2021年の年の瀬は、レナード彗星(C/2021 A1)の話題で持ちきりとなった。 予想外のアウトバーストを起こし、突如として明るくなったレナード彗星は、クリスマスから年末年始にかけて、多くの彗星ファンを楽しませてくれた。
2021年の初めに発見され、年末に肉眼彗星になると期待されたレナード彗星(C/2021 A1)。 2021年イチオシの彗星は、意外にも(?)期待どおりに明るくなった上に、最後にはアウトバーストを起こして3等まで増光するというプレゼントもくれた。
2020年の夏、北半球の空に突如として現れた大彗星、ネオワイズ彗星。 直前までほとんど期待されていなかったネオワイズ彗星の見事な姿に、多くの天文ファンが衝撃を受けたことだろう。
「1844年の大彗星の再来」と期待されたアトラス彗星が、5月に見頃を迎える。 だが、アトラス彗星は中心核が分裂して、その振る舞いは予断を許さない状況にある。 果たしてどれほどの明るさで見えるのか、ぜひ観測して確かめてほしい。
C/2019 Y4 アトラス彗星が急激に増光中 5月末の近日点通過に向けて夕方の空で好条件
私たち人類が初めて目撃する未知の天体が今、地球に近づいてきている。 歴史上初めて、太陽系の外からやってきた恒星間彗星・ボリソフ彗星。その姿は、プロの天文学者だけでなく、アマチュア天文家でも観測できると期待されている。
2017年は明るい彗星が多く現れる、彗星の当たり年だ。とりわけ年の前半には、2つの周期彗星が相次いで地球に大接近して話題となっている。2月には本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)が大接近し、6〜7等まで明るくなった。本号が発売される4月初めには、タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)が地球に大接近していて、おそらく6等ほどの明るさで見えているだろう。 この記事で紹介するジョンソン彗星(C/2015 V2)も、双眼鏡でその姿を楽しめる6等台まで明るくなると期待されている。さきほど挙げたふたつの周期彗星ほどには地球に近づかないが、4月から7月にかけて、双眼鏡で長い間楽しめる。
11月28日から29日にかけては、平日にもかかわらず、多くの人が太陽観測衛星SOHOの画像を見つめていたことだろう。世界中が固唾を呑んで見守った、アイソン彗星の近日点通過。次々と最新の画像が公開され、われわれが見ている目の前で、アイソン彗星はばらばらに崩壊し、「世紀の大彗星」の夢も幻と消えた。ここでは、アイソン彗星がピークを迎え、そして力尽きていった様子を振り返る。
日本時間の11月29日の未明3時半過ぎ、「世紀の大彗星」アイソン彗星(C/2012 S1)は、ついに太陽の表面をかすめて近日点を通過した。この1月号が発売される12月5日には、強烈な太陽の熱を受けて放出された大量の塵とガスをまとって、明け方の東の空にいよいよ大彗星としての雄姿を現し、衆人の注目を浴びている…はずだ。
2012年9月の発見から1年あまり、ついにアイソン彗星が近日点を通過する時がやってきた。星ナビ増刊号をはじめとする、アイソン彗星関連の書籍もたくさん発売され、世間的にもいよいよ盛り上がってきた。編集部にも、しだいに明るくなっていくアイソン彗星の写真が続々と寄せられている。ここでは、アイソン彗星の最新情報と、11月から12月初めまでの見え方を詳しく解説する。
いよいよ「世紀の大彗星」アイソン彗星の太陽最接近が間近に迫ってきた。世間の注目もしだいに高まってきた一方で、彗星は予想より暗く、読者の皆様の心中も、さぞ期待と不安が入り混じっていることだろう。ここでは、9月22日時点での最新情報をもとに、この11月号が発売される10月から近日点を通過する11月末までの明るさと見え方を解説しよう。
2013年の大本命・アイソン彗星が、いよいよ明け方の空に姿を現した。半年にわたって光度が停滞したまま、太陽の向こうに回って6月から観測できなくなっていたが、はたして本当に明るくなっているのか。世界中が固唾を呑んで見守っていたはずだ。
2013年も半分が過ぎ、「彗星の年」の前半の主役であるパンスターズ彗星も遠ざかるのみとなった。期待されたほどの大彗星とはならなかったが、最大で1等級になり、アンドロメダ大銀河にも接近して最後にはたいへん長いアンチテイルまで見せてくれたパンスターズ彗星は、「彗星の年」にふさわしい十分に楽しめる彗星だった。 後半はいよいよ大本命のアイソン彗星がやってくる。
2013年前半の天文界の話題をさらったパンスターズ彗星も、3月10日に近日点を通過し、あとは遠ざかるのみとなった。だが最盛期から2ヶ月が過ぎても、双眼鏡を使えばまだまだ十分に楽しめる明るさだ。去りゆく彗星の姿を、ぜひ最後まで見届けてみよう。
3月10日に太陽に最接近し、その後、日本の夕方の西の空に姿を現したパンスターズ彗星。薄明の残る空にも負けずに輝く彗星の姿を、読者のみなさんは見ることができたでしょうか。「マイナス等級の大彗星になる」と期待されたパンスターズ彗星だが、残念ながら、当初の期待には及ばなかった。それでも、3月には1等級まで明るくなり、近年では最大級の彗星の1つとなった。
「彗星の年」2013年を彩る大彗星のひとつとして、天文ファンが楽しみに待っていたパンスターズ彗星が、ついに太陽に最接近する日がやってきた。2011年6月の発見直後から明るくなると期待され、2年近くに渡って注目されてきたが、本誌が発売される頃、いよいよ日本の夕方の空にデビューする。読者の皆さん、準備は万全だろうか。
いよいよ今年最初の目玉、パンスターズ彗星が迫ってきた。アイソン彗星が現れるまでは、2013年最大の注目だったパンスターズ彗星。すっかり主役の座を奪われてしまった感もあるが、それでもマイナス等級の期待がかかる彗星とあらば、見逃すわけにはいかない。
2013年は日本の彗星ファンにとって、人生で最高の年になるかもしれない。マイナス等級の大彗星が1年のうちに2つも現れる可能性が出てきた。しかも、そのどちらも、日本にいながら楽しめるというのだ。その彗星の名はパンスターズ彗星(C/2011 L4)とアイソン彗星(C/2012 S1)。前者は2013年春に、後者は2013年末に明るくなる。
11月末に発見されたラブジョイ彗星は、30〜40度もの長い尾を伸ばし、南半球のクリスマスの夜空を彩った。その明るく雄大な姿からも、41年ぶりに現れたクロイツ群の大彗星としても、歴史に残る大彗星になった。21世紀には再び、太陽をかすめる大彗星が相次いで現れる時代が来るのだろうか。
この秋に明るくなり、絶好の条件で見られる期待の彗星として注目されていたエレーニン彗星。妙な噂が流れ、ヘンな意味でも注目されていたエレーニン彗星だが、クライマックスを目前にして、意外な結末を迎えることとなった。残念ながら、われわれの前に姿を現すことなく、消滅してしまいそうだ。
ふだんは見えない、太陽の近くの星空。皆既日食は、それが人々の目にさらされる貴重な機会だ。過去の日食では、コロナとともに大彗星が現れ、人々を驚嘆させた例がある。今年は、そんな奇跡が目撃されただろうか。
自宅にいながら天体を撮影できるリモート望遠鏡。最近は利用者も増え、身近な存在となってきた。自分の望遠鏡を持っていない人でも、優れたリモート望遠鏡を駆使すれば、今すぐに、トップクラスの成果を挙げることが可能となるのだ。
新天体発見の裏には、必ず、その天体の存在を確認する観測者がいる。表舞台で栄誉に輝く発見者に対して、確認観測者の功績は報われにくい。だが、地道な努力を続ける彼らの献身が、近年の膨大な新天体発見を支えているのだ。
新天体の数が増えるにつれ、天体の種類も多様になってきた。天文電報中央局に寄せられる発見報告の数はうなぎのぼりで、新天体の判断はますます難しくなっている。速報性と正確さをともに求められる、彼らの苦労の一端を紹介しよう。
板垣公一氏と金田宏氏。超新星発見の実績が示す偉大な捜索者と、新天体を自動的に見つけ出す優秀なソフトウェア。この最強ペアの実力が、昨年のジャコビニ彗星の再発見に続き、ついに「板垣彗星」の発見として結実した。
ルーリン彗星とともに楽しめるはずだった3つの彗星。だが、予報どおりに帰還した彗星はひとつもなかった。なかなか姿を見せない彗星を捉えるため、観測者が費した膨大な努力の軌跡を紹介しよう。
1年前のホームズ彗星でわれわれは、バーストを起こした彗星が暗くならずにそのまま巨大化していくという驚異を体験した。2008年の秋、もう1つの彗星がバーストを起こし、われわれは再び、その驚異を目にすることになった。
100年以上も行方不明となっていた2つの彗星が、相次いで再発見された。ひとつは異常に明るくなったおかげで見つかった。もうひとつは、現代サーベイの威力で捉えられた。だが、2つの彗星の再発見者は、星に名を刻むという点では、明暗を分けた。
もはや日本だけでなく、世界を代表する新天体捜索者となった板垣公一氏。今年もまた、驚異的なペースで次々と成果を挙げている。進歩し続ける板垣氏は、超新星の枠を超え、今や、あらゆる天体を見つけ出す偉大な「大捜索者」だ。
夜空に新星が現れるように、天文界にも突如として新しい仲間が現れ、華々しい活躍を見せることがある。ときには、バイタリティに溢れたオールマイティプレイヤーが、あたかも天文界を席巻する勢いで登場することもある。
今年も数多くの周期彗星が無事に戻ってきて、番号登録された周期彗星の数はついに200個に達した。その陰では、地上からは見えないソーホーの周期彗星たちも、番号は与えられないながら、次々と戻ってきている。
新星捜索における日本人の活躍は、間違いなく世界一だ。今年もまた多くの新星が日本で発見されている。だが、競争世界の最高峰で今、最も成果を挙げているのは、なんと、昨年に捜索を始めたばかりの西山氏と椛島氏だ。
太陽に近づけば活発な変化を見せる彗星も、太陽から遠い場所では活動をやめ、あまり変化を見せない、と思われている。だが意外にも、今年は遠方で異変を起こす彗星が相次いでいる。
彗星は時に、予想を超えて急激に成長することがある。ひさしぶりに望遠鏡を向けると、大きく変貌した姿に驚いてしまう。毎日のように望遠鏡を向けた熱心な観測者だけが、彗星の日々の成長を実感できるのだ。
昨年10月に世紀の大バーストを起こしたホームズ彗星。その明るく巨大な姿は、2008年の春になっても見え続けている。夏に太陽と合になった後、秋には再びホームズ彗星が夜空に現れる。果たして、ホームズ彗星の姿はいつまで見られるのだろうか。
同じ軌道を描く彗星の群れは、かつて、ひとつの彗星が分裂した証拠だ。だが、小惑星では同じ論理は通用しない。たとえ軌道が良く似ていても、本当にひとつの星が分裂して生まれた兄弟なのかどうか、証明するのはとても難しい。
筆者が主宰するMISAOプロジェクトで、はるか彼方にあるクエーサーの劇的な増光を発見した。天文学におけるアマチュアの功績は素晴らしいが、その活躍の場はついに宇宙の果てにまで迫ろうとしている。
南半球の空を撮影し続けている自動サーベイ・エーザスだが、最近は新天体を発見するシステムがうまく働いていない。そんな時に限って、肉眼新星やら明るい超新星やらが現れるが、残念ながら、今のエーザスでは見逃されてしまう。
史上最大級の大バーストを起こし、2等級の肉眼彗星となったホームズ彗星。10月24日のあの夜から、早くも2ヶ月が過ぎた。だが、ホームズ彗星の明るさは一向に衰える様子がなく、いまだに肉眼彗星として見え続けている。
ホームズ彗星のバーストは、その規模が史上最大級というだけでなく、他に類を見ない特異なものであった。文献に残された115年前の奇妙な姿は現代の夜空に再現され、世界中で克明に記録された。
2007年の秋、明るい新天体が2つ、オーストラリアの地で発見された。マックノート氏による新彗星C/2007 T1と、エヴァンス氏による超新星2007itの発見である。どちらも、世界を代表する一流の捜索者によるものだ。
世紀の大彗星、マックノート彗星(C/2006 P1)の発見からちょうど1年後、同じ符号を持つ別のマックノート彗星(C/2007 P1)が現れた。昨年の大彗星と同様に太陽に近づく軌道を動いていたが、今度の彗星は、幻のような彗星だった。
本誌が発売される頃、ひとつの彗星が現れると予言されている。その名は「ソーホー彗星」。もし、この彗星が予言どおりに出現したならば、史上はじめて、この地球上から一度も観測されたことのない周期彗星が誕生することになる。
人生は山あり谷ありと言うが、コメットハンターの場合、それが極端に現れることがある。最初の新彗星を発見するまでに、捜索に1400時間も費したラブジョイ氏。だが、2個目の新彗星を発見するのには、20時間もかからなかった。
突如として起こる、星の爆発。あたかも新しい星が現れたかのようだが、それは一瞬の輝きに過ぎず、すぐにまた消えてゆく。だが中には、まるで爆発のスローモーションを見せるように、ゆっくりと変化する星もあるようだ。
2007年4月に起きた矮新星てんびん座GW星の大バースト。1983年に発見された謎の新星が、24年間もの沈黙を破って再び輝いた。この星の正体をつかむべく、夜空に情熱をかけ続けた観測者たちの努力が、ついに報われる日が来たのだった。
季節は巡り、また春がやってきた。読者の中には、この4月から新生活をスタートさせた方もおられるだろう。今年は南の空から3つの彗星がやってきて、春の夜空を彩った。天文ファンにとっては、新たな門出の祝福の星となった。
毎月の本誌を彩る国産の新天体のニュース。本誌の新天体コーナーは、素晴らしい成果をあげる日本人捜索者の活躍に支えられている。今年もすでに、日本人によって9個もの新天体が発見されているのだ。
池谷・関彗星以来、42年ぶりの大彗星となったマックノート彗星。金星よりも明るく輝き、白昼にも堂々と尾を伸ばす姿は、人々に衝撃を与え、優雅な曲線を描く長大な尾は、オーロラのように南半球の夜空を彩った。21世紀を代表する大彗星のひとつとして歴史に刻まれた。
10月22日未明のオリオン座流星群の突発出現。誰も予想していなかった天変地異が、大勢の目の前で繰り広げられた。2006年の数々の天文現象の中でも、もっとも多くの人に衝撃を与えた事件であった。
北天の片隅で突然に明るさを増したひとつの星。初めはありふれた星の爆発と思われたが、後に、過去に例がないマイクロレンズ現象だと判明する。アマチュアが見つけた星が、世紀の大発見となるまでの事情を紹介しよう。
土星のすぐ近くに、突如として現れた明るい新彗星。見つけたのは、大規模な自動捜索ではなく、最先端のインターネットの画像でもなく、ベテランのコメットハンターによる、古典的な眼視捜索であった。
8月号の視天で、その活躍を紹介した山形県の超新星ハンター・板垣公一氏。だが、春先に見つけた2つの超新星は、まだ序章に過ぎなかった。その後も板垣氏は、神がかり的ともいえる勢いで、次から次へと新天体を発見し続けている。
梅雨空の日本を尻目に、南の空で相次いで見つかった明るい新彗星。夏休みには、バーナード第2彗星が8等まで明るくなって楽しめた。続いて秋には、もうひとつの新彗星であるスワン彗星が同じくらい明るくなりそうだ。
シュワスマン・ワハマン第3彗星が去り、梅雨になった日本の彗星ファンはちょっと一休み。だが、地球の裏側・南半球の空では次々と明るい彗星が見つかり、彗星界はまた活況を呈してきたようだ。
新天体の発見の裏側には、さまざまなドラマが隠されている。努力を重ねた末の発見もあれば、偶然に発見してしまう幸運な例もある。だが、どちらにせよ、その栄誉を勝ち取る人は、天文家として超一流の何かを持っているようだ。
春の夜空を駆け抜けていった、シュワスマン・ワハマン第3彗星の群れ。分裂した彗星の破片が群れをなして地球をかすめていくという、史上稀にみる天文現象も、ついにクライマックスを迎えた。
分裂した彗星の群れが地球をかすめるという、前代未聞のシュワスマン・ワハマン第3彗星の大接近。ここでは、本誌の特集には載せられなかった、さまざまな裏話を紹介しよう。
写真を一見しただけでは、ただの星にしか見えない変光星。その観測にのめりこむ人の気持ちは、同じ星好きでも理解しにくい。だが、デジタルな視点で変光星の写真を見ると、変光星の個性的な姿かたちが見えてくる。
いまや誰もがその実力を認めるようになった、自動サーベイ、エーザス。2006年も、彗星の発見、新星の発見と、その活躍は止まらない。そんな中、歴史に残るであろう肉眼再帰新星の発見が、日本人によって成し遂げられた。
ただの暗い小惑星が、突如として千倍近くも明るくなり、史上最大級の彗星に匹敵する姿に変貌を遂げた。土星よりも遠いにも関わらず起きたこの大バーストは、これまでの彗星の常識を超える、「あり得ない」大事件であった。
50年以上前に日本人が目撃した幻のほうおう座流星群。その謎が、ついに日本人の手によって解明された。そして2006年には、日本人が記録したもう1つの幻の流星群が、分裂した母彗星とともに、いよいよわれわれの前に姿を現す。
近年の優秀な自動サーベイの活躍で、ついに番号登録小惑星10万個という金字塔が打ち立てられた。あまりの数の多さに、コンピュータ・システムも対応におおわらわ。だが早くも、次世代の大規模サーベイの足音も聞こえてきた。
今年もまた現れたSWAN彗星。2002年から始まるSWAN彗星の歴史の扉を開いたのは日本人だった。5名もの人間が発見者として名を連ねた新彗星誕生の背景と、ネット時代を象徴する彗星探しの現場を紹介する。
冥王星に匹敵するほどの巨大な天体の発見。成果を最大限にアピールすべく秘密裏に準備を進めていた者と、新天体をいち早く世界に広めた者。前回に続き、2つのチームの対照的な行動と思惑を紹介する。
トンボーの冥王星発見からすでに75年。惑星発見という偉業は過去の伝説となり、無数の小惑星が群れる太陽系外縁の姿も明らかになってきた。それでもなお、「第10惑星」は、人々の功名心を刺激し、惑わせる。
ディープインパクトの成果、それは瞬間的なものだった。テンペル彗星の変化を体験することができたのは、その瞬間に立ち会った観測者だけであった。そんな一瞬で終わってしまう天文現象が、宇宙では数多く起きている。
5月に発見された2つの新彗星が、6月に地球に接近して明るくなった。だが、7月にはすでに見えなくなってしまう。本誌で取り上げる間もなく、あっという間に駆け抜けていった彗星たちを紹介しよう。
7月4日、いよいよディープインパクトミッションが遂行される、史上初めて、人類が他の天体に大きく手を加える瞬間だ。アポロ宇宙船の月面着陸にも匹敵する、歴史的な体験が迫っている。
日本人ハンターの活躍がめざましい、新星さがしの最前線。そこに、強力なシステムをひっさげて乗り込んできた自動サーベイ、エーザス。今まさに、この二大勢力が競い合う時代が最盛期を迎えようとしている。
50年前に日本の南極観測隊員が遭遇した一夜の流星雨、ほうおう座流星群。それは、19世紀初頭にたった一度だけ記録された幻の彗星が、時代を超えて引き起こした、奇跡の天文現象だった。その伝説の彗星に、ついに復活の時が訪れた。
超新星−華やかなその言葉のイメージとはちがって、実際の星は暗くて地味なものばかりだ。だが、超新星を見て楽しむことはできなくても、その発見にまつわるさまざまな物語は、読むだけでも楽しいものだ。
彗星は、その神秘的な姿から、古来より人々の心を惹きつけてきた。ある大彗星がきっかけで天文の趣味を始めた、という人も多い。マックホルツ彗星も、せわしない現代人の心を星空に導いたのだろうか。
宇宙には、まだわれわれが知らない秘密がたくさん隠されている。すべてを知り尽くした、と思っていても、ちょっと見方を変えるだけで、また新しい発見があることを、スピッツァーの球状星団が教えてくれた。
銀河系の中で一つ、はるか彼方の銀河で一つ、時空を超えて起こった二つの星の爆発− その輝きが、奇しくも2004年9月に地球に到達した。