るくなった(10月19日、佐藤英貴氏)。現在は13.6等(11月21日、吉本勝己氏)。今回帰の観測条件は悪い。日本からは、今後は12月から2月にかけて、夕方の超低空にわずかに観測できるだけである。南半球ではずっと観測できるが、超低空にしか見えない。B核は、5月14日に20等以下で写らなかった(佐藤英貴氏)。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  19 36.37  -29 11.7   1.699   1.159    41   13.5  18:18 ( 44, 10)  
Dec. 10  20 10.73  -28  1.1   1.755   1.217    41   13.9  18:18 ( 44, 11)

* マクノート彗星 (C/2009 F4)

現在は13.9等と明るい(11月11日、K. Hills)。これから2013年にかけて、長期に渡って13〜14等の明るさで見える。日本からは観測できないが、南半球では条件良く観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  14 30.30  -86 47.4   5.797   5.459    65   13.5   5:21 (356,-34)  
Dec. 10  16  3.75  -88  3.7   5.795   5.457    65   13.5   5:26 (358,-35)

* ギブス彗星 (C/2011 A3)

8月から9月にかけて、14.1等まで明るくなった(8月11日、Artyom Novichonok and Vladimir Gerke)。現在は観測できない。2月末に14等で明け方の空に現れ、次第に減光していく様子を、南半球では条件良く観測できる。日本からはやや低い。2011年には、一部の眼視観測者は、10〜12等と、かなり明るく報告していた。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  17 19.69  -10 28.9   3.283   2.349    15   13.6  18:18 ( 79, -3)  
Dec. 10  17 35.53  -11 24.1   3.292   2.346    13   13.6  18:18 ( 80, -6)

* シュヴァスマン-ヴァハマン第１彗星 (29P)

明け方の空に現れてきた。現在は14.1等と明るいが、非常に拡散している(11月26日、高橋俊幸氏)。Juan Jose Gonzalez氏は、古いバーストの残光として非常に淡いコマが大きく広がっており、11月24日に全光度を10.0等と報告している。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  12 27.90  -10 21.7   6.696   6.262    60   14.1   5:21 (317, 34)  
Dec. 10  12 30.92  -10 50.5   6.594   6.262    66   14.1   5:26 (325, 37)

* 小惑星シーラ (596)

1906年に発見された巨大な小惑星。2010年12月11日に、突如として彗星活動を見せた。小天体が衝突したと思われる。眼視では11.5等と、かなり明るく観測された(2010年12月17日、Juan Jose Gonzalez)。2011年1月9日にもまだダストのコマが広がって見えていた(Joseph Brimacombe)。その後は13.8等の恒星状に戻った(4月5日、Juan Jose Gonzalez)。日本からは、明け方の空に現れてくる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  14 22.97   -5  6.0   3.282   2.552    36   14.3   5:21 (290, 18)  
Dec. 10  14 34.54   -6 10.7   3.219   2.544    39   14.3   5:26 (294, 21)

* ロニオス彗星 (C/2006 S3)

現在は14.3等で、眼視でも見えている(10月1日、Jakub Cerny)。2011年から2012年にかけて、長期に渡って13〜14等で観測できる。但し、11月から1月には、いったん観測できなくなる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  17 59.16  -13 37.4   6.136   5.233    21   14.3  18:18 ( 71,  3)  
Dec. 10  18  0.85  -13 46.9   6.163   5.223    15   14.3  18:18 ( 75, -2)

* ギブス彗星 (C/2010 M1)

2011年夏から2012年夏にかけて、長期に渡って14〜15等を保つと期待されていたが、行方不明。2010年6月に2日間しか観測されていないため、軌道はきわめて不確か。南半球では条件が良いが、日本からは、2012年8月まで観測できない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  17 44.09  -66 13.1   3.004   2.420    45   14.7  18:18 ( 27,-28)  
Dec. 10  18 10.97  -67 36.4   2.974   2.396    45   14.7  18:18 ( 25,-28)

* スワン彗星 (C/2011 Q4)

探査機の画像から発見された新彗星。9.4等とかなり明るく見えた(9月22日、Chris Wyatt)。日本では、明け方の空に現れてきた。いまだ13.2等と明るく、眼視でも見えている(11月24日、吉田誠一)。今後は減光していく様子を条件良く観測できる。南半球では、今後の観測は難しい。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  14 30.94    7 35.6   2.168   1.586    42   14.7   5:21 (278, 24)  
Dec. 10  14 31.11    9 59.3   2.111   1.660    50   15.0   5:26 (281, 32)

* リニア彗星 (C/2010 S1)

現在は13.6等で、眼視でも見えている(11月27日、Jakub Cerny)。2013年に13等に達し、条件良く観測できると期待されている。日本からはずっと観測できる。南半球では見えない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  23  3.13   57 49.5   6.546   6.979   112   14.7  18:18 (179, 67)  
Dec. 10  22 59.60   56 37.3   6.584   6.954   108   14.7  18:18 (168, 68)

* 本田-ムルコス-パイドゥシャーコヴァー彗星 (45P)

8月に地球に0.1天文単位以下まで大接近し、南天で8.0等まで明るくなった(8月14日、Willian Souza)。9月下旬に明け方の空に現れた後は、6.6等まで明るくなった(9月25日、Juan Jose Gonzalez)。現在は減光中だが、まだ13.5等で、眼視でも見えている(11月25日、吉田誠一)。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  13 16.84   -4 40.9   1.682   1.307    50   14.9   5:21 (302, 30)  
Dec. 10  13 28.42   -5 35.9   1.712   1.402    54   15.4   5:26 (307, 33)

* フォーブズ彗星 (37P)

10月12日に16.6等まで明るくなった(佐藤英貴氏)。だが、すでに観測できない。今後は18等以下になるまで観測できない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  17 53.22  -26 43.9   2.481   1.577    18   14.9  18:18 ( 61, -6)  
Dec. 10  18 17.17  -26 18.4   2.493   1.575    16   14.9  18:18 ( 62, -6)

* リニア彗星 (C/2011 F1)

2012年から2013年にかけて、9等に達すると期待されている。現在は15.6等(11月21日、S. Shurpakov)。すでに眼視でも14.6等で見えている(10月1日、Jakub Cerny)。日本からは、2012年の秋に10等級になるまで、ずっと観測できる。南半球では、近日点通過前はほとんど観測できないが、近日点通過後の2013年以降は条件良く観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  14 22.11   43 36.9   5.032   4.825    72   15.3   5:21 (240, 41)  
Dec. 10  14 30.63   43 36.5   4.917   4.764    75   15.2   5:26 (241, 45)

* マクノート彗星 (C/2011 R1)

現在は15.3等(11月20日、K. Hills)。2012年夏から2013年夏にかけて、長期に渡って13等で観測できると期待されている。南半球では非常に条件が良いが、日本からは最盛期は観測できない。しばらく16等で、ゆっくりと増光していく様子を観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   1 32.98  -33 48.9   3.666   4.100   109   15.4  20:45 (  0, 21)  
Dec. 10   1 25.76  -34 10.7   3.708   4.041   102   15.4  20:10 (  0, 21)

* ファン・ネス彗星 (213P/2009 B3)

2005年に大バーストを起こし、13等の明るさに達した新周期彗星の初回帰。今回も、2011年の夏から秋にかけて、12等まで明るくなった。現在は減光中。すでに15.0等まで暗くなった(11月27日、Jakub Cerny)。2月に17〜18等になるまで、ずっと条件良く観測できる。B核が20等で、C核とD核が21〜22等で観測されている。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  23  4.88    5 30.6   2.077   2.435    99   15.7  18:18 (  0, 61)  
Dec. 10  23 12.44    6  3.5   2.184   2.458    94   15.9  18:18 ( 10, 61)

* ワイズ彗星 (P/2010 JC81)

8月初めに明け方の空に現れてきた時に、彗星であることが判明した。13.8等の明るさで眼視でも見えた(9月4日、Sandor Szabo)。現在は減光中。すでに16.8等まで暗くなった(11月20日、A. Diepvens)。日本からは、2012年の夏まで、長期に渡って非常に条件良く観測できる。南半球ではまったく観測できない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  11 48.48   49 18.2   2.679   2.939    95   16.0   5:21 (225, 66)  
Dec. 10  11 55.07   49 58.7   2.663   2.991    99   16.1   5:26 (217, 70)

* エレーニン彗星 (C/2010 X1)

予想を上回って増光し、8月半ばには8.1等に達した(8月19日、Michael Mattiazzo)。しかし、核が崩壊し、急激に拡散・減光した。すでに、本体は22.5等以下で写らない(10月23日、Jakub Cerny)。だが、10月下旬には、細長く伸びた、極めて大きく拡散した彗星の残骸がCCD画像で捉えられた。Juan Jose Gonzalez氏は、11月24日にもまだ眼視で残骸は見えており、全光度を9.5等と報告している。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   3 25.83   22 56.8   0.773   1.742   164   16.0  22:37 (  0, 78)  
Dec. 10   3 17.89   22  1.5   0.910   1.851   155   16.7  22:02 (  0, 77)

* ジョンソン彗星 (48P)

急激に増光し、夏には14.2等に達して、眼視でも見られた(8月1日、Juan Jose Gonzalez)。現在はゆっくりと減光中。だが、まだ15.8等と明るい(10月31日、津村光則氏)。冬に17〜18等になるまで観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  21 49.66  -23 32.2   2.460   2.343    71   16.4  18:18 ( 20, 29)  
Dec. 10  22  1.76  -22 32.0   2.545   2.353    67   16.6  18:18 ( 24, 29)

* コワルスキー彗星 (C/2011 S2)

現在は16.2等(11月15日、佐藤英貴氏)。10月から11月にかけて16等を保ったが、冬には18等以下になる。日本からは明け方の空で、ずっと同じ高さを保つ。南半球では、現在は超低空だが、次第に高くなる。Juan Jose Gonzalez氏は10月9日に、眼視で11.3等の拡散状の姿で見えると報告している。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  12 50.98  -17 22.5   1.585   1.259    52   16.5   5:21 (316, 25)  
Dec. 10  13 10.13  -20 31.3   1.614   1.312    54   16.7   5:26 (321, 24)

* ニート彗星 (246P/2010 V2)

現在は16.5等と明るい(11月30日、佐藤英貴氏)。2010年の秋に検出された時は20.5等とたいへん暗かったが、急激に増光した。2012年から2013年にかけて、長期に渡って15等を保ち、条件良く観測できる。但し、2013年には、日本からはやや低くなる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  12 50.02   10 30.3   3.892   3.571    63   16.6   5:21 (293, 45)  
Dec. 10  12 57.04   10  6.8   3.784   3.553    69   16.5   5:26 (300, 50)

* ガン彗星 (65P)

2010年には12等まで明るくなった。現在は減光中。すでに16.2等まで暗くなった(11月14日、V. Gerke, A. Novichonok, S. Plaksa)。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   1 30.42    1 23.0   3.270   3.984   130   16.6  20:43 (  0, 56)  
Dec. 10   1 28.81    1 35.0   3.373   4.001   123   16.7  20:13 (  0, 57)

* クロンメリン彗星 (27P)

1984年以来、27年ぶりに戻ってきた。急激に増光し、9.1等とたいへん明るくなった(7月10日、関勉氏)。近日点通過後は、明るい状態を保っている可能性がある。スワン画像では、9月17日にもまだ見えていた(佐藤裕久氏)。関勉氏は、不確実ながらも、11月初めにおよそ15等級と報告している。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  13 52.36  -30 24.4   2.793   2.094    37   16.6   5:21 (314,  6)  
Dec. 10  14  4.13  -31 28.7   2.827   2.180    40   17.0   5:26 (318,  8)

* レモン-サイディング・スプリング彗星 (C/2008 FK75)

現在は16.9等(11月14日、A. Tudorica, T. Badescu)。今後はゆっくりと暗くなっていく。日本からは、2012年春に17〜18等になるまで、ずっと観測できる。南半球では、ほとんど観測できない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  22 38.95   37 40.1   5.334   5.655   104   16.7  18:18 (119, 84)  
Dec. 10  22 43.09   36 38.2   5.445   5.687    99   16.7  18:18 (103, 80)

* リニア彗星 (C/2011 M1)

極めて拡散しており、CCDでもほとんど写らない。中心核は、すでに18等以下(10月15日、Jean-Francois Soulier)。彗星はすでに崩壊した可能性が高い。だが、Juan Jose Gonzalez氏は9月25日に眼視で9.5等と、かなり明るく報告している。日本からは、11月から12月にかけて、高度は20度を越える。南半球では、11月上旬に見え始め、その後は急激に高くなる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  11 53.62  -23 56.7   1.893   1.709    64   16.7   5:21 (333, 26)  
Dec. 10  11 52.90  -28 12.3   1.891   1.799    69   16.9   5:26 (342, 24)

* マクノート彗星 (C/2011 L2)

2011年の夏から2012年の春にかけて、長期に渡って17等を保つ。南半球ではずっと条件良く観測できる。日本からは、2012年春に18等以下になるまで観測できない。8月以降、観測されていない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  13 27.52  -69 32.9   2.375   1.982    55   16.8   5:21 (343,-21)  
Dec. 10  13 16.54  -70 38.6   2.343   2.001    57   16.9   5:26 (347,-19)

* スペースウォッチ-パンスターズ彗星 (P/2011 UA134)

現在は16.8等と明るい(11月23日、Catalina Sky Survey)。10月末に発見された時は21等とたいへん暗かったが、急激に増光した。1月いっぱいは17等を保つ。その後は急減光するかもしれない。南半球ではやや低いが、日本からは好条件で観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   4 31.67   32 13.6   1.074   2.052   169   17.0  23:43 (  0, 87)  
Dec. 10   4 27.10   32 55.5   1.080   2.052   166   16.9  23:11 (  0, 88)

* クリステンセン彗星 (164P)

現在は16.8等(11月15日、V. Gerke. A. Novichonok, S. Plaksa, D. Chestnov)。近日点を過ぎた後に明るくなる傾向がある。日本からは、秋から冬にかけて、17等で条件良く観測できる。南半球では低空のため、観測は困難。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  11  1.45   20 23.9   2.125   2.369    91   17.0   5:21 (317, 71)  
Dec. 10  11  8.05   20 47.9   2.077   2.409    97   16.9   5:26 (334, 74)

* カーディナル彗星 (C/2010 B1)

2010年の秋から冬にかけて、14等に達した。現在は減光中。すでに16.6等まで暗くなった(9月14日、佐藤英貴氏)。南半球では、次第に減光していく様子を条件良く観測できる。日本からは二度と見えない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   2 27.12  -80 21.9   4.249   4.127    76   17.0  21:35 (  0,-25)  
Dec. 10   1 43.64  -79 35.9   4.335   4.173    73   17.0  20:25 (  0,-24)

* ワイズ-ギャラッド彗星 (C/2010 FB87)

昨年11月に近日点を通過しているが、現在もまだ16.4等と、予想外に明るい(11月6日、A. Tudorica, T. Badescu)。これから冬にかけて、非常に条件良く観測できる。しばらく16〜17等を保ちそう。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   6 43.88    3 28.1   3.875   4.705   143   17.0   2:00 (  0, 58)  
Dec. 10   6 36.10    4 14.0   3.867   4.754   151   17.0   1:24 (  0, 59)

* 小惑星ファエトン (3200)

現在は17.5等(11月5日、LINEAR)。これから3月にかけて、17〜18等で条件良く観測できる。南半球では低い。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   2 48.97   35 10.3   1.185   2.114   153   17.0  22:00 (180, 90)  
Dec. 10   2 30.53   32 53.5   1.191   2.074   144   17.1  21:14 (  0, 88)

* ボアッティーニ彗星 (C/2008 S3)

現在は17.5等(11月15日、 A. Diepvens)。2011年から2012年にかけて、長期に渡って17等で観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  23 32.16   12 12.7   7.736   8.091   107   17.0  18:45 (  0, 67)  
Dec. 10  23 30.00   11 49.5   7.864   8.097   100   17.1  18:18 (  2, 67)

* マクノート彗星 (C/2005 L3)

2007年から2009年にかけて13〜14等に達し、眼視でも見えた。現在は減光中だが、まだ17.5等と明るい(10月28日、門田健一氏)。日本からは、2012年の初夏まで、非常に条件良く観測できる。南半球では、超低空にしか見えない。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  10 56.36   36 27.0  10.824  11.017    98   17.1   5:21 (259, 80)  
Dec. 10  10 55.23   36 46.2  10.752  11.053   105   17.1   5:26 (242, 86)

* マクノート彗星 (C/2011 G1)

現在は16.4等(11月23日、Catalina Sky Survey)。2011年の春には17.5等で、南半球で条件良く観測された。この冬は17等で、日本から条件良く観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  10 29.01   19 37.0   1.978   2.337    98   17.2   5:21 (340, 74)  
Dec. 10  10 15.50   22 41.2   1.851   2.369   109   17.1   5:03 (  0, 78)

* スコッティ彗星 (244P/2010 Q1)

現在は17.3等(11月21日、J. F. Soulier)。2013年にかけて、長期に渡って18等で観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   5 29.96   26 15.3   2.957   3.923   166   17.3   0:46 (  0, 81)  
Dec. 10   5 25.27   26 12.9   2.940   3.922   174   17.3   0:14 (  0, 81)

* アッシュ彗星 (P/2011 N1)

現在は17.5等(11月14日、K. Hills)。2013年の初めにかけて、17〜18等を保つ。日本からは低空だが、南半球では2012年の初めにかけて、条件良く観測できる。日本からは、2012年の秋から2013年にかけて、条件良く観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   0 25.76  -38 18.6   2.892   3.154    96   17.3  19:38 (  0, 17)  
Dec. 10   0 27.46  -36 29.2   2.945   3.133    91   17.3  19:12 (  0, 19)

* ニート彗星 (240P/2010 P1)

2010年10月に近日点を通過して減光していたが、2011年4月5日にバーストを起こして再増光した。5月には14.7等に達した(5月28日、佐藤英貴氏)。7月以来、観測できなくなっていたが、明け方の空に現れてきた。現在もまだ17.3等と、予想外に明るい(11月26日、佐藤英貴氏)。南半球では低いが、日本からは好条件で観測できる。しばらく17等を保ちそう。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  13 12.96   14 57.6   3.938   3.578    61   17.3   5:21 (284, 44)  
Dec. 10  13 19.53   14 44.7   3.880   3.607    66   17.4   5:26 (289, 49)

* 小惑星2008 YB3

彗星のような軌道を持つ特異小惑星。現在は18.4等(10月26日、佐藤英貴氏)。2008年から2014年にかけて、長期に渡って18等で観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   8  7.04    9 23.3   5.956   6.604   127   17.5   3:22 (  0, 64)  
Dec. 10   8  3.53    9 56.7   5.871   6.610   135   17.4   2:51 (  0, 65)

* スパール彗星 (242P/2010 P3)

現在は17.4等(11月24日、V. Gerke. A. Novichonok, S. Plaksa, D. Chestnov)。秋から冬にかけて、18等で条件良く観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   3  3.22  -15  4.3   3.244   4.019   136   17.6  22:15 (  0, 40)  
Dec. 10   3  0.42  -15 10.9   3.296   4.014   131   17.7  21:45 (  0, 40)

* パンスターズ彗星 (253P/2011 R2)

現在は17.2等(11月14日、V. Gerke, A. Novichonok, S. Plaksa)。しばらく条件良く観測できるが、12月には18等以下になる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  23 43.45   -7 27.2   1.580   2.041   102   17.6  18:57 (  0, 48)  
Dec. 10  23 52.19   -6 26.6   1.655   2.043    98   17.7  18:38 (  0, 49)

* リネ彗星 (P/2011 W2)

現在は17.4等(11月29日、F. Losse)。これからしばらく条件が良いが、現在がピークで、2月には18等以下になる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   7 58.22    4 47.5   1.617   2.355   127   17.8   3:13 (  0, 60)  
Dec. 10   7 57.74    3 41.0   1.572   2.366   134   17.7   2:45 (  0, 59)

* メトカーフ-ブルーイントン彗星 (97P)

現在の明るさは、10月22日には16.9等(Artyom Novichonok)、10月30日に20.7等(佐藤英貴氏)、11月4日に18.2等(Artyom Novichonok)と、大きくばらついている。短期間で変光しているかもしれない。この彗星は、1991年に大バーストを起こして再発見された。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3   5 54.43   -3  3.2   1.813   2.702   148   17.7   1:10 (  0, 52)  
Dec. 10   5 50.17   -3 28.4   1.810   2.716   151   17.8   0:38 (  0, 52)

* マクノート-ヒューズ彗星 (130P)

8月には14.0等に達し、眼視でも見えた(8月1日、Juan Jose Gonzalez)。現在は減光中。まだ16.1等と明るい(11月17日、 V. Gerke, A. Novichonok, S. Plaksa, D. Chestnov)が、まもなく18等以下になる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  23 23.00  -12 58.0   2.096   2.408    96   17.8  18:36 (  0, 42)  
Dec. 10  23 30.49  -11 45.2   2.204   2.432    91   18.0  18:18 (  1, 43)

* リニア彗星 (C/2011 J2)

2013年から2014年にかけて、長期に渡って13等を保ち、日本からは条件良く観測できると期待されている。現在は18.3等(11月7日、佐藤英貴氏)。2012年6月まで、17〜18等で条件良く観測できる。 

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Dec.  3  11 34.17   -3 51.4   7.430   7.234    74   17.9   5:21 (327, 46)  
Dec. 10  11 34.64   -3 42.2   7.262   7.188    81   17.9   5:26 (338, 49)

---------------------------------------------------------------------

Copyright(C) Seiichi Yoshida (comet@aerith.net). All rights reserved.