2015年6月6〜7日 第45回 彗星会議 in さいたま大宮
吉田 誠一 / Seiichi Yoshida
comet@aerith.net
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q = 1.29 a.u. ですが、3つの理由で、期待された以上に明るくなりました。
ピーク前 | m1 = 2.5 + 5 logΔ + 20.0 log r(t - 25) |
ピーク後 | m1 = 3.6 + 5 logΔ + 10.0 log r(t - 25) |
絶対光度が5.5〜5.8等と、大型の彗星らしく、安定した光度変化を見せました。
近日点までの増光のペースは 8.5 log r とやや鈍く、近日点を通過した後は、急速に減光しました。
2014年10月19日に火星に大接近して話題となりました。
当初は、火星ではマイナス6等級の大彗星が見られる、と期待されましたが、増光のペースは 6.0 log r と、極めて鈍いものでした。さらに、近日点の40日も前に増光が止まり、減光に転じてしまいました。
ところが、近日点を通過した直後にバーストを起こし、2等ほど増光して、結果的に、元の明るさに戻ってしまいました。
結果的には、2つのピークの間の、最も暗くなったタイミングで、火星に大接近したことになります。
その後は、18 log r という急激なペースで減光しています。
r = 2 a.u. まで迫ってから彗星活動を示し、12.5 log r のペースで急激に増光しました。
q = 0.63 a.u. まで太陽に近づく彗星ですが、r = 1.2 a.u. まで近づいた時点で、増光が鈍りました。
近日点の前後では、絶対光度は8.5→10.5等と減光しました。
q = 0.66 a.u. まで太陽に近づく彗星ですが、15 log r のペースで急激に増光しました。 しかし、r = 1.4 a.u. まで近づいた時点で、増光が鈍りました。
65 log r のペースで、非常に急激に増光しましたが、近日点の2週間ほど前にピークとなり、早々に減光に転じました。
周期151年の長周期彗星らしい傾向だと思います。
18 log r のペースで、急激に増光しました。
2015年の春に、SWANの画像から、相次いで新彗星が発見されました。
C/2015 F3 ( SWAN ) は、C/1988 A1 ( Liller )、C/1996 Q1 ( Tabur ) の分裂核と思われます。
彗星 | q | H10 |
---|---|---|
C/2015 C2 | 0.71 | 11.0 |
C/2015 F3 | 0.83 | 10.5 |
C/2015 F5 | 0.35 | 13.0 |
q = 0.78 a.u. まで太陽に近づく彗星ですが、10 log r のペースを保ち、6等まで明るくなりました。
12月半ばと、1月半ばと、二度のバーストを起こしました。
元々、急激に増光し、近日点の20日後に最大光度となる傾向があります。 バーストは一時的で、本来の光度変化には影響が無かったようです。
急激に増光し、近日点の15日後に最大光度となる傾向があります。
q = 9 a.u. と遠方の、絶対光度が3〜4等の大型の彗星です。 2月20日にバーストを起こし、3等ほど増光しましたが、すぐに元に戻りました。
174P/(60558) Echeclus と状況が似ています。
q = 0.03 a.u. と、太陽にかなり接近しました。 核の崩壊が近日点を通過した後だったため、地上からも残光が捉えられました。
近日点で2回増光し、絶対光度は17→11等まで明るくなりました。
2007年に大バーストを起こした後の、初回帰です。大バースト前と比べると、1.5等ほど明るい状態です。
今回も、近日点から10ヶ月も経った1月26日に、4〜5等のバーストを起こしました。
1978年以来、36年ぶりに観測されました。
バーストして、異常に明るくなっていたはずですが、それでも、絶対光度は17〜18等です。
2004年の発見時も、今回も、異常に急減光しました。
73P や 141P の分裂核のように、一時的に増光した直後の、不安定な状態にあるのかもしれません。
周期37年の短周期彗星です。25 log r と、急激に増光しました。
周期31年の短周期彗星です。こちらは q = 3.4 a.u. と遠方の彗星ですが、急激に増光しました。
22 log r のペースで急激に増光し、近日点を通過した後も増光が続いています。
過去2回は、22.5 log r と急激に増光したのですが、今回は 12.0 log r と増光が鈍く、2等ほど暗くなりました。
q = 1.8 → 2.0 a.u. と、わずかに遠くなっています。
q = 0.53 a.u. まで太陽に近づく短周期彗星ですが、15〜17.5 log r のペースで、急激に増光します。 このような彗星は、96P/Machholz 1 を始めとして、いくつかあります。
過去3回の出現を比べると、回帰のたびに暗くなっています。
回帰 | 絶対光度 |
---|---|
2003年 | 13.0 |
2008年 | 14.0 |
2014年 | 16.0 |
但し、過去2回はほぼ近日点後のみ、今回はほぼ近日点前のみ観測されているので、近日点通過後の方が明るいタイプの可能性もあります。
2007年の発見時も今回も、20 log r のペースで急激に増光しましたが、絶対光度は5.7→7.0等と暗くなりました。
絶対光度は4.6等で、q = 0.82 a.u. まで太陽に近づきます。 日本からは、12月〜1月に、5等級で観測できます。
絶対光度は5.5等で、q = 1.31 a.u. まで太陽に近づきます。 2016年の春から夏にかけて、6〜7等まで明るくなります。
7月6日に近日点を通過します。q = 0.31 a.u. まで太陽に近づきますが、日本からは見えません。
最大で2〜3等まで明るくなると予想されていましたが、増光が 7.5 log r と鈍く、6等止まりのようです。