今週の明るい彗星 (2005年4月16日:北半球版)

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Updated on April 21, 2005
先週 南半球版 来週

最適時刻と方位・高度は、北緯35度の地点での値です。

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* C/2003 T4 ( LINEAR )

発見以来、2月までずっと、ふつうの彗星より鈍い増光が続いていたが、3月に入ってから、突然に明るく大きくなってきた。2月5日には10.3等、視直径1.9分角という小さい姿だったが、3月8日には7.8等、視直径6分角と、わずか1ヶ月で劇的に変化した(吉田誠一)。その後は、眼視ではやや横ばいで、3月21日には7.8等(Kamil Hornoch)。しかし、CCD観測では、3月1日には9.4等だったものが、3月25日には8.0等と、この1ヵ月で急激に増光している(門田健一氏)。Reinder J. Boumaは、この彗星の光度上昇の鈍さがC/1999 S4やC/2002 O7と似ていることを指摘している。この急増光は、何らかの予兆かもしれない。軌道計算では、異常に大きな非重力効果が現れている。今後、南半球ではしばらく観測できるが、日本からは、9月下旬に明け方の超低空に14等で現れるまで観測できない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  23 13.97  -24 52.4   1.098   0.880    49    7.3   3:58 (293,-10)  
Apr. 23   0  2.51  -31  9.8   1.082   0.922    52    7.5   3:47 (295,-19)  

* C/2004 Q2 ( Machholz )

1月上旬の最盛期には、3.5等、視直径30分角という巨大な姿が、頭上高く、たいへん明るく見えた。その後は次第に暗くなってきており、現在は6.9等(3月31日、A. Baransky)。肉眼では見えなくなったが、DC=5とほどよく集光しているので、双眼鏡ではまだまだ見やすい。視直径は約10分角と、だいぶ小さくなった。一晩中見えている。日本からは、10月に14等になるまで、眼視で見える時期はずっと好条件で観測できる。GWの頃もまだ8.5等と明るく、双眼鏡で楽しめるだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  11 51.17   69 16.9   1.253   1.718    98    7.8  22:13 (180, 56)  
Apr. 23  12  1.42   65 31.1   1.336   1.790    98    8.2  21:55 (180, 60)  

* C/2005 A1 ( LINEAR )

日本から見えていた1月は11等台で小さい姿だったが、南天に去った後の2月14日には9.2等、視直径8分角(David Seargent)という巨大な姿が観測されている。その後、視直径は4〜5分角とやや小さくなったが、現在は8.0等と、双眼鏡でも見える明るさになっている(3月15日、Alexandre Amorim)。南半球でも、5月中旬まではかなり低くなってしまう。その後は再び高くなり、暗くなっていく様子を観測できるだろう。日本からは、6月に12.5等で明け方の空に現れるまで見えない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   1 44.94  -31 11.3   1.382   0.913    41    8.4  20:02 ( 76,-39)  
Apr. 23   1 48.48  -26 10.6   1.475   0.936    38    8.7   3:47 (278,-38)  

* 9P/Tempel 1

2月になっても13.9等以下で眼視では見えなかった(2月5日、吉田誠一)が、3月になって、13.3等と、ようやく眼視でも見え始めた(3月1日、Juan Jose Gonzalez)。3月中は視直径が1分角とかなり小さい姿だったが、現在は11.8等で、視直径も2.1分角と、だいぶ明るく大きく見えるようになってきた(3月31日、A. Baransky)。集光が強く見やすい。急増光しているが、当初の予報より0.5等ほど暗い。春から夏にかけて10等に達する。7月4日のディープ・インパクト・ミッションによって、肉眼彗星になる可能性がある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  13  9.12   13  2.7   0.736   1.702   155   11.1  23:29 (  0, 68)  
Apr. 23  13  3.21   12 33.3   0.720   1.672   150   10.9  22:56 (  0, 67)  

* C/2003 K4 ( LINEAR )

1月初めには7.5等と、双眼鏡で楽に見える明るさだったが、その後は夕空で急激に拡散、減光してきている。2月初めには9等となり、現在は10.7等まで暗くなっている(3月15日、Alexandre Amorim)。あっという間に暗くなってしまったが、これでも減光のペースは通常より遅い。すでに夕空にかなり低くなり、暗くなった上に拡散しているため、かなり見づらい。まもなく見えなくなるが、8月には明け方の空に再び現れる。その頃もまだ13等台を保ち、眼視で見える可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   3 47.41   -8 36.0   3.614   2.884    37   11.8  20:02 ( 82, -3)  
Apr. 23   3 51.19   -7 38.6   3.748   2.964    33   12.0  20:09 ( 87, -9)  

* 21P/Giacobini-Zinner

6月から7月にかけて10等に達するが、それまでずっと明け方の空やや低い位置に見え続ける。3月17日に14.8等(門田健一氏)と、ほぼ予報通りに明るくなってきている。まだ眼視では観測されていないが、近日点前の方が明るい傾向があるので、まもなく眼視でも13等で見えてくるだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  21 48.71   13 55.9   1.784   1.474    55   12.2   3:58 (273, 30)  
Apr. 23  22 13.25   15 52.5   1.714   1.414    55   11.9   3:47 (270, 29)  

* 10P/Tempel 2

今回帰は条件が悪く、近日点通過の頃は見えない。7月に14.5等で明け方の空に現れ、その後は暗くなっていく。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   0 32.56   -3 20.0   2.453   1.557    20   12.6   3:58 (264,-14)  
Apr. 23   0 51.70   -1 42.1   2.467   1.586    22   12.8   3:47 (263,-13)  

* 161P/2004 V2 ( Hartley-IRAS )

1月中旬でもまだ18.5等と、予報より増光が鈍い。予報では、これから急激に増光し、7月から8月にかけて8等に達するはずだが、しばらくは観測できない。日本では、5月下旬に明け方の空に11.5等で現れ、その後はずっと観測できる。南半球では、4月末から6月中旬まで、明け方の超低空に現れるだけで、明るい時期には見えない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   0 47.79    1  4.8   2.506   1.559    15   13.1   3:58 (258,-14)  
Apr. 23   0 53.05    4 38.9   2.423   1.508    18   12.7   3:47 (257,-10)  

* 32P/Comas Sola

4月5日に12.4等(吉田誠一)。11月からずっと、12.5〜13.0等の小さい姿で変わらずに見えている。5月までずっと夕空で、このままの明るさで見えつづけるはず。ただ、少しずつ拡散してきており、夕空で低くなってきているので、だんだん見づらくなってきている。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   5 35.94   32 11.1   2.137   1.838    59   12.9  20:02 (105, 40)  
Apr. 23   5 56.15   32 28.3   2.193   1.845    56   13.0  20:09 (107, 37)  

* C/2004 Q1 ( Tucker )

2月までは大きく、集光も強くて見やすかったが、3月には拡散状になってきた。だが、4月1日でもまだ12.6等、視直径2.4分角と、明るく大きな姿が捉えられている(Kamil Hornoch)。日本からは、6月に15等になるまで、夕空で高度35度でほぼ同じ高さで見え続ける。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   3 49.39   69 37.0   2.841   2.551    63   13.6  20:02 (155, 34)  
Apr. 23   4 28.81   70 17.5   2.913   2.599    62   13.7  20:09 (156, 34)  

* 78P/Gehrels 2

1月上旬まではとても集光が強かったが、1月下旬からは拡散状になってきた。1月は11等台、2月は12等台と減光中。3月8日にも、まだ12.6等と明るかった(吉田誠一)。近日点通過前の増光はたいへん急激だったが、予報通り、近日点通過後の減光は緩やかになっている。だが、3月29日には13.3等まで暗くなってきており(A. Baransky)、そろそろ眼視では厳しくなってきた。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   5 39.88   18  4.3   2.777   2.423    59   13.7  20:02 ( 89, 35)  
Apr. 23   5 52.88   18 13.4   2.876   2.452    55   13.8  20:09 ( 92, 30)  

* 49P/Arend-Rigaux

1月に急増光して13等に達した。3月8日には12.8等で、視直径は0.9分角と小さく、意外と良く集光していた(3月8日、吉田誠一)。2月下旬に近日点を通過しており、少しずつ暗くなってきているが、3月31日にもまだ13.2等の明るさを保っている(Edwin van Dijk)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   6  5.82   25 46.3   1.590   1.484    65   13.7  20:02 ( 94, 44)  
Apr. 23   6 30.82   26 50.4   1.656   1.515    64   13.9  20:09 ( 96, 42)  

* 29P/Schwassmann-Wachmann 1

観測不可能。6月に明け方の空に再び現れる。2004年は、シーズンを通して常に13等より明るく見えていた。2005年は、夏から冬にかけて、日本では天頂付近と非常に良い条件で見られる。2004年同様の活動を見せれば、長期に渡って良い観測対象となりそう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   1 11.81   15 42.2   6.730   5.739     8   13.8   3:58 (243,-10)  
Apr. 23   1 17.34   16 17.4   6.721   5.740    11   13.8   3:47 (244, -7)  

* 141P/Machholz 2

Michael Jagerが、2月27日に夕方の超低空で、A核の観測に成功した。明るさは12.0等で、前回の回帰よりやや明るい。位置は予報とは少しずれているので、注意。D核は捉えられていない。近日点を過ぎて1ヶ月が経っても、まだ12等と明るい状態を保っている(4月2日、Michael Jager)。前回の回帰では、A核は近日点を通過して10日後に最大光度となったが、今回もその傾向が現れているようだ。今回帰は条件が悪く、最も高く見える4月でも、高度は19度でしかない。南半球ではもっと低い。今後は急激に減光していく。4月末には16等以下になり、暗すぎて写せなくなるだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   4 28.24   15 58.0   1.579   1.073    42   13.9  20:02 ( 96, 19)  
Apr. 23   5  2.23   16  8.5   1.644   1.149    43   14.6  20:09 ( 97, 19)  

* 37P/Forbes

1月には19等、2月には17等と、予報通り、急激に増光中。5月から9月にかけて、長期に渡って12〜13等で見える。南半球では好条件だが、日本からはずっと南に低い。但し、前回の回帰では、眼視ではこの予報より1.5等ほど明るかった。今回も、眼視では11.0等前後に達する可能性もある。そろそろ眼視でも射程内に入ってくる。但し、4月中旬から6月末までは高度が15度と最も低くなるため、眼視で見るには、7月〜8月の方が見やすいだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  16  0.24  -37 37.6   1.026   1.892   137   14.6   2:24 (  0, 17)  
Apr. 23  16  2.36  -38 39.2   0.954   1.857   142   14.3   1:59 (  0, 16)  

* C/2004 L1 ( LINEAR )

3月から4月にかけて衝となり、眼視でも見えると期待されていた。実際には、思ったほどは明るくなっていないようだ。それでも、CCDでは3月30日に14.3等(中村彰正氏)と報告されているので、眼視でも13.5等で見えるはず。逆行のため、明け方の空から夕空へ急速に移動し、あっという間に見えなくなる。今のところ、眼視で見ることに成功した人はいないが、高度が少しずつ高くなってきており、4月が狙い目。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   9 27.57  -16 55.3   1.371   2.057   119   14.4  20:02 (  4, 38)  
Apr. 23   9  6.80  -12 19.0   1.522   2.067   108   14.6  20:09 ( 23, 40)  

* C/2004 B1 ( LINEAR )

2006年春に9等に達する。南半球では、それまでずっと観測可能。日本では、8月末から9月上旬にかけて、明け方の超低空で12等で見える以外は、2006年3月までずっと見えない。2006年3月以降は、暗くなっていく様子をずっと観測できるようになる。2005年初めまで、順調に明るくなってきていた。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   4 14.90  -14 47.2   4.554   3.930    46   14.7  20:02 ( 73, -2)  
Apr. 23   4 17.92  -14 36.8   4.537   3.864    43   14.7  20:09 ( 78, -8)  

* C/2001 Q4 ( NEAT )

眼視では、昨年11月以来、2月まで、12〜13等の明るさを保っていた。2月5日には、DC=2と拡散状ながら、12.0等、視直径0.9分角と、まだ明るい姿で見えていた(吉田誠一)。しかし、CCD観測ではどんどん暗くなっており、2月末には15.9等に達し(2月27日、中村彰正氏)、眼視とCCDの光度差が極めて大きくなっていた。ただ、2月13日以降の眼視観測がなく、現在も眼視で見えているかどうかは不明。今後、日本からはずっと追跡できるが、現在は夕方と明け方のどちらとも低い。まもなく、夕空では観測不可能となる。明け方の高度は、しばらく20度前後でなかなか高くならない。しばらく天の川の中を移動するので、眼視での確認はかなり困難だろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   0 54.03   54 40.1   5.190   4.542    45   14.7   3:58 (215, 18)  
Apr. 23   1  2.86   54 57.0   5.281   4.612    44   14.8   3:47 (215, 19)  

* C/2003 WT42 ( LINEAR )

2003年末から2005年までの1年間に、18等から15等まで増光した。これは、ふつうの彗星と比べて、かなり増光のペースが速い。6月には15等で西空に沈むが、来年の冬には13等に達し、眼視でも見える期待が出てきた。ただ、衝となった12月から1月には15.2等だったが、その後は計算上は明るくなるはずにも関わらず、実際には3月に15.5等と、やや暗く報告されている。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   5 48.17   46 35.2   6.214   5.847    64   15.1  20:02 (124, 46)  
Apr. 23   5 54.42   46 28.0   6.276   5.824    59   15.1  20:09 (124, 41)  

* 62P/Tsuchinshan 1

1月上旬には11等で視直径も2〜5分角と明るく大きく見えたが、2月には12.5等、3月には13.3等と、急激に暗くなってきている。4月5日にもまだ眼視で見えたが、13.8等とたいへん暗くなっていた(吉田誠一)。視直径1.8分角と大きく拡散しており、まもなく眼視では見えなくなるだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  12 19.77   19 14.9   1.078   1.986   145   15.1  22:40 (  0, 74)  
Apr. 23  12 17.68   18 20.6   1.155   2.029   139   15.5  22:11 (  0, 73)  

* C/2004 K1 ( Catalina )

明け方の空に現れて来て、久しぶりに観測された。2004年に報告された光度のばらつきが大きく、本当の明るさが不明だったが、16.0等という明るさだった(2月11日、門田健一氏)。4月から6月にかけて15等で条件良く観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  17 37.52    8 11.3   2.903   3.480   117   15.2   3:58 (358, 63)  
Apr. 23  17 25.22    9 48.3   2.791   3.467   124   15.1   3:22 (  0, 65)  

* P/2004 F3 ( NEAT )

2004年春に発見された明るい新周期彗星。昨年は、春から夏にかけて、15.0〜15.5等と明るく観測された。今年も春から秋にかけて、昨年と同じ明るさで観測できると思われる。計算上は遠日点でも19等と明るいはずだが、2004年まで発見されなかったことを考えると、一時的に明るくなっていたのかもしれない。だが、3月11日に15.3等と、1年経った今でもまだ明るい状態を保っている。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  20  3.66  -26  1.7   2.766   2.917    88   15.4   3:58 (325, 20)  
Apr. 23  20 10.63  -26 20.2   2.681   2.924    93   15.3   3:47 (327, 20)  

* 117P/Helin-Roman-Alu 1

2004年初めには19等から17等まで一気に増光したが、その後は落ち着いており、2005年初めには16.5等。2007年初めまで、長期に渡って15〜16等を保つ。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  16  5.64  -19 28.8   2.411   3.267   142   15.4   2:30 (  0, 36)  
Apr. 23  16  2.77  -19 35.0   2.344   3.256   150   15.3   1:59 (  0, 35)  

* C/2005 E2 ( McNaught )

ようやく北上して日本からも見えるようになってきた。2006年の初めに10等に達すると期待されている。南半球では、11月までずっと高い位置で、明るくなっていく様子を観測できるが、日本からは、9月までずっと高度が15度ほどで、高くならない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  20 18.46  -35 43.9   4.007   4.089    87   15.5   3:58 (327, 10)  
Apr. 23  20 23.51  -35 49.0   3.840   4.022    93   15.4   3:47 (329, 11)  

* (944) Hidalgo

2004年秋には好条件となり、13等で眼視でも見えた。その後は地球から遠ざかりつつどんどん暗くなっている。8月には16.5等で西空に沈む。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   5 19.23   60 56.8   2.341   2.122    65   15.4  20:02 (144, 42)  
Apr. 23   5 51.76   60 22.9   2.404   2.150    63   15.5  20:09 (143, 42)  

* C/2002 T7 ( LINEAR )

予報通りに、ゆっくりと減光している。1月までは14等で眼視でも見えていたが、2月からは見えなくなった。6月には17等になる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   9 28.26   -5 40.9   4.451   5.007   118   15.7  20:02 (  5, 49)  
Apr. 23   9 25.73   -4 53.2   4.626   5.078   111   15.9  20:09 ( 19, 48)  

* 121P/Shoemaker-Holt 2

近日点を過ぎて5ヵ月も経ってから最大光度になるという、変わった彗星。予報通り、5ヶ月経った2月に、最大光度に達している。しかし、今回帰は予報より暗く、15.5等止まりのようだ。眼視では、14.0等以下で見えなかった(2月5日、吉田誠一)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  10  4.46   32 21.1   2.418   2.971   114   16.1  20:26 (  0, 87)  
Apr. 23  10  6.64   31 43.9   2.517   2.989   108   16.2  20:09 ( 30, 86)  

* C/2005 B1 ( Christensen )

2004年春に発見された小惑星2004 FS101の再発見。1月中旬には18等だったが、3月中旬には16.7等まで増光した。これは、ふつうの彗星と比べて、やや増光のペースが速い。2006年1月頃には、日本からは低いが、14.5等になりそう。2005年春から2006年暮れにかけて、長い間15〜16等で見える。北天を移動するため、日本からはずっと観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  14  9.33   43 25.5   3.673   4.339   126   16.4   0:34 (180, 82)  
Apr. 23  14  2.19   45  0.8   3.673   4.298   122   16.3  23:54 (180, 80)  

* C/2004 RG113 ( LINEAR )

地球に接近して、CCDでは15.5〜16等に達している。CCDで拡散状に写るためか、眼視でも14.3等で見えている(2月6日、Reinder J. Bouma)。しかし、今後は地球から遠ざかり、どんどん暗くなっていく。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   8 59.11   32 45.1   1.559   2.014   101   16.5  20:02 ( 77, 81)  
Apr. 23   9 10.74   29 59.7   1.638   2.038    98   16.7  20:09 ( 73, 75)  

* C/2003 T3 ( Tabur )

2004年春に近日点を通過して以来、ずっとやや速いペースで減光してきていたが、2004年の暮れからは、一転して減光が緩やかになったようだ。12月16日にはすでに15.4等だったが、3月6日でもまだ15.8等と、ずっとほぼ同じ明るさを保っている(中村彰正氏)。これからしばらく、16等で見え続けるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   9 48.59   37  3.4   4.042   4.469   108   16.8  20:10 (180, 88)  
Apr. 23   9 47.36   36  2.0   4.204   4.534   102   16.9  20:09 (101, 84)  

* C/2003 O1 ( LINEAR )

遠方のため、2003年夏から1年半も、17.5等で見え続けている。すでに近日点は通過しており、今年はやや暗くなる。それでも、夏まで18等を保つ。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16  16  6.48   43 27.9   6.814   7.318   116   17.8   2:31 (180, 82)  
Apr. 23  15 59.10   43 58.2   6.813   7.334   117   17.8   1:56 (180, 81)  

* P/2004 V5 ( LINEAR-Hill )

分裂彗星。まもなく18等以下になる。B核はA核より0.6等ほど暗い。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
Apr. 16   9  8.73   38 14.1   4.112   4.418   101   17.8  20:02 (119, 83)  
Apr. 23   9 11.02   37 32.6   4.209   4.420    95   17.9  20:09 (105, 77)  

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