今週の明るい彗星 (2005年6月4日:北半球版)

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Updated on June 10, 2005
先週 南半球版 来週

最適時刻と方位・高度は、北緯35度の地点での値です。

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* C/2004 Q2 ( Machholz )

1月上旬の最盛期には、3.5等、視直径30分角という巨大な姿が、頭上高く、たいへん明るく見えた。その後は次第に暗くなってきており、現在は9.8等(6月6日、吉田誠一)。視直径は約6分角と、だいぶ暗く小さくなったが、望遠鏡ではまだ良く見えている。日本からは、10月に14等になるまで、眼視で見える時期はずっと好条件で観測できる。5月下旬には、Dennis Persykによって、27分角にも及ぶ長いアンチ・テールが捉えられた。現在、彗星から見た地球の緯度は約10度と小さくなっており、アンチ・テールが見やすい条件になってきている。今後、6月下旬に地球が彗星軌道面を通過するので、しばらく長いアンチ・テールが見られるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  12 47.28   44  5.9   1.937   2.244    93    9.9  20:54 (132, 76)  
June 11  12 54.51   40 55.7   2.058   2.322    91   10.2  20:59 (115, 72)  

* C/2003 T4 ( LINEAR )

発見以来、4月初めに近日点を通過するまで、ずっと、ふつうの彗星より鈍い増光が続いてしまった。3月中旬から5月初めまで8等を保ったが、5月中旬には8.4等と、予報通り、少し暗くなり始めたようだ(5月12日、Michael Mattiazzo)。今後、日本からは、9月下旬に明け方の超低空に14等で現れるまで観測できない。南半球でも、7月上旬まではずっと高度が20度以下と低くなってしまう。その間に、彗星は12等まで、急激に暗くなってしまうだろう。しかし、5月中旬以降の観測がなく、減光の様子が良く分からない。軌道計算では、異常に大きな非重力効果が現れているが、その意味はまだ明らかにされていない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   4 47.41  -37 49.4   1.564   1.379    60    9.9   3:02 (288,-53)  
June 11   5 14.18  -36 40.1   1.690   1.469    59   10.3   2:59 (286,-53)  

* 9P/Tempel 1

2月になっても13.9等以下で眼視では見えなかった(2月5日、吉田誠一)が、その後は予報通りに急激に増光し、4月末には10.6等に達した(4月30日、村上茂樹氏)。その後は10等と明るく見え続けており、現在も10.1等(6月6日、吉田誠一)。但し、当初の予報よりは0.5等ほど暗い。ほどよく集光していて見やすい。予報では、7月末まで10等を保つ。だが、7月4日のディープ・インパクト・ミッションによって、肉眼彗星になる可能性がある。実際には、人類史上初めての計画であり、どのような変化をするかまったく不明であるので、ぜひ観測すべき。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  12 58.30    2  7.7   0.766   1.539   118   10.1  20:54 ( 21, 55)  
June 11  13  4.47   -0 27.4   0.790   1.526   114   10.1  20:59 ( 30, 50)  

* 21P/Giacobini-Zinner

3月14日には15.2等と暗かった(大島雄二氏)が、4月中に増光し、5月2日には12.3等で眼視でも見え始めた(Juan Jose Gonzalez)。彗星はその後も増光を続け、現在は10.2等に達している(6月6日、Juan Jose Gonzalez)。わずかに、この予報より暗い状態が続いている。これから7月まで10等を保つ。しかし、ずっと明け方の空低くにしか見えない。高度は、9月に12等以下になるまで、ずっと20度以下。10月に13等以下になってから、ようやく30度を超えるようになる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   1  9.65   23 59.8   1.453   1.114    49   10.3   3:02 (255, 22)  
June 11   1 42.80   24  8.0   1.437   1.082    48   10.1   2:59 (254, 20)  

* C/2005 K2 ( LINEAR )

新彗星。発見光度は18.7等とかなり暗く報告されていたが、Michael Jagerの観測で、5月24日に13〜14等と、予想外に明るいことが判明した。その後も急激に増光を続け、6月6日には11.7等(吉田誠一)、6月9日には9.8等(Juan Jose Gonzalez)と、かなり明るくなっている。視直径は2〜4分角と大きい。拡散状だが、完全に拡散しきっている訳ではなく、見やすい。7月5日に近日点を通過し、太陽に0.54AUまで近づく。地球にもかなり接近するため、6月には夕空で10等で見える。日本からは6月下旬まで観測できる。南半球では、6月下旬から7月上旬にかけて夕空低くにしか見えない。7月以降は急激に暗くなっていくだろう。南半球では8月に、日本からも9月には、明け方の空に再び現れるが、14〜15等になっているだろう。絶対光度が13〜14等と暗い彗星のため、近日点を通過する際に衰退し、通過した後は予報よりはるかに暗くなってしまう可能性もある。Giovanni Sosteroと中村彰正氏は、5月末から6月初めの1週間に、急激に集光が強くなったと指摘している。また、最近の増光は、異常にペースが速い。これは、衰退の兆しかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   8 12.36   74 50.9   0.693   0.882    58   11.7  20:54 (160, 36)  
June 11   8 43.52   54 59.2   0.639   0.773    49   10.5  20:59 (136, 31)  

* C/2005 A1 ( LINEAR )

日本から見えていた1月は11等台で小さい姿だったが、南天に去った後の3月から4月にかけて、8.0等と双眼鏡でも見える明るさになった(3月4日及び4月7日、Alexandre Amorim)。予報では、4月中旬から減光していくはずだったが、5月12日にもまだ8.9等(Michael Mattiazzo)と、この予報よりも1等ほど明るい状態を保っている。南半球でもしばらく高度が低かったが、今後は再び高くなり、暗くなっていく様子を観測できるだろう。日本からも、久しぶりに明け方の空に現れてくる。4月中旬以降の観測が1つしかなく、減光の様子が良く分からない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   2  0.61   -3 21.8   1.749   1.315    48   10.9   3:02 (271, -4)  
June 11   2  1.00   -0 15.3   1.751   1.399    52   11.2   2:59 (272,  3)  

* 161P/2004 V2 ( Hartley-IRAS )

1月中旬には18.5等と、予報より暗かった。その後はしばらく観測できなかったが、明け方の低空に姿を現してきた5月12日には14等と、急激に明るくなってきていることが確認された(Michael Mattiazzo)。6月2日には11.8等で眼視でも見え始めた(Juan Jose Gonzalez)。予報通りに急激に増光してきているが、前回の出現よりは、1等ほど暗い。日本では、今後はずっと観測可能で、7月から8月にかけて9等に達すると期待されている。但し、発見時は近日点を過ぎてから予想外の増光をし、近日点通過の45日後に最大光度となっている。それがバーストによるものであれば、今回は11.5等止まりの可能性もある。南半球では、まもなく見えなくなる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   1 31.13   33 13.8   1.809   1.296    44   11.9   3:02 (244, 22)  
June 11   1 40.44   39 55.5   1.709   1.282    48   11.7   2:59 (239, 28)  

* 37P/Forbes

1月には19等だったが、予報通りに急激に増光して、5月20日には13.4等に達している(津村光則氏)。6月7日には、遂に眼視でも12.5等で見え始めた(John Drummond)。9月まで長期に渡って12〜13等で見えると期待されている。なお、前回の回帰では、眼視ではこの予報より1.5等ほど明るかった。今回も、眼視では11.0等前後に達する可能性もある。しかし、南半球では好条件だが、日本からはずっと南に低い。特に、6月末までは高度が15度と最も低くなるため、眼視で見るには、7月〜8月の方が見やすいだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  15 48.76  -40 34.7   0.694   1.678   157   12.7  22:56 (  0, 14)  
June 11  15 46.19  -39 53.7   0.680   1.656   154   12.5  22:26 (  0, 15)  

* C/2003 K4 ( LINEAR )

観測不可能。1月初めには7.5等と、双眼鏡で楽に見える明るさだったが、その後は夕空で急激に拡散、減光した。眼視では3月15日に10.7等(Alexandre Amorim)、CCDでは4月4日に11.5等(津村光則氏)まで暗くなり、西空に沈んだ。あっという間に暗くなってしまったが、これでも減光のペースは通常より遅かった。8月には明け方の空に再び現れるが、その頃もまだ13等台を保ち、眼視で見える可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   4 14.16   -4 17.2   4.298   3.435    27   12.9   3:02 (251,-31)  
June 11   4 17.58   -4  3.8   4.346   3.512    30   13.0   2:59 (255,-27)  

* 29P/Schwassmann-Wachmann 1

明け方の空に現れて来た。5月31日に14.2等(門田健一氏)と、現在は明るくも暗くもない状態。2004年は、シーズンを通して常に13等より明るく見えていた。2005年は、夏から冬にかけて、日本では天頂付近と非常に良い条件で見られる。2004年同様の活動を見せれば、長期に渡って良い観測対象となりそう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   1 48.76   19 44.3   6.462   5.745    41   13.7   3:02 (254, 12)  
June 11   1 53.44   20 16.8   6.388   5.746    47   13.7   2:59 (256, 16)  

* 32P/Comas Sola

5月4日にもまだ、12.7等で眼視でも見えている(吉田誠一)。11月からずっと12.5〜13.0等を保っているが、地球から遠ざかってきたため、昨年秋に比べると小さく、やや暗くなってきている。これから高度が下がりつつ暗くなっていくので、まもなく眼視では見えなくなるだろう。6月末には高度が10度以下になる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   7 58.56   30 20.4   2.543   1.930    43   13.8  20:54 (114, 19)  
June 11   8 18.04   29 24.3   2.604   1.952    40   13.9  20:59 (115, 16)  

* 10P/Tempel 2

今回帰は条件が悪く、近日点通過の頃は見えない。7月に14.5等で明け方の空に現れ、その後は暗くなっていく。南半球では、すでに明け方の低空に現れて来ている。5月12日には13.6等と、ほぼ予報通りの明るさだった(Michael Mattiazzo)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   2 35.72    6 20.8   2.525   1.801    35   13.8   3:02 (258, -5)  
June 11   2 51.28    7 19.7   2.527   1.842    38   14.0   2:59 (259, -3)  

* C/2004 B1 ( LINEAR )

2006年春に9等に達する。南半球では、それまでずっと観測可能。日本では、8月末から9月上旬にかけて、明け方の超低空で12等で見える以外は、2006年3月までずっと見えない。2006年3月以降は、暗くなっていく様子をずっと観測できるようになる。2005年3月まで、順調に明るくなってきていたが、日本から見えなくなったため、その後の様子は不明。6月までは、南半球でも超低空になってしまう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   4 43.70  -15 19.1   4.209   3.463    37   14.0   3:02 (257,-44)  
June 11   4 48.95  -15 48.7   4.118   3.396    39   13.9   2:59 (261,-40)  

* P/2005 JQ5 ( Catalina )

周期が4.4年とかなり短い新周期彗星。6月に地球に0.1AUまで接近するため、急激に増光する。6月中旬には夕空で12〜13等に達する。だが、6月下旬にはすぐに太陽に近づいて見えなくなる。7月末に再び明け方の空に15等で現れ、その後は次第に暗くなっていく様子を観測できる。5月上旬には17.5等とたいへん暗かったが、5月26日に15.1等、6月5日に14.5等と、急激に明るくなってきた(江崎裕介氏)。Michael Jagerの観測では、5月27日には1分角の淡いコマが見え始め、その後、6月6日に13.5等、視直径は5〜6分角と、かなり明るく大きくなっているようだ。しかし、眼視では13.7等以下で見えなかった(6月6日、吉田誠一)。大きく拡散しているため、透明度の良い空でないと、見ることは難しいだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  13 58.53    5 14.7   0.204   1.156   130   14.7  21:04 (  0, 60)  
June 11  13 18.37    8 21.5   0.161   1.090   113   13.9  20:59 ( 33, 60)  

* 72P/Denning-Fujikawa

長い間行方不明だった彗星。1978年に再発見された後も、2回の回帰で出現せず、再び行方不明となっている。おそらく、ふだんは相当に暗く、稀に大増光した時にだけ観測されているのだろう。彗星はおおよそ予報通りの位置にいると思われるが、この予報よりはるかに暗いと思われる。今回帰は条件が悪く、ずっと超低空に位置するため、再発見は不可能だろう。南半球では、5月末から6月始めにかけて、明け方の空で高度が20度くらいになるので、もし増光していれば、再発見できる可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   2 16.05    8 56.0   1.344   0.843    38   14.3   3:02 (259,  0)  
June 11   2 52.71   13  1.2   1.381   0.812    35   13.9   2:59 (254,  0)  

* C/2005 E2 ( McNaught )

3月に発見された頃は16.4等だった(3月12日、R. H. McNaught)が、5月15日には15.1等まで増光してきている(中村彰正氏)。2006年の初めに10等に達すると期待されている。南半球では、11月までずっと高い位置で、明るくなっていく様子を観測できるが、日本からは、9月までずっと高度が15度ほどで、高くならないので、眼視ではなかなか観測できないかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  20 38.79  -37 22.1   2.900   3.621   128   14.3   3:02 (350, 17)  
June 11  20 38.03  -37 47.7   2.763   3.552   134   14.1   2:59 (355, 17)  

* C/2004 Q1 ( Tucker )

2月までは大きく、集光も強くて見やすかったが、3月には拡散状になってきた。だが、5月4日でもまだ12.8等と、眼視では明るく見えている(吉田誠一)。近日点通過後の減光は緩やかで、もうしばらく13等で見られそう。今後はゆっくりと夕空に低くなっていくが、8月中旬でもまだ高度は20度以上を保つ。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   8 11.45   66 11.7   3.382   2.908    54   14.3  20:54 (151, 34)  
June 11   8 38.39   64 34.3   3.465   2.962    52   14.5  20:59 (149, 33)  

* 2004 YZ23

短周期彗星のような軌道を持つ特異小惑星。5月から6月にかけて地球に接近し、14等に達する。日本からは、5月中は観測できないが、急速に北上して、6月初めからは観測できるようになる。但し、急激に暗くなる。高度が高くなる6月中旬には15.5等、6月末には17等になってしまうだろう。6月上旬が唯一の観測チャンス。一方、南半球では、5月から6月にかけてずっと高く見える。もし、この天体が彗星であれば、この予報よりだいぶ明るくなるかもしれない。しかし、4月初めに近日点を通過した際も18.5等と極めて暗かったことから、この天体は小惑星であろう。現在は急増光中で、5月22日には15.5等まで明るくなってきた。6月6日には、14.0等以下で見えなかった(吉田誠一)。Michael Mattiazzoの観測では、5月29日に完全に恒星状。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  16  5.31  -30 48.2   0.335   1.343   167   14.4  23:11 (  0, 26)  
June 11  15 52.55  -14  1.6   0.400   1.394   158   15.1  22:32 (  0, 42)  

* 78P/Gehrels 2

1月上旬まではとても集光が強かったが、1月下旬からは拡散状になった。1月は11等台、2月は12等台と減光し、3月8日にもまだ12.6等と明るかった(吉田誠一)。近日点通過前の増光はたいへん急激だったが、予報通り、近日点通過後の減光は緩やかだった。今回帰はもう観測不可能。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   7 10.64   17 35.7   3.418   2.636    33   14.7  20:54 (109,  3)  
June 11   7 23.28   17 14.7   3.496   2.667    30   14.8  20:59 (112, -1)  

* C/2004 K1 ( Catalina )

2月初めには16.5等だったが、4月末には15.2等(4月27日、門田健一氏)と、順調に明るくなってきた。7月中旬まで、14.5〜15等で条件良く観測できる。高度が高いので、透明度が良ければ、大口径なら眼視でも見えるだろう。5月7日には、眼視で15.0等と観測されている(村上茂樹氏)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  15 40.17   17  4.2   2.597   3.412   137   14.9  22:46 (  0, 72)  
June 11  15 22.13   17 22.0   2.656   3.407   130   14.9  22:01 (  0, 72)  

* P/2004 F3 ( NEAT )

2004年春に発見された明るい新周期彗星。2004年の春から夏にかけて、15.0〜15.5等と明るく観測された。計算上は遠日点でも19等と明るいはずだが、2004年まで発見されなかったことを考えると、一時的に明るくなっていたのかもしれない、とも思われた。だが、2005年になっても同じ明るさを保っている。現在は14.8等(5月15日、中村彰正氏)。秋まで14.5等で観測できると思われる。但し、日本からの高度はずっと20度前後で、かなり低いため、眼視で見るのは難しいだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  20 32.53  -29 46.6   2.226   2.977   129   15.0   3:02 (350, 25)  
June 11  20 32.24  -30 37.5   2.171   2.987   136   14.9   2:59 (356, 24)  

* C/2003 WT42 ( LINEAR )

2003年末から2005年までの1年間に、18等から15等まで増光した。これは、ふつうの彗星と比べて、かなり増光のペースが速い。その後は5月まで、15〜15.5等を保っている。6月には15等で西空に沈むが、来年の冬には13等に達し、眼視でも見える期待が出てきた。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   6 40.39   45 52.7   6.518   5.690    32   15.0  20:54 (136, 15)  
June 11   6 49.08   45 47.2   6.532   5.669    29   15.0  20:59 (139, 11)  

* 117P/Helin-Roman-Alu 1

2004年初めには19等から17等まで一気に増光したが、その後は落ち着いており、緩やかに増光してきている。2007年初めまで、長期に渡って15〜16等を保つ。あまり高度は高くならないが眼視でも見えている。眼視の明るさは、5月7日に14.3等(Juan Jose Gonzalez)、6月7日に14.2等(John Drummond)で、視直径は0.2〜0.6分角とかなり小さい。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  15 34.01  -19 47.0   2.208   3.190   162   15.1  22:41 (  0, 35)  
June 11  15 29.52  -19 48.6   2.232   3.180   154   15.1  22:09 (  0, 35)  

* (944) Hidalgo

2004年秋には好条件となり、13等で眼視でも見えた。その後は地球から遠ざかりつつどんどん暗くなっている。8月には16.5等で西空に沈む。2006年も、3月から4月にかけて再び16.5等で観測できるが、その後は去ってしまう。次回帰は2018年で、14.3等止まりである。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4   8 32.59   51 22.9   2.833   2.344    51   15.9  20:54 (133, 34)  
June 11   8 52.85   49 20.9   2.912   2.381    49   16.0  20:59 (131, 31)  

* C/2005 B1 ( Christensen )

2004年春に発見された小惑星2004 FS101の再発見。1月中旬には18等だったが、5月中旬には16〜16.5等まで増光してきている。これは、ふつうの彗星と比べて、やや増光のペースが速い。2006年1月頃には、日本からは低いが、14.5等になりそう。2005年春から2006年暮れにかけて、長い間15〜16等で見える。北天を移動するため、日本からはずっと観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  13 20.88   49 52.6   3.850   4.056    94   16.1  20:54 (164, 74)  
June 11  13 16.41   50  0.5   3.893   4.018    89   16.1  20:59 (147, 71)  

* C/2005 K1 ( Skiff )

2005年の夏と2006年の夏に16.5等に達する。南下していくため、日本からは2005年の方が条件が良い。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  17 25.73   64 17.5   3.820   4.003    92   16.9   0:37 (180, 61)  
June 11  17 14.64   63 27.0   3.787   3.980    93   16.9  23:53 (180, 62)  

* 121P/Shoemaker-Holt 2

近日点を過ぎて5ヵ月も経ってから最大光度になるという、変わった彗星。予報通り、5ヶ月経った2月に最大光度に達した。しかし、今回帰は予報より暗く、15.5等止まりだった。眼視では、14.0等以下で見えなかった(2月5日、吉田誠一)。すでに減光中で、5月3日には16.7等まで暗くなっている(門田健一氏)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  10 36.89   26 32.4   3.154   3.103    77   16.9  20:54 ( 91, 49)  
June 11  10 43.95   25 31.2   3.260   3.123    73   17.1  20:59 ( 94, 43)  

* C/2003 O1 ( LINEAR )

遠方のため、2003年夏から1年半も、17.5等で見え続けている。すでに近日点は通過しており、今年はやや暗くなる。それでも、夏まで18等を保つ。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
June  4  15 11.34   44 12.4   7.030   7.435   109   17.9  22:18 (180, 81)  
June 11  15  4.21   43 46.9   7.100   7.453   106   18.0  21:44 (180, 81)  

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